BLOG

ロイヤリティの居場所は

「高品質」、「人気ブランド」、「最新」、「デザインコンシャス」など、今まで物を売る側も買う側も必ず意識していた項目だけでは、比較対象になる同等の物は世の中には溢れていて、どこにいようとも黒い画面とにらめっこしていればそれらを目の前に並べて安く買ったり即日で手に入れたりすることが出来るような時代になりました。

そうは言っても店を運営する側は、自分たちの提案した商品群の中からお客様に購入していただきたいし、良いものや面白いものを届けたいという切なる思いで日々店を開けます。ただ先述の通り、今まではお客様に届いていたことも思いも、従来通りの方法だけでは届きづらくなっていて、いくら良いものを仕入れてもそれをお客様まで届けるまでの道のりが複雑に入り組んでしまっているのが現状であることも承知しています。

KIJI / MAKISU / 12,000+tax

KIJI / NOREN / 26,000+tax

そんな今、自分自身を単なる一人の客として考えた時に、「この人から買いたい」とお客様に思って頂けるような「人」がいる店、「ここで買いたい」という特別な体験を提供出来る「空間」が備わっている店、もしくは意外な商品の仕入れや組み合わせを持って思ってもみなかった発見や驚きを与える圧倒的な「編集力」がある店にはやはり魅力を感じるだろうなと思います。そしていくら目の前に最安値の画面を提示されようとも、きっと私はその店に特別な思いを持って足を運ぶだろうと思います。

KIJI / BYOBU / 36,000+tax

そういうお客様に向けて、私だったらどんな最良の方法をもってこの商品を伝え、お客様の手元に届けることが出来るのでしょうか。決して情報の波の中に埋もれてしまってはいけないそんな品を、責任を持ってたくさんの人に届けるために何をすべきでしょうか。

圧倒的にコンセプチュアルで面白くて、高い利便性がありながらスマートで、品質が良くて、長く育てて楽しめる、優等生のような商品を目の前に、改めてそんなことを考えました。あまりに優等生で、商品それだけで編集を終えて完成しているから、もはや私の為す術もないかもしれませんが。(守屋)

BLOOM&BRANCH WEB SHOP
BLOOM&BRANCH Facebook / Instagram
BLOOM&BRANCH SHOP Instagram
KIJI Instagram
Phlannel Instagram
THE BAR by Brift H Instagram
COBI COFFEE Facebook / Instagram

Interview - 今着たいニットを求めて

 

ずっと買い付けで回っていると心が動かなくなる時がある。
長くトレンドだったとろりと艶のあるニットは、肌触りも良くもちろん綺麗で最高なんだけど、どうしても見飽きて、驚きもなくなってしまう。そんな時に家の洋服棚にあったCorgiのニットを触って、「今着たいのはこういうのだな」と思って今回の企画をしたのが始まりです。
-  柿本 ( BLOOM&BRANCH director )

 

色褪せないもの

-イメージソースとなったニットを形にするまでの話をもう少し教えてください。
(柿本)成人手前で地元熊本のセレクトショップでこのニットを買ったのはもう17年も前。当時のニットをたまたま家で見つけ、ピンときた感覚を頼りにすぐにCorgiのインポーターに連絡を取ってこのニットを再び作りたいとお願いしました。そしたらたまたまそのインポーターの方が当時このドネガルヤーンのニットの製作を担当していた方で、当時はこのドネガルヤーンがよく売れたと話してくれました。ただ、時代は変わってこのドネガルヤーンはCorgi社としても長年遠のいている素材だとわかり、今回改めてイギリスの糸屋を探してもらうところからスタートしました。

-デザインはほぼそのままのように見えます。
(柿本)ネックデザインとかも今新鮮に映ったのでそのまま残していますが、パターンは今の気分に合うように細かく指示しています。全体にゆったりとしたシルエットには変えているけれど、サイズアップしちゃうと野暮ったくなりすぎるからジャストサイズを選んで違和感なく着れる形に落とし込みました。サンプルを作って修正して、結構時間をかけて納得するまでやりました。

-昔のCorgi、だいぶ小さいですもんね。
(柿本)こう見るとかなり小さいよね(笑)散々洗ったから相当縮んでるんだと思う。

-ちなみに洗濯は洗濯機で?
(柿本)手洗いにしてたけど、最後の方は面倒臭くて洗濯機でも洗ってました。

-長く着たであろう当時のニット、毛玉のなさには私は本当にびっくりしました。
(柿本)元はドネガルツイードという伝統的な織物のための糸を、ニット用に柔らかく紡いだ糸だから本当に丈夫なんです。ネップ入りのミックス感のある素朴さに、ハリと弾力性とカサっとした表情が本当にいい雰囲気。それでいて毛玉になりにくいし毛玉になっても目立たないんです。

-ベージュトーンのコーディネートの今日ですが、17年前、19歳の時はどんなスタイリングでしたか。
(柿本)ボトムは赤耳。今回も、当時を思い出して色の抜けたLevi'sの赤耳に合わせることを想定して糸の色をチョイスしました。あとは、きれい目なベージュのチノとか合わせてたかな。そう考えると本当に当時とコーディネートと何にも変わってない。

-変わったのは足元のシューズだけですね。
(柿本)確かに。当時はパラブーツだった。今はYucca's。

メンズライクなアイテムを女性として着る

-中出さん(women's director)、ウィメンズは意識したデザインなどありましたか。
(中出)メンズを着てるようなゆったりとしたシルエットは作りたかったんですが、着丈はスラックスでもスカートでも合わせやすいようにすっきりとさせました。

-ぷっくりとした糸のチョイスがまたメンズと全く違う表情で印象的ですが、パンクヤーンをチョイスした意図は?
(中出)去年、メンズで使用されていたのがこの糸だったのですが、今までのCorgiにない新鮮さを感じて印象に残っていたんです。老舗のメーカーに依頼するからこそ、デザインはずっと着たいようなシンプルさで、その分他で遊びを加えたいと思いました。

-キャッチーな色がどれも迷ってしまうのですがおすすめカラーはどれでしょう。
(中出)パープルですかね。

-私、中出さんはパープルを購入するのだろうと思ってたらまさかのオレンジでした。
(中出)柄のスカートに合わせたくてコーディネート考えてたのですが、もう一つ候補だったNeedlesの柄スカートはもう完売で。こっちの柄だったら色合わせでオレンジかなと。

-私も色でだいぶ迷っているのですが、私にどれがおすすめですか。
(中出)Bronzeを。ロングスカートを合わせたい気分のところを敢えて真逆に、メンズライクなトラウザーと合わせて。軍モノのトラウザーでカーキとブロンズのグラデーションの着こなしなどして欲しいです。

-ありがとうございます。ちなみに中出さんは、このニットを着てこの冬はどこにお出かけしたいですか。
(中出)毎年護摩供養に行っている輪王寺に着て行きたいです。寒いところにも暖かく、そして何より軽いので旅行には最適。

-柿本さんは?
(柿本)やっぱり赤耳くらいの色抜けしたLevi'sに短靴かコンバースを合わせて、田舎を散歩とかいいね。仕事の時は今日みたいに上品なトラウザーでワントーン。

-大人の普段着ですね。
(柿本)派手さもないし、本当は40代くらいが似合うと思うんだけど。でも自然体で、その人らしさとか人物像を引き出せるような存在のニットですから。

Corgi × BLOOM&BRANCH
DONEGAL PULLOVER KNIT / 45,000+tax (men's)
PUNK YARN KNIT / 40,000+tax (women's)

(文:守屋)

BLOOM&BRANCH WEB SHOP
BLOOM&BRANCH Facebook / Instagram
BLOOM&BRANCH SHOP Instagram
KIJI Instagram
Phlannel Instagram
THE BAR by Brift H Instagram
COBI COFFEE Facebook / Instagram

平面「じゃない」魅力の伝え方

AURALEE×BLOOM&BRANCH / BEAVER MELTON SOUTIEN COLLAR COAT / 85,000+tax

僭越ながら、ここに文章を綴ることになってからあっという間に一年の月日が流れていきました。AURALEEとのコラボレーションコートについて書かせていただいた最初の記事は、今でも文章を起こすのに困った際や道筋が見えなくなった折に自分で読み返し、その目に余るほどの拙文に自身の心を奮い立たせてくれる苦くも貴重なものとして、心に残っている一つです。

そして文章に加え、なかなか上達しない写真の技術ですが、一年続けてみて分かったある種の諦めのような気持ちがあります。それは、いい素材や凝ったデザインの素晴らしい商品は、それがより上質でありクリエイティブなデザインであるほど、平面である写真に落とし込むことは困難を極めるということです。手で触れて実感する素材のクオリティや、人の身体を通すことで生き生きとするデザインの妙は、ハンガーにかかった美しい姿を写真におさめるだけでは表現できないのです。

何故ならやはり服というものは、人の身体に纏わせることを大前提として生まれた品であり、その仮定に則った上で肌触り(素材)やシルエット(デザイン)が決まるのです。ハンガーに唯掛けられた一着の服の、その良さを伝えるという目的の為に初めて撮影を試みた際に感じた難しさは、一年経った今でも、まだ拭うことが出来ません。

それでも、この記事を見て洋服に興味を持ち実際にご来店いただいたり、商品をご購入くださる方が一人でも多くいてくださるのならばそれに勝る嬉しいことはありませんし、もっともっと明快に、端的に、率直に、素直に、目の前にある品の魅力を伝える技術の鍛錬をしたいと思います。ご一読頂いた皆さま、誠に有難うございます。そしてまた一年、お付き合い頂けましたら幸いです。(守屋)

BLOOM&BRANCH WEB SHOP
BLOOM&BRANCH Facebook / Instagram
BLOOM&BRANCH SHOP Instagram
KIJI Instagram
Phlannel Instagram
THE BAR by Brift H Instagram
COBI COFFEE Facebook / Instagram

その一票を投じること

THE INOUE BROTHERS×BLOOM&BRANCH / NATURAL DOUBLE FACE STOLE / 32,000+tax

社会的に意義のあることをしている企業、人、組織を支援したいと常々思っております。そんな生き方をしている人に憧れを抱き、彼らの価値ある活動を尊び、そしてあわよくばそんな人や組織に関わって、もしくは共に働くことで、その価値の創造に貢献したいと思っています。

私は好きなことだけをして、好きな人やものに囲まれて生きることを第一に考え、これまで働く場所や購入するものや購入する店を選んできました。「消費」という活動は、上記のような自分の意思表示をする大切な行動のひとつであり、その一票が社会の成り立ちさえ左右しかねないと、本当に心から思っています。だからこそ、大量生産の商品は、手軽に何処でも購入できる利便性があり、そして手ごろで、なおかつ気が利いていているけれど、その背景に納得できなければやはり私にはそれらに一票を投じることが出来ないのです。

「THE INOUE BROTHERS」の活動を始めて知ったとき、そして決して安くはないそのプロダクトを手に取ったとき、「これは買わなければいけない」と、単純な物欲とともに感じた使命感のような直感は、本当に大切にしたい自分自身の価値指標のひとつであると思いました。そしてその感覚は、意識していなければ鈍ることさえあるかもしれないという多少の焦燥の気持ちを持ちながらも、一度持ち得た人からは決して消えることのない貴重な灯火のようにも思います。

NON BRUSHED STOLE / 17,000+tax

だからこそ、そんな気持ちを大切にするために、彼らの活動を尊敬するために、そしてその意思を表示するために、彼らのプロダクトを購入したいと私は思うのです。そして我々はそんな人のために、我々が納得のいくものを選び、提供し、伝えるという仕事をしているのです。そしてまたそれに賛同してくれる人が一人でも増え、その一票を投じてくださる人が増えるならば、その分彼らの活動を尊ぶという意思表示は確固たるパワーを持ち得るのです。(守屋)

BLOOM&BRANCH WEB SHOP
BLOOM&BRANCH Facebook / Instagram
BLOOM&BRANCH SHOP Instagram
KIJI Instagram
Phlannel Instagram
THE BAR by Brift H Instagram
COBI COFFEE Facebook / Instagram