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コートの中は春

Needles / Round Collar EDW Gather Shirt - Liberty Print / 22,000+tax

桜の木が満開の花を咲かせる姿を見ることができるのはまだまだ先のようですが、都内でも少しずつ春の芽吹きを感じられるようになりました。とは言っても太陽が顔を出す前の窓の外にも、風の表面にも、温めたはずの部屋の隙間にも、寒さはまだしぶとくこの街に残っています。

季節の境目が感じられる頃の悩みといえば、前の季節に着ていた服をいつしまうのか、先の季節用にと買っておいた一着をいつ卸すのかの見極めが難しいことがあります。早まって季節を先取りしてしまったならば、心は浮き足立っていても体が無理をしてしまうこともあります。冬の終わりは、いつからウールのニットを着ることを辞めるのか、いつからコートの素材を春用のものへとシフトするのかが問題です。

ただその前に、季節の境目ならではのコーディネートも絶対に楽しんでおきたくなるのが洋服好き達の宿命でしょう。今の時期ならば、冬のコートの中には春爛漫の陽気を閉じ込めたスタイリングを纏って、コートの着脱でがらりと変わる雰囲気を楽しみたいものです。

シャツとコートの間には、コットンのニットを挟み込んだり、ウールリネンのからりとした表情のジャケットを合わせたり、異素材同士の組み合わせを楽しむのも一つです。いつから、どこに、春を忍ばせようか、考えるだけで少しだけ心は陽だまりに当たったように柔らかな温もりに包まれます。(守屋)

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素材の使い方とその調理法についての考察

AURALEE / LINEN WOOL SILK SHARK SKIN SLACKS / 34,000+tax

昔、ある有名フレンチレストランのメインシェフを務めている方が「フレンチが高額になる理由の一つとして、最高の素材を使うことは勿論、更にそこに不必要なまでに高級食材を掛け合わせるからだ」という旨のことを語っていたのを思い出しました。その後そのシェフは、せっかく拘って使用している最高の食材の味をお客様に知ってもらえるようシンプルに調味・調理され、そして最適な価格設定をされたフレンチを提供する為に独立開業をしていました。

AURALEE / LINEN WOOL SILK SHARK SKIN SHIRT JACKET / 49,000+tax

接待の場面などにおいては、もしかするとロケーションや格式が必要な場合もありますが、気心知れた仲間や会社の同僚、上司、恋人と過ごすかけがえのない時間のためには、「本来の素材の良さが楽しめる職人の料理」の提供場所は十二分にその目的を実現してくれ、期待以上の満足をもたらしてくれることでしょう。

いい素材、旬の素材だからこそ過度な調味を加えずそこに更に質のいい塩やビネガー、麹、出汁を使って素材を活かすこと。これはきっとプロフェッショナルの鍛錬された舌と味覚、そして培ってきた生産者との調達ルートなどがあるから可能なことであり、そこには否応無しに素人に入り込む余地はありません。

AURALEEにもこのシェフのようなプロフェッショナルの気概とアプローチの方法と魅せ方をいつも感じます。最上の素材をどう調理したら素材の良さを活かせるのか、デザイナーの経験と審美眼と、磨かれたセンスと、時代を掴む敏感なアンテナの全ての融合によって、シンプルながら多くの人を魅了するフルコースが完成しているように思います。今19SSのコースのおすすめはこちらです。(守屋)

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自己追求へのアプローチ

Phlannèl / Anonymous Shirt / 19,000+tax

海外に出てみて改めて日本の魅力を再発見することがある人は少なくないでしょう。日本にいては近すぎて自分自身がその中に埋もれてしまうけれど、そこから一歩抜け出すことで、しっかりと自分自身や日本を、見つめることが出来る「第三者の視点」が自然に備わるということの結果がそういった形で現れているのだと思います。

洋服へのアプローチでも、海外コレクションを動画や写真で見たり実際にアイテムを手にとって見ることでそれらとドメスティックアイテムとの違いや国内ブランドの持つ魅力を再発見することが出来る場合があります。私自身も、日本から脱出して検証することは不可能ではありますが、仕入れのタイミングだったり実際に店に商品が入荷してくるタイミングで洋服と対峙する際には、「海外から見た日本」という構図でそれらを見比べてしまうことが多いです。

そうした際に現れるのは、縫製技術や素材のクオリティにおける日本の優位性であるということはこれまで飽きるほど語られてきたことではあります。それに加えて今シーズンのPhlannèlコレクションから発見したことは、日本の色表現の魅力です。日本に親しみのある藤や菫、そして桜のスモーキーでエアリーで、儚げで静謐な発色は、たとえ海外に同じ植物があったとしても、日本の柔らかく表情豊かな四季のある風土だからこそ現れる特徴であり、それも得てして日本の優位性と言えるでしょう。

日本から脱出をしないと必ずしもその魅力を見つけることが出来ないというわけではなく、外に出ることはあくまでその手段の一つに過ぎません。逆を言えば、日本という渦の中、台風の中に巻き込まれてその「台風の目」に入り込み、中心の奥深くへと潜り込んでいくことで表面に現れることのない何かを掴むことも違う方向性からの日本の理解へ向けたアプローチの一つです。

Phlannèlという、日本生まれの洋服に対してどんな視点を持って触れてみるかは、消費者にその多くを委ねられています。ただきっとどのようなアプローチにせよ、そこには日本特有の美、日本らしい価値観、そして日本らしい表現を再発見できることを保証します。(守屋)

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