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KIJIのデザイナーを知っていますか

KIJI / MIZUYORU DRESS SHIRT / 34,000+tax

通常ファッション業界では、デザイナーという立場があり、そのポジションに従事する人々はものづくりの視点でインプットした要素を商品デザインとしてアウトプットをしています。それとは別にバイヤーという立場が存在し、バイヤーはバイヤーとしてインプットしたことを店の商品ラインナップにアウトプットしています。分業でこなされるべきプロフェッショナルの仕事を一人の人間が行うことは、業界内でも皆無ではないですがまだまだ高度なスペックを要します。

そんな稀有な存在の一人であるKIJIのデザイナーは、作り手として新しい素材知識や工場技術の探求、デザインソースとなるアートピースの収集などをインプットしていながら、バイヤーとして来たるシーズンの業界情報や市場の流れ、着こなしのバランス感覚なども同時にインプットをします。

それぞれの立場としてインプットした要素は、相互に利用されてアウトプットされ形になっていきます。例えば次のシーズンの市場動向をバイヤーとしてインプットしたならば、それはKIJIのアイテムデザインにアウトプットされることもあるでしょう。一つの立場でインプットされる要素に止まらない膨大な要素を処理する能力の高さに加えて、高い質と頻度でアウトプットをこなす新陳代謝の高さを保つことは、並みの人間が真似をしようと思ってもなかなか叶うことではありません。

少しキャッチーなデザインや日本の伝統技術を使った商品のクオリティがKIJIの魅力ではありますが、そんなアナログな魅力に覆われた商品の内側には、情報に溢れた現代を生きる上で手本となるような人物が見えてきます。そんな相反する構成要素は、KIJIの更なる面白みに感じられませんか。(守屋)

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POSTALCO×BLOOM&BRANCH - Special Interview Vol.2

POSTALCO / Kettle Zipper Wallet Long / 50,000+tax

バケツは完璧

- プロダクトを作る上で一番大切にしている視点はどんなことですか
M : 一緒に暮らしていくものを作るということ。あとは「丁度いい」という気持ちを大切にものづくりをしています。例えば、ペン立てにいつもペンが10本あったとしたら、きっといつも使うお気に入りはその中の2本くらいですよね。その2本のインクが切れちゃったり、たまたまなかった時に他の数本を使うことになるんだと思うのですが、その2本をついつい手に取る理由って「丁度いいな」とか「なんかこれが好きなんだよね」っていう気持ちだけで特に明確な理由はないですよね。POSTALCOはその2本のペンのような、なんとなく心地良いから選ばれるものでありたいと思っています。

 - 言語化が難しいといえば、「POSTALCO」らしさって、いつも私はお客様や友達に伝えることが難しいと思ってしまいます
M :

POSTALCOらしさの話じゃないかもしれないけれど、さっきも出てきたようにバケツって求められた問題を解決出来ているほぼ完璧なものだと思っているんですよね。便利なはずの携帯だって、使っていて不便なところもある。機能が多くて、使っているとすぐに電池が切れてしまったり、寝る前に画面を見ると寝つきが悪くなってしまったり。バケツを使っている時は、用途を満たしているからそこに不満ってほとんどないんです。長い時間をかけて何世代もの人が問題解決をして今の良くあるバケツの形にたどり着いた。そう思うと、バケツってとても惹かれます。

 - 「バケツみたいなものを作りたい」ってキーワードですね
M : 道具が使う人によって自然にそれぞれの人の手に馴染んでいるのを見ると「あ、素敵だな、カッコいいな」と思います。そういう格好いいものを作りたいんです。

- 携帯の話が出てきましたが、近年スマホの中にお財布だったりメモだったり、メールやチャットも、全部内包されていくからこそ便利だけれどものが不必要になっていって、人のものの消費行動が変わっているなと感じるんです。私は書くことに大切な意味があると思うから、そんな世の中でも「紙とペン」はなくなって欲しくないと思うんですが、マイクさんにとってそういうものってありますか?
M : 僕も紙に書くことって好きだしとても大事だと思う。携帯にメモしようと思っても、違う機能があるからこそ色んなところに気が行ってしまって集中出来ない。紙に対して何かを書いている時は、その「書くこと」だけに集中できると思うんです。摩擦なくスムーズにものを考えて書くという作業が出来るというんでしょうか。自分の思考と紙だけに集中できることってなかなか今の時代には難しくなっていることだからこそ、大切にしたいですよね。

今の「10分」と、昔の「10分」の価値

 - お金も、キャッシュレスが進むと金銭感覚って変わって来てしまうと思います
M : そうですね。時間に対しても同じように、感覚が変わってきていると思っていて、今と昔の「10分」って全く違う時間に僕は感じます。例えば電車があと10分で来る時、昔は駅のホームで考え事をしながら待っていたら電車が来ましたよね。今はその10分でちょっと記事でも見てみようとスマホの画面を見ると、メールを受信して、そのメールをつい見てしまう。そしてメール内にリンクがあって、そこに移動して...っていうように本来の目的から逸れて色んなことに目がいって気がついたらあっという間に10分が過ぎていく。便利だからこそ、気をつけないと大変なことになってしまう。

 - それを踏まえて、これからのPOSTALCOの目標はありますか?
M : デジタルとアナログのバランスって僕も最近すごく考えていて、決してデジタルが悪いわけじゃないけどアナログの部分で大切な価値もあるから、どちらも使っていて心地良いバランスになる生活を考えたいです。人間って常に色々な問題を抱えているから、その問題をどうしたら解決出来るかなって考えています。バケツみたいに、人間の問題を解決出来るものを作りたいです。

(インタビュー・文:守屋)

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POSTALCO×BLOOM&BRANCH - Special Interview Vol.1

BLOOM&BRANCHが創業当時から大切に取り扱ってきたPOSTALCO。
そんな特別な思い入れのあるブランドと実現した別注アイテムの発売を記念して、
デザイナー マイク・エーブルソン氏へのスペシャルインタビューを掲載いたします。

暮らしを共にするもの

 -  今回のBLOOM&BRANCHとの別注企画を実現するに至った経緯をもう一度伺えますか
マイクさん(以下M):このKettle Zipper WalletがBLOOM&BRANCHで人気ということで、何か特別なものを作れないかと柿本さん(BLOOM&BRANCHディレクター)から打診がありました。色というのが一つのテーマとしてあったということで、今までやったことのなかった特別なカラーで、BLOOM&BRANCHらしいもの、そしてPOSTALCOにしか出来ないものを作ろうということで実現しました。

 - 別注カラーで完成した"Burgundy"は、BLOOM&BRANCHへのどんなイメージから生まれたのでしょうか
M : 長く共に暮らしていけるもの、「一緒に暮らすようなもの」を心がけて普段からものづくりをしています。BLOOM&BRANCHも同じような思いで揃えているものがたくさんあって、そういうものって経年変化がすごく大事だと思います。時間とともに色が濃く、いい雰囲気になっていく。だから今回もまず、経年変化で格好良く変化していくものがいいなと思いました。それを表現するにあたって、濃い色でつくりました。

 - その中でもBurgundyという色の特徴は?
M : とてもクラシック。昔からずっとある色で、そのクラシックさもBLOOM&BRANCHにはよく似合うと思います。

 - 出来上がった商品を見て、今までのPOSTALCOになかったような女性らしさを感じると、スタッフの中で話題に上がりました
M : POSTALCOのアイテムはいつもニュートラルなものを目指したいなという思いがあります。パートナーのユリも、いわゆる女性らしいものをあまり身につけていません。そういう人って世の中には意外とたくさんいると思っているし、だからこそこれは男性用、これは女性用という括りを無くして、性別の関係ないものを作りたいとずっと思っています。だから今回も今までと変わらず、特に女性らしいとか男性らしいとかは意識をしていないです。

 - このレザーは、もともとPOSTALCOで特別に生産している革ですか?
M : はい、このジオロジーゴートスキンはもともと全てオリジナルで生産しています。職人さんが革を丁寧になめしてシュリンクさせることで出来る凹凸が、遠くから地球を見ているようでとても気に入っています。山があって谷があって、川が流れているような。

POSTALCO×BLOOM&BRANCH / Kettle Zipper Wallet Small / 36,000+tax

夏に食べるたたききゅうり

- ということは、新たな色を作るにあたって、革から新しく生産しているということですよね?
M : そうです。でも色の表現って言語化が本当に難しい。すごく料理に似ているなあと思うのですが、料理って食べた時に「美味しい!」と思っても何故美味しいのか理由を説明することがとても困難ですよね。あとは、夏に食べるたたききゅうりみたいに、暑い日に食べた時は「これこれ、この感じ」と思って美味しく感じても、冬に食べたらそれは何か違うなと感じることってないですか。色も同じように「今の気分」で感じ方も変わるし、その感覚を伝えることは大変だけれど、いい色に出会った時は「そうそうこれ!」としっくりくるものです。

- 以前に柿本とPOSTALCOのオフィスに伺わせていただいた際に、生産の過程で紙のプロトタイプを何度も制作して検証を繰り返すというお話を伺ったのがとても印象に残っています。このお財布ももちろん同じ工程を経ているのですよね?
M : はい、このお財布も何度も検証しました。特にジッパーのサイドまでレザーをつけることで立体感を生み出して、可愛らしいころんとした形状でなく、直線的で格好いい雰囲気を残せるように意識しました。とても苦労しましたが、職人さんの技術の甲斐もあってなんとか実現することが出来ました。小さいお財布が流行ってはいるけれど、まだまだお財布にものを詰めすぎて混乱してしまっているような状態の人をよく見かけます。これは、そういった「お財布にたくさんものを入れたいけれど綺麗に整頓したい人」のために作りました。大きいサイズのKettle Zipper Wallet Largeは携帯も入るくらいのサイズにしているので、お昼を買いに出かける時とか、これだけを持ち歩く人もいるんですよ。

 - お財布に携帯も入るのですね!私も小さいサイズは愛用していますが新しい発見でした。あとこのお財布のいいところは使い始めてすぐに革が馴染んで手にしっくりと収まり使いやすさが増すことだと思っています。本番と同じ革で生産したものを、製品サンプルとしてみんなで使って検証したりもするのしょうか
M : もちろん、実際に使って試します。オフィスの中で触ってみんなで意見を出し合うけれど、外に出て様々な環境でお財布を試す必要があります。例えば、実際に人がたくさん並んでしまったレジで、急がなきゃいけないプレッシャーを感じながらお会計をするときにはまた新しい発見があるのです。そんな風に色々なものを改善しながら開発しているとき、バケツって良くできているなと感心します。バケツって長い歳月の中でたくさんの人が生活の知恵を絞って改良を重ねて、徐々に徐々に完成されてきた形だと思うんです。そういった意味で、お財布はまだまだバケツには敵わないなあと思います。

→Vol.2へ続く

(インタビュー・文:守屋)

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矛盾の中に見出す女性像

YLÈVE / COTTON TYPEWRITER SK / 45,000+tax

ジェンダーレスが叫ばれて久しい今、女性がメンズアイテムを着用することも、逆に男性がレディースアイテムを着用することも珍しくない時代になりました。最近は男性がヒールシューズを履いている姿を東京のど真ん中では見かけるようになり、ファッションの際限のない多様性には走り続けても追いつけないスピード感と他を顧みない潔い主観性が見受けられます。

そんな中、女性らしさのあり方も少しずつではありますが変化をしているように感じます。「女性らしさ」とは可憐で弱く繊細で、美しく、そして華やかであることを指していた時代があり、当時はフリルやレース、そして柔らかな素材感がその「らしさ」を代弁する一般的な装飾であり服装でした。社会への女性が進出が盛んになったと同時にそれとはまた別の「女性らしさ」が確立され、パワーショルダーのジャケットやパンツスタイルの「強さ」を示した女性像が登場し、男性と女性の対等性を暗に主張するようなスタイルが増えました。

そして今、男女の境なく服を楽しむ時代に、男性的な洋服の中に女性らしさを見出す一種の矛盾とミックス感が、第三のフェーズとして、新しい価値を持って世を席巻しているのではないでしょうか。ただ、メンズライクな着こなしやアイテムの中に女性らしさを見出すバランス感覚はなかなか難を極めるもので、それを完璧なまでに形にしたのがYLÈVEだと思います。(守屋)

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名もなきストライプは誰かの手によって

Phlannèl / Stripe Poplin Band Collar Shirt / 24,000+tax

チョークストライプは几帳面で硬派な大人の、どちらかといえば男性的な印象を与える柄で、ピンストライプは感性に優れた少し物腰が柔らかいけれど芯のある、どちらかといえば現代的な女性をイメージさせる柄。ロンドンストライプは少しファッショナブルで個性的な、拘りの強い印象を与える柄。

一口にストライプと言ってもその柄の種類はごまんとあり、与える印象も多岐に渡るという非常に奥の深い柄です。チェックも同様にそのバリエーションの豊かさは言わずもがな周知のことですが、チェックに比べて私はストライプに惹かれ、興味を持ちます。理由はいくつかありますが、一つにはその控えめでトレンド性に欠ける存在感ながら、ストライプこそそれを扱う人の性格が一目で伝わる繊細な柄だと思うからでしょうか。チェックは毎年トレンドの一つとして挙げられやすく、マドラスチェックばかりが目に入ったシーズンもあればギンガムチェックのような至極普通と言えなくもない単調なチェックを着てる人ばかり見かけたシーズンもありました。

ただストライプは、これと言ってビッグトレンドになりにくい印象がある一方、毎年どこかで必ず見かけ、さらにその柄は、リリースしているブランドらしさやデザイナーの内面性すら浮かび上がらせているような内包する個性が爆発した印象がありとても興味をそそられます。そしてそれらを身に纏った人には、その人の個性との相互作用もあってまた違った個性と印象を爆発させる化学反応が起こります。

控えめで一見個性がなさそうに見えるPhlannèlのストライプは、頭でっかちなデザイナーの思考回路の複雑さがぎゅっと詰め込まれ、計算しつくされた理性あるデザインを優れた感受性による独特のセンスでまとめ上げられています。柔和だけれど真面目で、更にファッショナブルだけど昔からあったような気もする不思議な感覚は心地よく今の感覚にフィットします。そしてこれを誰かが着ることで、新しい価値が加わるその化学反応が楽しみな一着です。(守屋)

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