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「強いない」こと

CHECCI DE ROSSI / Market Bag Tote & Shoulder M / 20,000+tax

CHECCI DE ROSSIというブランドの魅力は、過去のエントリーで取り上げた通りワインをはじめとする天然染料で仕上げられた独特のレザーの表情です。そんな彼らのクリエーションは「エコロジカル」の枠に組み込むことが出来るものでありますが、そのような姿勢を決して消費者には押し付けません。彼らはもしかしたらエコロジカルなアイテムを作っているのだということすら意識していないかもしれません。

今回の新作も今までと同様の姿勢を崩すことはなく、リサイクルコットンを使用しながらもあくまでブランドらしいモードでアーティザナルなオーラを忘れないアイテムに仕上がっています。ただ、バッグのポケットの中には、誰もが見つけられるようにエコロジカルなアイテムの良さというものがしっかりと仕込まれているように、私には感じるのです。

彼らが意図しているか否かは別として、そのクリエーションから私が感じたことは、ブランドの思想や価値観は正しく表現されるべきであるけれど、決して消費者に対してそれらを強いることはいけないのだということです。強いられない自由度があるからこそ、そこに生まれる共感性は確固たるものになり、結果としてブランドに対するロイヤリティは高まりますし、価値観を強いられた途端に消費者は、少なからずの不便を感じるのではないだろうかと思います。

環境保全や「SDGs」という言葉が叫ばるようになって久しく、多くの企業がそれらに向けた行動指針を示したり様々な活動に取り組んだりしていますが、それらも同様に、企業方針だからと消費者側に何かを強いた途端、正しさを失い本来の目的を損なうのではないかと思います。強いることはあまり善をもたらさないのではないでしょうか。(守屋)

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比例関係

Phlannèl / Cotton Silk Airy Dress / 40,000+tax

良い服の持つ「着るほどに深まる良さ」というのは、決して自然発生的に現れるものではない、と私は常々思っています。そしてその「深まる良さ」を作り出す上で、その洋服に対する「着る側の愛着」というのが、忘れられがちですが決して外せない重要な構成要素であると考えています。

もちろん上質な素材であることは大前提として、作る側が「長く着られることを想定していない」服であれば、着るほどに深まる良さなど存在するわけもありません。ですが、そのように大切に選び抜かれた上質な素材の変化を、単なる劣化に留めてしまうのか、はたまた「深まる良さ」に昇華させるのかは「着る側の愛着」に依存します。

良い服だけれどカジュアルなシーンで着ることができる服は、現代の市場には数え切れないほどに溢れています。ですが、そんな上質な服たちを着る側は当たり前に享受し、心なくそれらを洗濯機に放り込んでしまったなら、きっと滲み出るはずの「味わい深さ」さえも強力な漂白剤によって消されてしまうのです。

当たり前に手に入るものかもしれないけれど、それらと共に過ごす日々をしっかりと大切に過ごし、そしてそんな日々を重ねることが出来たときに初めて、洋服たちの中から「深まる味わい」は生まれ、育って行くものではないでしょうか。

「着る側の愛着」によって服が見せる表情は変化し、「味わい深さ」は言わずもがな愛着の度合いに比例します。服の良さに甘んじてしまっては結局何も生み出せません。(守屋)

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春のニットとか万年筆とか

knitbrary / CREW KNIT LINEN SWEATER / 48,000+tax

先週から引き続き晴天に恵まれている東京では、桜の花見客であちこちの公園が賑わっています。そんな暖かな気候に誘われて、新しい春の洋服への欲求も加速し、今シーズンのウィッシュリストがどんどんと埋まっていきます。二着目のトレンチコート、春らしいカラーのストライプシャツ、ぱきっと新鮮な色ののったデニム、心改まるとっておきの革靴と、どんなに物欲が高まり、あらゆるものがリストインされても、なかなかそこに含まれないものが「春のニット」です。

私にとってその理由の一つには、飽きるほど着たニットとの別れの季節である春に、素材違いといえどそのアイテムと再び過ごす日々にメリットを感じられないことがあります。そして、すぐに夏のような日差しが降り注ぎニットなんてとても着られなくなる日がやってくると思うと、春のニットはどんどんリストの下の方に落ちていってしまいます。それだったら色んな種類のシャツが欲しいと思ってしまう、そんな人も少なくないでしょう。

それでもなお、「決してマストではないアイテム」を着ることの意味はやはり、カットソーでは叶えられない洗練された大人の印象を与えられることと、シャツでは実現しない程よく抜けた大人の余裕を醸し出せることにあるように思います。特別便利とは言えないものをわざわざ所有するのですから、利便性やトレンドや価格に捉われない、絶対的な個人の美的感覚がそこには介在するはずです。

偶に、ペンケースから万年筆をさっと取り出してメモをとったりサインをする方がいます。ボールペンのように便利とはいえず、少しの間使わないでいるとインクが乾いてしまう万年筆を自然に使いこなすそんな人を見ると、その姿に私は、はっと心を奪われてしまいます。春のニットを自然に着こなす大人の姿を見たら、同じようにその余裕のある姿に魅せられてしまうでしょう。そして自分がまだ未熟であり、そんな余裕のある大人の足元にも及んでいないのだと自覚させられます。(守屋)

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