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より自然に、よりおおらかに

スリップ板皿 中 / 5,000+tax

静かな水面に広がってゆく波紋のように不規則に美しいゆらぎを描くスリップウェアの絵柄は、どれを取っても一つとして同じものはなく、その不規則性を維持したまま卓上にその波を広げます。不規則的なこの美しさは自然界のそれと呼応するように、人為の排除を感じさせうるものです。

とはいえ、これまでの氏の作品には静けさと透明感を携えたスリップの絵柄の中には、ある一定のパターンを垣間見ることも出来たように記憶しています。自由で不規則的な表情をある種のパターンを持って律することで、氏の作風を形成していたのだと思います。その個性と美しさに惹かれた方は数え切れないでしょうし、私自身もその魅力に引き寄せられ多くの作品を自宅に持ち帰った者の一人です。

スリップ長方皿 / 6,000+tax

ですが今展示ではそのパターンのようなものが影を潜め、自然界に近づくように不規則性をより強めた作品の数々が広がっており、その不規則性が逆に氏の世界観をますます強固なものとして確立しているように感じることが出来ます。緩やかなフォルムはより緩やかに、おおらかに、優しげな曲線を描いています。そしてその上を自由に往来する釉薬の波が広がります。

スリップ板皿 細長 / 6,000+tax

こうして自然界に近づいていったように見える作品の裏には、しかしながら緻密に計算された石膏型があり釉薬があり、氏の技術があるのだということを考えると、全ては逆説的な構成要素として成り立ち、この美しさを形成しているのではないかと思います。(守屋)

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無駄なく生きるとは何のためなのか

Gallego Desportes / Mantear Burby / 60,000+tax

自分自身の身なり、着こなしに無頓着である人たちが強い味方を得たように「スティーブ・ジョブズのように」という合言葉を口にしてその無頓着さを正当化する感性が一種のトレンドのようにもなっている昨今では、いかに効率的に生きるか、無駄を省いて生活を豊かにするかという視点が重要視されているように思います。

これまでと比べて圧倒的に速度は速く、密度は濃い現代社会にあっては、効率を求めていかないと時代に追いつくことすら難しかったり、仕事の場面のみならずプライベートの時間も十分に謳歌することが難しい場合もあるでしょう。そうして効率性を追い求めた結果、毎日着る洋服に悩む時間を無駄と見なし、削減するべく「スティーブ・ジョブズ的な」着こなしをする人が増えたのだろうという背景も容易に想像が出来ます。

一方で、自分自身への配慮の一端を省略するという決断は、果たして誰の為に、何の為に生きているのかという本質的な部分への問いかけを残すものであるようにも思います。「衣服は一番外側に表れるその人の内面である」と言われるように、それは本来自身の内面をじっくりと見つめ、問いかけ、答えを出して表現するツールの一つであるはずなのです。

Gallego Desportes / OOOOOO /

身なりへの配慮を排除することは、毎日の微妙な心境の変化をキャッチする機会をみすみす逃している、あるいは初めからないものと見なしていると考えることも出来ます。洋服を選ぶ以外に、自分を省みる方法なんていくらでもあると思っている人も多くいるかと思いますが、ではこんなに簡単に毎日の生活の一部として自身の内面の省察の機会があるのにも関わらずそれを排除することは、果たして100%の効率性を獲得する答えになっているのでしょうか。

全てはあくまで個人個人の価値観に委ねられた話にはなってしまいますが、自身を省みることをせずに日々効率を求めて生きることは、果たして誰の為なのでしょう。または何の為なのでしょう。考えたことはあるでしょうか。(守屋)

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ルーツのかけら

mii / WRAP SKIRT / 33,000+tax

物心がつく頃や青春時代に、どんな友達とどんな場所でどんな遊びをしていたか、どんなことに夢中になっていたかということは、その人が大人になる上で非常に大きな影響を与えるものであると思っています。いわばそれらは、その人の人格を形成する重要な「ルーツ」となることは間違いないと、言い切ってしまっても差し支えないでしょう。

私が中学生時代を過ごした街にはその当時古着屋がそこかしこにありました。少ないお小遣いでは到底買い物なんて出来ない時から友達とふらふら買い物に出かけ、ラックや棚にぎゅうぎゅうに詰め込まれた服たちを見て、自分だったらこれが欲しいとかあんな服を着てみたいとか言い合いながら過ごしたその時代に、私は古着というジャンルの面白さや洋服の楽しさを知ったのだと思います。

国ごとに異なる衣服の成り立ちや地域性のある織物の柄や素材の肌触りというその当時に得た知識や記憶は、自身の血肉となって知恵となって今の仕事を支えていますし、その時の芽生えた感覚が今の自分の感覚の芽の息吹であったのだと思っています。当時はアメリカ古着の全盛期がひと段落し、より自由度の高い着こなしに皆がファッションを楽しんでいた時代でした。その時に見た柔らかく美しい生地で織られたインド綿のビンテージドレスや、アフリカンバティックの鮮やかな発色とハリのある素材のスカートなど、記憶に鮮烈に残るアイテムも本当に沢山あります。

こんな風に、きっと一つとして同じもののない、人それぞれに全く異なるルーツですが、同じジャンルの人間という存在はきっといて、交換可能なルーツのかけらもきっとあるのではないか、と久しぶりに自分のルーツを掘り返すきっかけとなったインド生まれのアイテムを前に考えた秋の始まりでした。今でも趣味の時間やお金の多くを洋服に使う大人の方々の中には、私とも交換可能なルーツのかけらを持っている人がいるのではないかと、そう期待します。(守屋)

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期待を裏切れるか

Porter Classic for BLOOM&BRANCH / Fleece Shirt Coat  / 38,000+tax

コラボレーションという販売手法や取り組みがここまで盛んになったのはいつからのことでしょうか。その走りとなったブランドの言及はしないまでも、80年代にセレクトショップの業態が日本において誕生し、どこでも様々な海外ブランドのアイテムが手に入るようになってから、「ここにしかない」を求めた売り手と買い手両者の需要によってその勢いは加速していったのかと思います。

いつしかユニクロやH&Mなどの所謂ファストファッション業態が大手メゾンとのコラボレーションを仕掛けて大きな話題を呼んだこともありました。そして一度「話題になった」コラボレーションの取り組みは、「話題になった」過去のものとなりいつしか消費者の既視感と飽きと疲弊を招くことになります。

「もう飽きたな」と消費者が感じる所以はおそらく優秀な彼ら彼女らが、そこに商売の香りを敏感に嗅ぎとってしまうからではないでしょうか。彼ら彼女らの求める形や想像を遥かに超えていない商品が発表されていたのであれば、「また同じことをして売りに走っている」と安直に思わざるを得ないでしょう。実際に供給側にそのような思いがあるとないとに関わらず、彼ら彼女らが感じた思いはそこでは事実となってしまうのです。

では、飽きらることもなく続いていくコラボレーションは有り得るのかというと、もちろん可能ですしそのような美しいコラボレーションも世の中にはたくさん存在しています。そうなるためには、上記のように「商売の香り」がしないこと、常に消費者の期待をいい意味で裏切って期待以上を提供し続けること、そして生産者・ブランド・ショップ・お客様全てに利益をもたらすことが出来る構造であることが必要です。

今、4シーズン続いているこのコラボレーションも、生産者・ブランドの協力があって叶っていることであり、お客様が理解をし、共感をしてくださっているから続くものであり、そのために我々は常に期待の遥か上を目指していく必要があるのです。期待の遥か上を行くことは正直なところ容易いことではありません。今回も我々の力量をお客様みなさまに測っていただく機会を与えていただきました。是非、ご意見もお寄せいただけますと幸いです。(守屋)

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