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作為と無作為、人間的な心地よさ

m's braque / Stand Collar Polo / 19,000+tax

テキスタイルというものは、かつては人間が手作業で染色したり、刷ったり描いたりして作られていました。そのためそこには身体的、自然的に発生する「ぶれ」や「ずれ」という問題が起こっていました。今でも稀にビンテージショップで見かける古いアフリカンバティックの布地や、老舗の呉服店に飾られた手絞りの染めが施された和服や反物の絵柄をよく見れば、規則的に並んだパターンの間に介在している「ぶれ」や「ずれ」を認識することは出来ます。

そしてその無作為な表出物に我々は自然的な心地よさを感じ、人の温かみさえ感じるのではないでしょうか。なぜなら、自然界においては0か1かの完璧な事物は存在し得ないからです。木も石も、波打つ海も、不規則で曖昧で、直線からは「ずれ」を起こし常に変化して揺れています。人がそれらに本能的な温かさや自然な安心感を感じることは当たり前でしょうし、逆にどこまでも完璧でグレーゾーンを持たないデジタルなものには知らず知らずのうちに違和感を覚えるのは普通の感覚だと思います。

完璧なデジタルを駆使すれば、「作為的に」それらの曖昧さを演出することは可能でしょう。しかしそこに我々はどうしても拭うことの出来ない作為的な何か、不自然さを感じざるを得ず、自然発生的に現れた「ずれ」のもたらす安心感や温かみというものは図らずも影を潜めてしまうのではないでしょうか。

デジタルにだけ飲み込まれた生活を続けた時にもたらされることは、本来人間が持っていたはずのそれらの自然的な感覚の損失なのではないか。と、私は日頃から思っており、それは避けるべき事態だと、強く感じています。だからこそ、自然発生的な事物に触れること、「ずれ」や「ぶれ」に敏感であること、それらの心地よさを忘れないことは普段の生活で決しておろそかにしてはいけない行為と思考だと思います。

洋服においてその感覚を研ぎ澄ます一つの方法として古いテキスタイルを見ることやそれに触れることは非常に有効な手段であるのではないかと、店に置かれた人間的な商品群を見て感た備忘録として記載させていただきました。(守屋)

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