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「強いない」こと

CHECCI DE ROSSI / Market Bag Tote & Shoulder M / 20,000+tax

CHECCI DE ROSSIというブランドの魅力は、過去のエントリーで取り上げた通りワインをはじめとする天然染料で仕上げられた独特のレザーの表情です。そんな彼らのクリエーションは「エコロジカル」の枠に組み込むことが出来るものでありますが、そのような姿勢を決して消費者には押し付けません。彼らはもしかしたらエコロジカルなアイテムを作っているのだということすら意識していないかもしれません。

今回の新作も今までと同様の姿勢を崩すことはなく、リサイクルコットンを使用しながらもあくまでブランドらしいモードでアーティザナルなオーラを忘れないアイテムに仕上がっています。ただ、バッグのポケットの中には、誰もが見つけられるようにエコロジカルなアイテムの良さというものがしっかりと仕込まれているように、私には感じるのです。

彼らが意図しているか否かは別として、そのクリエーションから私が感じたことは、ブランドの思想や価値観は正しく表現されるべきであるけれど、決して消費者に対してそれらを強いることはいけないのだということです。強いられない自由度があるからこそ、そこに生まれる共感性は確固たるものになり、結果としてブランドに対するロイヤリティは高まりますし、価値観を強いられた途端に消費者は、少なからずの不便を感じるのではないだろうかと思います。

環境保全や「SDGs」という言葉が叫ばるようになって久しく、多くの企業がそれらに向けた行動指針を示したり様々な活動に取り組んだりしていますが、それらも同様に、企業方針だからと消費者側に何かを強いた途端、正しさを失い本来の目的を損なうのではないかと思います。強いることはあまり善をもたらさないのではないでしょうか。(守屋)

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比例関係

Phlannèl / Cotton Silk Airy Dress / 40,000+tax

良い服の持つ「着るほどに深まる良さ」というのは、決して自然発生的に現れるものではない、と私は常々思っています。そしてその「深まる良さ」を作り出す上で、その洋服に対する「着る側の愛着」というのが、忘れられがちですが決して外せない重要な構成要素であると考えています。

もちろん上質な素材であることは大前提として、作る側が「長く着られることを想定していない」服であれば、着るほどに深まる良さなど存在するわけもありません。ですが、そのように大切に選び抜かれた上質な素材の変化を、単なる劣化に留めてしまうのか、はたまた「深まる良さ」に昇華させるのかは「着る側の愛着」に依存します。

良い服だけれどカジュアルなシーンで着ることができる服は、現代の市場には数え切れないほどに溢れています。ですが、そんな上質な服たちを着る側は当たり前に享受し、心なくそれらを洗濯機に放り込んでしまったなら、きっと滲み出るはずの「味わい深さ」さえも強力な漂白剤によって消されてしまうのです。

当たり前に手に入るものかもしれないけれど、それらと共に過ごす日々をしっかりと大切に過ごし、そしてそんな日々を重ねることが出来たときに初めて、洋服たちの中から「深まる味わい」は生まれ、育って行くものではないでしょうか。

「着る側の愛着」によって服が見せる表情は変化し、「味わい深さ」は言わずもがな愛着の度合いに比例します。服の良さに甘んじてしまっては結局何も生み出せません。(守屋)

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春のニットとか万年筆とか

knitbrary / CREW KNIT LINEN SWEATER / 48,000+tax

先週から引き続き晴天に恵まれている東京では、桜の花見客であちこちの公園が賑わっています。そんな暖かな気候に誘われて、新しい春の洋服への欲求も加速し、今シーズンのウィッシュリストがどんどんと埋まっていきます。二着目のトレンチコート、春らしいカラーのストライプシャツ、ぱきっと新鮮な色ののったデニム、心改まるとっておきの革靴と、どんなに物欲が高まり、あらゆるものがリストインされても、なかなかそこに含まれないものが「春のニット」です。

私にとってその理由の一つには、飽きるほど着たニットとの別れの季節である春に、素材違いといえどそのアイテムと再び過ごす日々にメリットを感じられないことがあります。そして、すぐに夏のような日差しが降り注ぎニットなんてとても着られなくなる日がやってくると思うと、春のニットはどんどんリストの下の方に落ちていってしまいます。それだったら色んな種類のシャツが欲しいと思ってしまう、そんな人も少なくないでしょう。

それでもなお、「決してマストではないアイテム」を着ることの意味はやはり、カットソーでは叶えられない洗練された大人の印象を与えられることと、シャツでは実現しない程よく抜けた大人の余裕を醸し出せることにあるように思います。特別便利とは言えないものをわざわざ所有するのですから、利便性やトレンドや価格に捉われない、絶対的な個人の美的感覚がそこには介在するはずです。

偶に、ペンケースから万年筆をさっと取り出してメモをとったりサインをする方がいます。ボールペンのように便利とはいえず、少しの間使わないでいるとインクが乾いてしまう万年筆を自然に使いこなすそんな人を見ると、その姿に私は、はっと心を奪われてしまいます。春のニットを自然に着こなす大人の姿を見たら、同じようにその余裕のある姿に魅せられてしまうでしょう。そして自分がまだ未熟であり、そんな余裕のある大人の足元にも及んでいないのだと自覚させられます。(守屋)

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KIJIのデザイナーを知っていますか

KIJI / MIZUYORU DRESS SHIRT / 34,000+tax

通常ファッション業界では、デザイナーという立場があり、そのポジションに従事する人々はものづくりの視点でインプットした要素を商品デザインとしてアウトプットをしています。それとは別にバイヤーという立場が存在し、バイヤーはバイヤーとしてインプットしたことを店の商品ラインナップにアウトプットしています。分業でこなされるべきプロフェッショナルの仕事を一人の人間が行うことは、業界内でも皆無ではないですがまだまだ高度なスペックを要します。

そんな稀有な存在の一人であるKIJIのデザイナーは、作り手として新しい素材知識や工場技術の探求、デザインソースとなるアートピースの収集などをインプットしていながら、バイヤーとして来たるシーズンの業界情報や市場の流れ、着こなしのバランス感覚なども同時にインプットをします。

それぞれの立場としてインプットした要素は、相互に利用されてアウトプットされ形になっていきます。例えば次のシーズンの市場動向をバイヤーとしてインプットしたならば、それはKIJIのアイテムデザインにアウトプットされることもあるでしょう。一つの立場でインプットされる要素に止まらない膨大な要素を処理する能力の高さに加えて、高い質と頻度でアウトプットをこなす新陳代謝の高さを保つことは、並みの人間が真似をしようと思ってもなかなか叶うことではありません。

少しキャッチーなデザインや日本の伝統技術を使った商品のクオリティがKIJIの魅力ではありますが、そんなアナログな魅力に覆われた商品の内側には、情報に溢れた現代を生きる上で手本となるような人物が見えてきます。そんな相反する構成要素は、KIJIの更なる面白みに感じられませんか。(守屋)

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POSTALCO×BLOOM&BRANCH - Special Interview Vol.2

POSTALCO / Kettle Zipper Wallet Long / 50,000+tax

バケツは完璧

- プロダクトを作る上で一番大切にしている視点はどんなことですか
M : 一緒に暮らしていくものを作るということ。あとは「丁度いい」という気持ちを大切にものづくりをしています。例えば、ペン立てにいつもペンが10本あったとしたら、きっといつも使うお気に入りはその中の2本くらいですよね。その2本のインクが切れちゃったり、たまたまなかった時に他の数本を使うことになるんだと思うのですが、その2本をついつい手に取る理由って「丁度いいな」とか「なんかこれが好きなんだよね」っていう気持ちだけで特に明確な理由はないですよね。POSTALCOはその2本のペンのような、なんとなく心地良いから選ばれるものでありたいと思っています。

 - 言語化が難しいといえば、「POSTALCO」らしさって、いつも私はお客様や友達に伝えることが難しいと思ってしまいます
M :

POSTALCOらしさの話じゃないかもしれないけれど、さっきも出てきたようにバケツって求められた問題を解決出来ているほぼ完璧なものだと思っているんですよね。便利なはずの携帯だって、使っていて不便なところもある。機能が多くて、使っているとすぐに電池が切れてしまったり、寝る前に画面を見ると寝つきが悪くなってしまったり。バケツを使っている時は、用途を満たしているからそこに不満ってほとんどないんです。長い時間をかけて何世代もの人が問題解決をして今の良くあるバケツの形にたどり着いた。そう思うと、バケツってとても惹かれます。

 - 「バケツみたいなものを作りたい」ってキーワードですね
M : 道具が使う人によって自然にそれぞれの人の手に馴染んでいるのを見ると「あ、素敵だな、カッコいいな」と思います。そういう格好いいものを作りたいんです。

- 携帯の話が出てきましたが、近年スマホの中にお財布だったりメモだったり、メールやチャットも、全部内包されていくからこそ便利だけれどものが不必要になっていって、人のものの消費行動が変わっているなと感じるんです。私は書くことに大切な意味があると思うから、そんな世の中でも「紙とペン」はなくなって欲しくないと思うんですが、マイクさんにとってそういうものってありますか?
M : 僕も紙に書くことって好きだしとても大事だと思う。携帯にメモしようと思っても、違う機能があるからこそ色んなところに気が行ってしまって集中出来ない。紙に対して何かを書いている時は、その「書くこと」だけに集中できると思うんです。摩擦なくスムーズにものを考えて書くという作業が出来るというんでしょうか。自分の思考と紙だけに集中できることってなかなか今の時代には難しくなっていることだからこそ、大切にしたいですよね。

今の「10分」と、昔の「10分」の価値

 - お金も、キャッシュレスが進むと金銭感覚って変わって来てしまうと思います
M : そうですね。時間に対しても同じように、感覚が変わってきていると思っていて、今と昔の「10分」って全く違う時間に僕は感じます。例えば電車があと10分で来る時、昔は駅のホームで考え事をしながら待っていたら電車が来ましたよね。今はその10分でちょっと記事でも見てみようとスマホの画面を見ると、メールを受信して、そのメールをつい見てしまう。そしてメール内にリンクがあって、そこに移動して...っていうように本来の目的から逸れて色んなことに目がいって気がついたらあっという間に10分が過ぎていく。便利だからこそ、気をつけないと大変なことになってしまう。

 - それを踏まえて、これからのPOSTALCOの目標はありますか?
M : デジタルとアナログのバランスって僕も最近すごく考えていて、決してデジタルが悪いわけじゃないけどアナログの部分で大切な価値もあるから、どちらも使っていて心地良いバランスになる生活を考えたいです。人間って常に色々な問題を抱えているから、その問題をどうしたら解決出来るかなって考えています。バケツみたいに、人間の問題を解決出来るものを作りたいです。

(インタビュー・文:守屋)

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POSTALCO×BLOOM&BRANCH - Special Interview Vol.1

BLOOM&BRANCHが創業当時から大切に取り扱ってきたPOSTALCO。
そんな特別な思い入れのあるブランドと実現した別注アイテムの発売を記念して、
デザイナー マイク・エーブルソン氏へのスペシャルインタビューを掲載いたします。

暮らしを共にするもの

 -  今回のBLOOM&BRANCHとの別注企画を実現するに至った経緯をもう一度伺えますか
マイクさん(以下M):このKettle Zipper WalletがBLOOM&BRANCHで人気ということで、何か特別なものを作れないかと柿本さん(BLOOM&BRANCHディレクター)から打診がありました。色というのが一つのテーマとしてあったということで、今までやったことのなかった特別なカラーで、BLOOM&BRANCHらしいもの、そしてPOSTALCOにしか出来ないものを作ろうということで実現しました。

 - 別注カラーで完成した"Burgundy"は、BLOOM&BRANCHへのどんなイメージから生まれたのでしょうか
M : 長く共に暮らしていけるもの、「一緒に暮らすようなもの」を心がけて普段からものづくりをしています。BLOOM&BRANCHも同じような思いで揃えているものがたくさんあって、そういうものって経年変化がすごく大事だと思います。時間とともに色が濃く、いい雰囲気になっていく。だから今回もまず、経年変化で格好良く変化していくものがいいなと思いました。それを表現するにあたって、濃い色でつくりました。

 - その中でもBurgundyという色の特徴は?
M : とてもクラシック。昔からずっとある色で、そのクラシックさもBLOOM&BRANCHにはよく似合うと思います。

 - 出来上がった商品を見て、今までのPOSTALCOになかったような女性らしさを感じると、スタッフの中で話題に上がりました
M : POSTALCOのアイテムはいつもニュートラルなものを目指したいなという思いがあります。パートナーのユリも、いわゆる女性らしいものをあまり身につけていません。そういう人って世の中には意外とたくさんいると思っているし、だからこそこれは男性用、これは女性用という括りを無くして、性別の関係ないものを作りたいとずっと思っています。だから今回も今までと変わらず、特に女性らしいとか男性らしいとかは意識をしていないです。

 - このレザーは、もともとPOSTALCOで特別に生産している革ですか?
M : はい、このジオロジーゴートスキンはもともと全てオリジナルで生産しています。職人さんが革を丁寧になめしてシュリンクさせることで出来る凹凸が、遠くから地球を見ているようでとても気に入っています。山があって谷があって、川が流れているような。

POSTALCO×BLOOM&BRANCH / Kettle Zipper Wallet Small / 36,000+tax

夏に食べるたたききゅうり

- ということは、新たな色を作るにあたって、革から新しく生産しているということですよね?
M : そうです。でも色の表現って言語化が本当に難しい。すごく料理に似ているなあと思うのですが、料理って食べた時に「美味しい!」と思っても何故美味しいのか理由を説明することがとても困難ですよね。あとは、夏に食べるたたききゅうりみたいに、暑い日に食べた時は「これこれ、この感じ」と思って美味しく感じても、冬に食べたらそれは何か違うなと感じることってないですか。色も同じように「今の気分」で感じ方も変わるし、その感覚を伝えることは大変だけれど、いい色に出会った時は「そうそうこれ!」としっくりくるものです。

- 以前に柿本とPOSTALCOのオフィスに伺わせていただいた際に、生産の過程で紙のプロトタイプを何度も制作して検証を繰り返すというお話を伺ったのがとても印象に残っています。このお財布ももちろん同じ工程を経ているのですよね?
M : はい、このお財布も何度も検証しました。特にジッパーのサイドまでレザーをつけることで立体感を生み出して、可愛らしいころんとした形状でなく、直線的で格好いい雰囲気を残せるように意識しました。とても苦労しましたが、職人さんの技術の甲斐もあってなんとか実現することが出来ました。小さいお財布が流行ってはいるけれど、まだまだお財布にものを詰めすぎて混乱してしまっているような状態の人をよく見かけます。これは、そういった「お財布にたくさんものを入れたいけれど綺麗に整頓したい人」のために作りました。大きいサイズのKettle Zipper Wallet Largeは携帯も入るくらいのサイズにしているので、お昼を買いに出かける時とか、これだけを持ち歩く人もいるんですよ。

 - お財布に携帯も入るのですね!私も小さいサイズは愛用していますが新しい発見でした。あとこのお財布のいいところは使い始めてすぐに革が馴染んで手にしっくりと収まり使いやすさが増すことだと思っています。本番と同じ革で生産したものを、製品サンプルとしてみんなで使って検証したりもするのしょうか
M : もちろん、実際に使って試します。オフィスの中で触ってみんなで意見を出し合うけれど、外に出て様々な環境でお財布を試す必要があります。例えば、実際に人がたくさん並んでしまったレジで、急がなきゃいけないプレッシャーを感じながらお会計をするときにはまた新しい発見があるのです。そんな風に色々なものを改善しながら開発しているとき、バケツって良くできているなと感心します。バケツって長い歳月の中でたくさんの人が生活の知恵を絞って改良を重ねて、徐々に徐々に完成されてきた形だと思うんです。そういった意味で、お財布はまだまだバケツには敵わないなあと思います。

→Vol.2へ続く

(インタビュー・文:守屋)

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矛盾の中に見出す女性像

YLÈVE / COTTON TYPEWRITER SK / 45,000+tax

ジェンダーレスが叫ばれて久しい今、女性がメンズアイテムを着用することも、逆に男性がレディースアイテムを着用することも珍しくない時代になりました。最近は男性がヒールシューズを履いている姿を東京のど真ん中では見かけるようになり、ファッションの際限のない多様性には走り続けても追いつけないスピード感と他を顧みない潔い主観性が見受けられます。

そんな中、女性らしさのあり方も少しずつではありますが変化をしているように感じます。「女性らしさ」とは可憐で弱く繊細で、美しく、そして華やかであることを指していた時代があり、当時はフリルやレース、そして柔らかな素材感がその「らしさ」を代弁する一般的な装飾であり服装でした。社会への女性が進出が盛んになったと同時にそれとはまた別の「女性らしさ」が確立され、パワーショルダーのジャケットやパンツスタイルの「強さ」を示した女性像が登場し、男性と女性の対等性を暗に主張するようなスタイルが増えました。

そして今、男女の境なく服を楽しむ時代に、男性的な洋服の中に女性らしさを見出す一種の矛盾とミックス感が、第三のフェーズとして、新しい価値を持って世を席巻しているのではないでしょうか。ただ、メンズライクな着こなしやアイテムの中に女性らしさを見出すバランス感覚はなかなか難を極めるもので、それを完璧なまでに形にしたのがYLÈVEだと思います。(守屋)

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名もなきストライプは誰かの手によって

Phlannèl / Stripe Poplin Band Collar Shirt / 24,000+tax

チョークストライプは几帳面で硬派な大人の、どちらかといえば男性的な印象を与える柄で、ピンストライプは感性に優れた少し物腰が柔らかいけれど芯のある、どちらかといえば現代的な女性をイメージさせる柄。ロンドンストライプは少しファッショナブルで個性的な、拘りの強い印象を与える柄。

一口にストライプと言ってもその柄の種類はごまんとあり、与える印象も多岐に渡るという非常に奥の深い柄です。チェックも同様にそのバリエーションの豊かさは言わずもがな周知のことですが、チェックに比べて私はストライプに惹かれ、興味を持ちます。理由はいくつかありますが、一つにはその控えめでトレンド性に欠ける存在感ながら、ストライプこそそれを扱う人の性格が一目で伝わる繊細な柄だと思うからでしょうか。チェックは毎年トレンドの一つとして挙げられやすく、マドラスチェックばかりが目に入ったシーズンもあればギンガムチェックのような至極普通と言えなくもない単調なチェックを着てる人ばかり見かけたシーズンもありました。

ただストライプは、これと言ってビッグトレンドになりにくい印象がある一方、毎年どこかで必ず見かけ、さらにその柄は、リリースしているブランドらしさやデザイナーの内面性すら浮かび上がらせているような内包する個性が爆発した印象がありとても興味をそそられます。そしてそれらを身に纏った人には、その人の個性との相互作用もあってまた違った個性と印象を爆発させる化学反応が起こります。

控えめで一見個性がなさそうに見えるPhlannèlのストライプは、頭でっかちなデザイナーの思考回路の複雑さがぎゅっと詰め込まれ、計算しつくされた理性あるデザインを優れた感受性による独特のセンスでまとめ上げられています。柔和だけれど真面目で、更にファッショナブルだけど昔からあったような気もする不思議な感覚は心地よく今の感覚にフィットします。そしてこれを誰かが着ることで、新しい価値が加わるその化学反応が楽しみな一着です。(守屋)

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例えそれが高度性を要するものであったとしても

KIJI / URUSHI SWEAT SHIRT / 17,000+tax

デザインが先行するか、利便性の追求が先行するか、はたまたその程よいバランスの均衡を求めるか、終着点の違いによって同じものをデザインするだけでもその姿形は千差万別に表情を変えます。その中でも日本のプロダクトには特に「アイディア商品」などの便利なもの、使いやすいもの、高度技術を集結させた完全無欠のものへの希求が他国に比べて強いと感じることが多いです。

アウトドア商品など、利便性が死活問題にまで重要性を帯びるもののデザインにおいてそれは顕著にその特性を表し、とにかく「ダサくてもハイスペック」なものが(求められているのかどうかはさておき)多く生み出されていることは事実です。でもどうしても、いかなる場面においても、例えその利便性が圧倒的優位性を持つものであったとしても、私にとっては「デザインとして優れているか」という視点は、たとえその重要度が10%に満たなかったとしても捨てることは出来ないもの選びのファクターであり続けます。

日本の優れたもの作りを誇りに思いその目線を海外へと移してみると、例えそのスペックが日本のものに届かなかったとしても、そこには必要最低限のスペックをクリアしながらより良いデザインを兼ね備えたものたちがキラキラと輝きながら我々の目に飛び込んできます。少なくとも、私にはそのような体験が数多くあります。

同じ思いを、KJIのアイテムにも思います。ただここで言う「同じ思い」というのは「日本のプロダクトに感じること」と同じなのではなく「それと比較した海外のプロダクトに感じること」と同じということです。日本の素材の頂点を極めるような高度技術や高級素材を求めず、ただ決して格を下げない程度の塩梅に仕上げ、それでいてデザインはオーソドックスやベーシックに収まりきらないちょっとした格好良さを諦めないデザインの付加価値を必ず備えていることはバランスの良さの他の何者でもありません。

頭でっかちになり高度な技術や希少性だけを探求することは長い道のりを要するものの決して難しくはなく、執念深く続けていれば誰しもが到達出来る終着点であると思いますが、その努力をしながら程よいデザイン性とのバランスを保つことは持って生まれたバランス感覚やセンスがものをいうでしょう。だからこそ「バランスの良いプロダクト」はありそうでない希少な存在であると私は思います。(守屋)

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コートの中は春

Needles / Round Collar EDW Gather Shirt - Liberty Print / 22,000+tax

桜の木が満開の花を咲かせる姿を見ることができるのはまだまだ先のようですが、都内でも少しずつ春の芽吹きを感じられるようになりました。とは言っても太陽が顔を出す前の窓の外にも、風の表面にも、温めたはずの部屋の隙間にも、寒さはまだしぶとくこの街に残っています。

季節の境目が感じられる頃の悩みといえば、前の季節に着ていた服をいつしまうのか、先の季節用にと買っておいた一着をいつ卸すのかの見極めが難しいことがあります。早まって季節を先取りしてしまったならば、心は浮き足立っていても体が無理をしてしまうこともあります。冬の終わりは、いつからウールのニットを着ることを辞めるのか、いつからコートの素材を春用のものへとシフトするのかが問題です。

ただその前に、季節の境目ならではのコーディネートも絶対に楽しんでおきたくなるのが洋服好き達の宿命でしょう。今の時期ならば、冬のコートの中には春爛漫の陽気を閉じ込めたスタイリングを纏って、コートの着脱でがらりと変わる雰囲気を楽しみたいものです。

シャツとコートの間には、コットンのニットを挟み込んだり、ウールリネンのからりとした表情のジャケットを合わせたり、異素材同士の組み合わせを楽しむのも一つです。いつから、どこに、春を忍ばせようか、考えるだけで少しだけ心は陽だまりに当たったように柔らかな温もりに包まれます。(守屋)

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素材の使い方とその調理法についての考察

AURALEE / LINEN WOOL SILK SHARK SKIN SLACKS / 34,000+tax

昔、ある有名フレンチレストランのメインシェフを務めている方が「フレンチが高額になる理由の一つとして、最高の素材を使うことは勿論、更にそこに不必要なまでに高級食材を掛け合わせるからだ」という旨のことを語っていたのを思い出しました。その後そのシェフは、せっかく拘って使用している最高の食材の味をお客様に知ってもらえるようシンプルに調味・調理され、そして最適な価格設定をされたフレンチを提供する為に独立開業をしていました。

AURALEE / LINEN WOOL SILK SHARK SKIN SHIRT JACKET / 49,000+tax

接待の場面などにおいては、もしかするとロケーションや格式が必要な場合もありますが、気心知れた仲間や会社の同僚、上司、恋人と過ごすかけがえのない時間のためには、「本来の素材の良さが楽しめる職人の料理」の提供場所は十二分にその目的を実現してくれ、期待以上の満足をもたらしてくれることでしょう。

いい素材、旬の素材だからこそ過度な調味を加えずそこに更に質のいい塩やビネガー、麹、出汁を使って素材を活かすこと。これはきっとプロフェッショナルの鍛錬された舌と味覚、そして培ってきた生産者との調達ルートなどがあるから可能なことであり、そこには否応無しに素人に入り込む余地はありません。

AURALEEにもこのシェフのようなプロフェッショナルの気概とアプローチの方法と魅せ方をいつも感じます。最上の素材をどう調理したら素材の良さを活かせるのか、デザイナーの経験と審美眼と、磨かれたセンスと、時代を掴む敏感なアンテナの全ての融合によって、シンプルながら多くの人を魅了するフルコースが完成しているように思います。今19SSのコースのおすすめはこちらです。(守屋)

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自己追求へのアプローチ

Phlannèl / Anonymous Shirt / 19,000+tax

海外に出てみて改めて日本の魅力を再発見することがある人は少なくないでしょう。日本にいては近すぎて自分自身がその中に埋もれてしまうけれど、そこから一歩抜け出すことで、しっかりと自分自身や日本を、見つめることが出来る「第三者の視点」が自然に備わるということの結果がそういった形で現れているのだと思います。

洋服へのアプローチでも、海外コレクションを動画や写真で見たり実際にアイテムを手にとって見ることでそれらとドメスティックアイテムとの違いや国内ブランドの持つ魅力を再発見することが出来る場合があります。私自身も、日本から脱出して検証することは不可能ではありますが、仕入れのタイミングだったり実際に店に商品が入荷してくるタイミングで洋服と対峙する際には、「海外から見た日本」という構図でそれらを見比べてしまうことが多いです。

そうした際に現れるのは、縫製技術や素材のクオリティにおける日本の優位性であるということはこれまで飽きるほど語られてきたことではあります。それに加えて今シーズンのPhlannèlコレクションから発見したことは、日本の色表現の魅力です。日本に親しみのある藤や菫、そして桜のスモーキーでエアリーで、儚げで静謐な発色は、たとえ海外に同じ植物があったとしても、日本の柔らかく表情豊かな四季のある風土だからこそ現れる特徴であり、それも得てして日本の優位性と言えるでしょう。

日本から脱出をしないと必ずしもその魅力を見つけることが出来ないというわけではなく、外に出ることはあくまでその手段の一つに過ぎません。逆を言えば、日本という渦の中、台風の中に巻き込まれてその「台風の目」に入り込み、中心の奥深くへと潜り込んでいくことで表面に現れることのない何かを掴むことも違う方向性からの日本の理解へ向けたアプローチの一つです。

Phlannèlという、日本生まれの洋服に対してどんな視点を持って触れてみるかは、消費者にその多くを委ねられています。ただきっとどのようなアプローチにせよ、そこには日本特有の美、日本らしい価値観、そして日本らしい表現を再発見できることを保証します。(守屋)

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共感の数は必要か

Phlannèl / Double Cloth Colaless Coat / 58,000+tax

見栄を張らない、着飾らない、驕り高ぶることのない「静かな贅沢」を提供してくれる、信頼できる店は果たしてどれくらいあるでしょう。捨てずに長く愛用出来、なおかつ箪笥の肥やしになることなく毎年新しい服を買った時のような楽しさを提供してくれるブランドがどれくらいあるでしょう。そしてなおかつそんな物や場所を知っている人はどれくらいいるでしょう。

都心にいると街ゆく人の多くは上品に着飾りつつもこれでもかとブランド服を寄せ集め、流行のカラーやデザインで身を固め、すれ違う人々の姿を目で追いながら自分との差を心の中で定規で測り、あくせくした気持ちで大通りを闊歩しています。その横を、決して最先端とは言わないけれど質の良さそうなコートをさらりと羽織り、まるで自分の庭を散歩するように何気なく歩く人がいたならば、きっと私は後者の姿を見え得る限り目で追いかけてしまうでしょう。

思うに、後者は真の贅沢を知っている人で、そんな服を提供してくれる信頼出来る店を知っている人で、固執することはないけれど自分にあったサイズや価値を提供してくれるブランドを知っていることでしょう。誰もが他人の評価と共感の数だけを気にする街ではそんな「静かな贅沢」を楽しむ人の数は少ないのだと、久しぶりに歩いた銀座の街で考え込んでしまいました。そんな街にはそぐわないし多くの人の心には響かないかもしれないけれど、それでも自分が良いと思える物を知っている人は今とても貴重で、だからこそとても目立つように思います。きっと、得られる共感の数は少ないかもしれないけれど、とても、目立ちます。(守屋)

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スキップして帰ろう

40's CJF Double Jacket Dead Stock / 96,000+tax

自分がまだ高校生で、洋服の知識なんてまっさらないけれどどうにかお洒落をしたかった時代、友達を誘って必死に流行りのビンテージショップを巡ったり、そこで出会った見たこともない不思議な洋服にワクワクしたり、思わず購入したとっておきの一着を片手にほくほくと温まった心でスキップしながら帰ったりしたことがありました。

今ではなんて事のないリバースウィーブのスウェットも、M-47も501も、知らないからこそ全てが貴重な出会いの数々で、自分だけがとんでもないお宝を掘り当てた気持ちになる買い物の楽しさが存分に味わえた頃だったと思います。今ではそれなりに服を見てきて、知らないことが減っていって、それでもまだ見たことがない服があるけれど、以前ほどには毎回の買い物にお宝発掘のワクワク感を感じることがなくなりました。

30's Black Moleskin Jacket Dead Stock / 39,000+tax

だから今回は是非、そんな初々しい気持ちを思い出して一つ一つの洋服たちを見てみていただきたいと思います。定番となりつつある「ベーシックビンテージ」もありますが、これまで見たこともなかったようなお宝も沢山入荷していますのでこれまでとは全く趣の異なる品揃えです。だからこそ普段とは少し違った買い物の楽しさを感じていただきたいのです。

80's - 90's French Breton Shirt / 11,000+tax

オンラインでも展開していますので、画面を見ながら一つ一つ吟味して探し当てていただくのもいいですが、お近くの方は是非お店に足をお運びいただいて、ラックにかかって自分のオーディションの順番を大人しく待っている洋服を一つ一つ手で触れてやり過ごしながら、次に自分の前にやってくるものとの出会いに少しドキドキしてみて下さい。

そして自分が探していたビンテージだったり、とにかく今価値があるだけの貴重な一着を掘り当てるのではなくて、「見たこともなかった、あるいは欲しいとなんて思ってもみなかったけど私だけが今見つけてしまった掘り出し物」を探し当てて下さい。最近味わった事のなかった満足感と、思わずスキップしたくなるウキウキした気持ちを合わせてお持ち帰り下さい。(守屋)

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人間らしいでこぼことした何かを感じたら

MARIA RUDMAN / SAMI M'6 , SAMI NM , SAMI M'2 , SAMI M'1 / 68,000+tax

言葉少なな人物の饒舌な表情であるとか、自己発信を積極的に行わない静かな生活を尊重する人物の持つ唯一無二の豊かな知恵やセンスやオーラが、多くを語り多くを表現する人の「言葉」や「文字」以上に、ありありとその人らしさを主張し多くの人々を翻弄するということは決して珍しくないかと思います。

決して、積極的な表現をする人物を非難する訳ではなく、そういったポジティブな性質を持つ人々がメジャーな人々に及ぼす影響は特に情報社会の昨今ではいつどんな場面でも重要視される「他者の意見」の一つであるとも感じています。ただ私にとって、そういった性質を持たない人の根底から湧き出るピュアな感情は、前者に比べてよりリアリティのある生々しさだったりでこぼことした歪さだったり、鋭角に訴えかける熱量の高さを持っていると感じずにはいられません。

SAMI M'8 , SAMI M'7 , SAMI M'10 / 68,000+tax

そしてそのピュアな感情のもつ熱量は、それを希求していた人々の心を奪ってしまうほどの強さを持っていると思います。だからこそ私は、誰かの表情やスタイルや、誰かの手によって作られたプロダクトや作品に、人間らしいでこぼことした何かを感じた時、心にふっとろうそくの炎が灯ったような熱さを感じるのです。そして魔法にかかったように虜になり、その人の頭の中や考え方、価値観のかけらを共有出来たような気持ちになれます。

SAMI L'3 / 92,000+tax

私が世界に溢れるモノの中で出会いたいのは、ピュアな熱量を持ったモノであり、感じたいことは人間らしい「でこぼことした何か」であり、更に誰かに伝えたくなることはその「でこぼこ」の持つ魔力とそれの持つ生々しい温度であり、伝えた相手が手にして欲しいものはそこに芽生える新しい価値観です。

寡黙な人の発信する「でこぼこ」を正に感じたからこそ是非伝えたいと思ったのですが、その感情をここに「言葉」として表現することへの矛盾に疑問を抱きながらも、伝えたい温度と感情を記してみました。個人的な記録にもなりかねませんが、読んで下さった誰かが実際にアイテムに触れて、その先に新しい価値観を得て頂けたなら幸いです。(守屋)

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欲望と理性と価値と機能

Phlannèl / UTO × Phlannèl Canvas Bag S / 16,000+tax

年齢はどう抗おうとも確実に一年毎に積み重なり、誰しもが纏っているオーラを朧げに少しずつ変化させていきます。それにより気をつけるべきは服装をはじめ身の回りの物、いわゆる自分を表現する物たちで、今までは出来ていたはずのカジュアルなお洒落を楽しむことが難しくなったり、「敢えて」持っていたキッチュなアイテムもただ単純に自分の価値を下げかねない物へと成り代わってしまったりすることでしょう。

私自身もいい大人の年齢と言えるべきか否かは自身の判断が出来かねますが、そうは言っても持つべき財布や鞄、ステーショナリー、そして洋服ももちろん変化を必要とする場面が増えました。特にバッグは、プライベートでも仕事でも大容量が嬉しいキャンバスバッグを愛用していますが、それを持って向かう場所や会う相手によってはそぐわないと感じることが本当に多く、そうは言っても大容量を叶えてくれる大人の鞄は希望に叶うものを探すのは困難を極め、結局小ぶりな「それなりの革の鞄」を持ったり別の手提げに荷物を分けたりと試行錯誤してどうにか切り抜けている苦し紛れの毎日です。

大人が持ってもいいキャンバスの鞄を手に入れるのか、キャンバスのバッグ以外の上品な鞄を持つのか、若しくは荷物をとことん減らす努力をするのか、選択を迫られてどれくらいの日々を過ごしているでしょう。そんな思いを持った方も決して少なくないと思いますが、是非一度選択肢の一つに挙げていただきたいのは「味方にしておくときっと助かる」Phlannèlの一品です。

大人たちの欲望と理性を叶えて、価値と機能を持ち合わせたその鞄は、「味方にしておくときっと助かる、けれど、敵に回すと少々厄介」な存在として、知らず知らずのうちに物語のキーパーソンになっているようなバッグだったというのが、その存在を気に留めていなかったために自分自身の盲点を突かれた私自身の感想です。(守屋)

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時間の価値とその使い方、そして丸い鍋を囲むこと

林 拓児 / 土鍋 平 大 / 25,000+tax 大村 剛 / 黒手付小皿 / 4,000+tax 醤油差し / 3,500+tax

冬のこの時期の我が家では、奥に潜んで休憩する間も無くスタメン選手としてガス台の上で活躍し続ける土鍋。電化製品を減らすことを目的として土鍋でお米を炊く生活を数年前に始めたのですが、そんな習慣も相まって欠かすことの出来ない大切なポジションを担っています。そして土鍋ご飯は、慣れてしまうと炊飯器にお米をセットするよりも簡単で、何より初めて自分で炊いた炊きたてご飯の美味しさには文字通り目を丸くして驚きました。

もちろんそれだけではなく、野菜や肉団子やお豆腐など好きな具材をこれでもかと放り込んでぐつぐつ煮立つ鍋で温めて食卓にそのまま出し、誰かと一緒に鍋を突く晩御飯も冬ならではの楽しみです。共働き家庭の増加とともに家族皆で食卓を囲むことが当たり前でなくなった家庭も少なくないかと思いますが、誰かと一緒に食事をすること、一つの鍋を一緒に突くこととその時間の共有は、おろそかにしてはいけない大切な時間の過ごし方であり家庭の本来あるべき姿なのではないかと思います。

 

食卓の真ん中に丸い鍋を置き、あたたかな部屋で毎日追われていた仕事から束の間の解放を得て、心からゆっくりと過ごしてみることは、時間に追われる日々の中の贅沢な贅沢な自分へのご褒美にもなるでしょう。そして新たな気持ちでまた次の日の朝目覚め、健やかな気持ちで家を出て、出来る限り懸命に誰かのため、何かのため、そして自分のために働き、またあたたかな家へ帰ること。その繰り返しの困難さを可能にするのは、きっと心休まる家での時間があるからに違いないと、そう思っています。

新しい年こそ、そんな日常の大切な時間をもっと尊ぶ心の余裕を持ちたいと、自分自身に言い聞かせる思いで本年最後のブログ記事を終えようと思います。本年もBLOOM&BRANCHをご愛顧頂き、またこのような拙文のブログをご覧頂き、誠にありがとうございました。(守屋)

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冬の言い訳

Phlannèl / Mix Tweed Belted Coat / 89,000+tax

「今年は暖冬だ」という言い訳を武器に、コートを買わないつもりでいました。ですが、特段寒くて必要に駆られた訳でもなかった先日、ツイードの織り目の素敵な一着に出会い、ついつい準備していた言い訳を撤回して購入してしまいました。買い物ってそんなものなのだと思いますし、目の前に素敵な、出会いの一着が現れたならば、手にしないことほど虚しいことはありません。

そんなこともあり最近は購入したツイードのコートをよく羽織っているのですが、初めて羽織ったツイード生地の、驚くほどの暖かさに着る度にうっとりとし、買ってしまったことへの後悔など微塵もなく、暖かく幸せな気持ちに包まれるのです。ウールをしっかり縮絨したメルトン素材ももちろん満足の防寒性なので以前は頻繁に着用していましたが、コーディネートによっては少しカジュアルに落ちてしまったり、暖かさと引き換えに重量感が両肩にのしかかってくることがネックとなり段々とワードローブから遠のいていました。

その点、しっかりとした織り生地のツイードは、縮絨ウールほどの重さはなく、身体に馴染むような柔らかさを併せ持っています。重いコートが苦手だからウールは着たくない、という安直な心理に異議を唱えるように立ち上がったツイード素材は私にとっての新しい発見でした。そして何より、Phlannèlのツイードは、どんなスタイリングにもがさっと羽織ってしまえば上品な着こなしへと昇華してくれる大人の一着です。

「今年は暖冬だから」という言い訳を心に固く誓っている方は、その言い訳に少しばかりの猶予を与えてみてもいいかもしれませんという、年の瀬の提案です。オンラインサイトでのPhlannèl ×2 point campaignも本日までとなりました。クリスマスの贈り物にも是非ご検討ください。(守屋)

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猫を被った名品たち

BLOOM&BRANCH / Shinimi Bag / 1,800+tax

ルーツを辿り、伝統を重んじ、革新を求めるという姿勢を表したBLOOM&BRACH創業当時からの定番アイテムである「しじみ袋」。持った時の形が貝のしじみに似ていることからその名がついた、日本の風呂敷と西洋のバッグが融合したアイテムは、和の文化が西洋の文化に大きく影響を受けた時代そのものを表します。

オックスフォード素材を使用し現代的なアイテムへと昇華させたオリジナルバッグは、風呂敷がかつて日本人の生活に欠かせなかったのと同じように、日常で荷物を運んだり、お風呂道具を入れて温泉へ行ったり、手土産を詰めて実家へ帰省したり、旅へ連れて行ったり、包んで贈り物にしたりと生活のどんな場面でも手を差し伸べてくれる懐の深い存在です。

Garment Bag / 4,000+tax

日本の「包む」「折る」「結ぶ」という手法を取り入れたデザインが特徴のガーメントバッグには、肩から下げたり、スーツケースの持ち手に掛けても収まりが良いように調節されたショルダーの長さに至るまで細部までデザイナーの拘りが散りばめられています。そして何より、使い込むことで風合いが増し味わい深い表情へと変化していく厚手のキャンバス素材が美しい一品。

生活に一番寄り添うものだからこそ、常に店にひっそりとご用意してお待ちしておりますこれらのアイテムを、WEB SHOPにてPhlannèlをお買い上げのお客様に、金額に応じてプレゼントさせていただくことになりました。使えば分かる、けれど主張がないばかりに目に触れにくい隠れた名品を、この機会に多くのお客様のお手元にお届けさせていただきたく思います。

これらのアイテムの何よりの良さである「素材感」は写真では伝えられない、触れてみなければ分からない本物の良さを持ち合わせています。いつも思うことが、本当に良いものはどこまでもシンプルであるが故に、静止画像に納めるとまるで見ず知らずの人の前では猫を被ったように押し黙ってしまう子供と同じく、きらきらと輝くその魅力を内に隠してしまいます。キャンペーンは本日12月15日(土)から12月24日(月)まで開催しておりますので、一人でも多くの方の生活の一部にご活用いただける日がくれば嬉しく思います。(守屋)

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冬の寒さに潜む温かな時間

Phlannèl / Shetland Wool Crew Neck Sweater / 21,000+tax

クリスマスの贈り物をお探しのお客様を店頭で多くお見かけするようになりました。贈り物を探される際にまず悩むことは、相手がもらって喜んでくれるかどうか、使ってくれるかどうか。そしてその第一関門を晴れて突破し選択肢の一つとしてお洋服が挙がったならば、次なる関門は好みやサイズです。

贈る相手の着こなしのサイズの好みもさることながら、そもそも、相手がどれくらいの体型でどれくらいのサイズの服を着ているのか、正確に把握している方はごく少数かと思います。そんな大多数の方へ是非ご提案させていただきたいのがニットです。ニットは、パンツやシャツほどサイズ選びにデリケートにならずとも、着こなしに大きく響くことはないでしょう。少し大きく着用するバランスが案外ぬけ感を生み出したりしてくれます。

そしてどこまでも「オーセンティック」、「ベーシック」を追求したPhlannèlのシェットランドニットならば、流行の波にも流されずに、時代を超えてその人らしい着こなしを可能にしてくれます。更に、Phlannèlらしい肩や袖口の編み地など、洋服に拘りを持つ玄人の方にもしっかりと満足いただける意匠もしっかりと盛り込まれた一品は、第二関門を突破し、なおかつ嬉しい付加価値までもが備わっているのです。

カラーバリエーションの豊富さも、ベーシックな色をチョイスするのか、はたまた遊びの効いた赤やグリーンをチョイスして思い切りクリスマスらしさを演出するのか、選択の幅を広げてくれるでしょう。苦労しつつも贈る誰かを思いながら、贈り物を選ぶ時間を過ごしたならば、冬は更に深まり、寒さの中に柔らかな温もりを感じることが出来るはずです。贈り物を贈る嬉しさや楽しさは、そんな意外なところにもあるかもしれません。(守屋)

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時間という「道具」

「時間を持ち運ぶことが出来る」ということにどれだけロマンを感じるでしょか。今や、スマートフォンを一目見れば、一瞬の狂いもなく動き続ける時計がそこに煌々と提示され、そんな思いを感じることもなく当たり前に、「時間」はそこにあります。

90's must de CARTIER / 215,000+tax

そんなスマートフォン、ましてや携帯電話など無かった時代に、手軽に時間を持ち運べることを叶える確かな道具が誕生したことは本当に革新的であっただろうと思います。当時の人々はそんな背景のある道具を、我々が欠かさずスマートフォンを持ち歩き手放せないのと同じように、生活の道具として持ち歩き、慈しみ、大切にしてきたことでしょう。そして今当たり前に私たちがスマートフォンの充電をするように、彼らは毎日時計のねじを巻き、時間を確かめていたことでしょう。

90's must de CARTIER / 220,000+tax

そんな「持ち歩ける時間」の中身は、世界最高峰の職人の技術の結晶です。時計をオーバーホールするという体験は、多くの人が経験することではないかと思いますが、私は初めて時計をオーバーホールした際にようやく大人への一歩を踏み出せたような気持になり、また「時計」というももの中身を、技術の結晶を、精密な機械をはじめて意識したきっかけになりました。そして漠然と感じていたロマンを「時計」という姿で表していたものは、その時初めてしっかりと私の「道具」にもなり得ました。

CARTIER SANTOS / 200,000+tax

ROLEX OYSTERPERPETUAL / 280,000+tax

大切にメンテナンスを施されたそれらの過去の時計たちが、今なお時間を刻み続けているという事実は、現代を生きる私たちに何かを伝えようとしているかのようにさえ思えます。過去と今を、しっかりと「時間」という概念を通してつなぎとめてくれる、そんな一本にロマンを感じたのならば、是非人生の中で一度は触れてほしいと思います。そしてそんな一本を是非ご自身の「道具」へと導いてほしいと思います。(守屋)

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ロイヤリティの居場所は

「高品質」、「人気ブランド」、「最新」、「デザインコンシャス」など、今まで物を売る側も買う側も必ず意識していた項目だけでは、比較対象になる同等の物は世の中には溢れていて、どこにいようとも黒い画面とにらめっこしていればそれらを目の前に並べて安く買ったり即日で手に入れたりすることが出来るような時代になりました。

そうは言っても店を運営する側は、自分たちの提案した商品群の中からお客様に購入していただきたいし、良いものや面白いものを届けたいという切なる思いで日々店を開けます。ただ先述の通り、今まではお客様に届いていたことも思いも、従来通りの方法だけでは届きづらくなっていて、いくら良いものを仕入れてもそれをお客様まで届けるまでの道のりが複雑に入り組んでしまっているのが現状であることも承知しています。

KIJI / MAKISU / 12,000+tax

KIJI / NOREN / 26,000+tax

そんな今、自分自身を単なる一人の客として考えた時に、「この人から買いたい」とお客様に思って頂けるような「人」がいる店、「ここで買いたい」という特別な体験を提供出来る「空間」が備わっている店、もしくは意外な商品の仕入れや組み合わせを持って思ってもみなかった発見や驚きを与える圧倒的な「編集力」がある店にはやはり魅力を感じるだろうなと思います。そしていくら目の前に最安値の画面を提示されようとも、きっと私はその店に特別な思いを持って足を運ぶだろうと思います。

KIJI / BYOBU / 36,000+tax

そういうお客様に向けて、私だったらどんな最良の方法をもってこの商品を伝え、お客様の手元に届けることが出来るのでしょうか。決して情報の波の中に埋もれてしまってはいけないそんな品を、責任を持ってたくさんの人に届けるために何をすべきでしょうか。

圧倒的にコンセプチュアルで面白くて、高い利便性がありながらスマートで、品質が良くて、長く育てて楽しめる、優等生のような商品を目の前に、改めてそんなことを考えました。あまりに優等生で、商品それだけで編集を終えて完成しているから、もはや私の為す術もないかもしれませんが。(守屋)

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Interview - 今着たいニットを求めて

 

ずっと買い付けで回っていると心が動かなくなる時がある。
長くトレンドだったとろりと艶のあるニットは、肌触りも良くもちろん綺麗で最高なんだけど、どうしても見飽きて、驚きもなくなってしまう。そんな時に家の洋服棚にあったCorgiのニットを触って、「今着たいのはこういうのだな」と思って今回の企画をしたのが始まりです。
-  柿本 ( BLOOM&BRANCH director )

 

色褪せないもの

-イメージソースとなったニットを形にするまでの話をもう少し教えてください。
(柿本)成人手前で地元熊本のセレクトショップでこのニットを買ったのはもう17年も前。当時のニットをたまたま家で見つけ、ピンときた感覚を頼りにすぐにCorgiのインポーターに連絡を取ってこのニットを再び作りたいとお願いしました。そしたらたまたまそのインポーターの方が当時このドネガルヤーンのニットの製作を担当していた方で、当時はこのドネガルヤーンがよく売れたと話してくれました。ただ、時代は変わってこのドネガルヤーンはCorgi社としても長年遠のいている素材だとわかり、今回改めてイギリスの糸屋を探してもらうところからスタートしました。

-デザインはほぼそのままのように見えます。
(柿本)ネックデザインとかも今新鮮に映ったのでそのまま残していますが、パターンは今の気分に合うように細かく指示しています。全体にゆったりとしたシルエットには変えているけれど、サイズアップしちゃうと野暮ったくなりすぎるからジャストサイズを選んで違和感なく着れる形に落とし込みました。サンプルを作って修正して、結構時間をかけて納得するまでやりました。

-昔のCorgi、だいぶ小さいですもんね。
(柿本)こう見るとかなり小さいよね(笑)散々洗ったから相当縮んでるんだと思う。

-ちなみに洗濯は洗濯機で?
(柿本)手洗いにしてたけど、最後の方は面倒臭くて洗濯機でも洗ってました。

-長く着たであろう当時のニット、毛玉のなさには私は本当にびっくりしました。
(柿本)元はドネガルツイードという伝統的な織物のための糸を、ニット用に柔らかく紡いだ糸だから本当に丈夫なんです。ネップ入りのミックス感のある素朴さに、ハリと弾力性とカサっとした表情が本当にいい雰囲気。それでいて毛玉になりにくいし毛玉になっても目立たないんです。

-ベージュトーンのコーディネートの今日ですが、17年前、19歳の時はどんなスタイリングでしたか。
(柿本)ボトムは赤耳。今回も、当時を思い出して色の抜けたLevi'sの赤耳に合わせることを想定して糸の色をチョイスしました。あとは、きれい目なベージュのチノとか合わせてたかな。そう考えると本当に当時とコーディネートと何にも変わってない。

-変わったのは足元のシューズだけですね。
(柿本)確かに。当時はパラブーツだった。今はYucca's。

メンズライクなアイテムを女性として着る

-中出さん(women's director)、ウィメンズは意識したデザインなどありましたか。
(中出)メンズを着てるようなゆったりとしたシルエットは作りたかったんですが、着丈はスラックスでもスカートでも合わせやすいようにすっきりとさせました。

-ぷっくりとした糸のチョイスがまたメンズと全く違う表情で印象的ですが、パンクヤーンをチョイスした意図は?
(中出)去年、メンズで使用されていたのがこの糸だったのですが、今までのCorgiにない新鮮さを感じて印象に残っていたんです。老舗のメーカーに依頼するからこそ、デザインはずっと着たいようなシンプルさで、その分他で遊びを加えたいと思いました。

-キャッチーな色がどれも迷ってしまうのですがおすすめカラーはどれでしょう。
(中出)パープルですかね。

-私、中出さんはパープルを購入するのだろうと思ってたらまさかのオレンジでした。
(中出)柄のスカートに合わせたくてコーディネート考えてたのですが、もう一つ候補だったNeedlesの柄スカートはもう完売で。こっちの柄だったら色合わせでオレンジかなと。

-私も色でだいぶ迷っているのですが、私にどれがおすすめですか。
(中出)Bronzeを。ロングスカートを合わせたい気分のところを敢えて真逆に、メンズライクなトラウザーと合わせて。軍モノのトラウザーでカーキとブロンズのグラデーションの着こなしなどして欲しいです。

-ありがとうございます。ちなみに中出さんは、このニットを着てこの冬はどこにお出かけしたいですか。
(中出)毎年護摩供養に行っている輪王寺に着て行きたいです。寒いところにも暖かく、そして何より軽いので旅行には最適。

-柿本さんは?
(柿本)やっぱり赤耳くらいの色抜けしたLevi'sに短靴かコンバースを合わせて、田舎を散歩とかいいね。仕事の時は今日みたいに上品なトラウザーでワントーン。

-大人の普段着ですね。
(柿本)派手さもないし、本当は40代くらいが似合うと思うんだけど。でも自然体で、その人らしさとか人物像を引き出せるような存在のニットですから。

Corgi × BLOOM&BRANCH
DONEGAL PULLOVER KNIT / 45,000+tax (men's)
PUNK YARN KNIT / 40,000+tax (women's)

(文:守屋)

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平面「じゃない」魅力の伝え方

AURALEE×BLOOM&BRANCH / BEAVER MELTON SOUTIEN COLLAR COAT / 85,000+tax

僭越ながら、ここに文章を綴ることになってからあっという間に一年の月日が流れていきました。AURALEEとのコラボレーションコートについて書かせていただいた最初の記事は、今でも文章を起こすのに困った際や道筋が見えなくなった折に自分で読み返し、その目に余るほどの拙文に自身の心を奮い立たせてくれる苦くも貴重なものとして、心に残っている一つです。

そして文章に加え、なかなか上達しない写真の技術ですが、一年続けてみて分かったある種の諦めのような気持ちがあります。それは、いい素材や凝ったデザインの素晴らしい商品は、それがより上質でありクリエイティブなデザインであるほど、平面である写真に落とし込むことは困難を極めるということです。手で触れて実感する素材のクオリティや、人の身体を通すことで生き生きとするデザインの妙は、ハンガーにかかった美しい姿を写真におさめるだけでは表現できないのです。

何故ならやはり服というものは、人の身体に纏わせることを大前提として生まれた品であり、その仮定に則った上で肌触り(素材)やシルエット(デザイン)が決まるのです。ハンガーに唯掛けられた一着の服の、その良さを伝えるという目的の為に初めて撮影を試みた際に感じた難しさは、一年経った今でも、まだ拭うことが出来ません。

それでも、この記事を見て洋服に興味を持ち実際にご来店いただいたり、商品をご購入くださる方が一人でも多くいてくださるのならばそれに勝る嬉しいことはありませんし、もっともっと明快に、端的に、率直に、素直に、目の前にある品の魅力を伝える技術の鍛錬をしたいと思います。ご一読頂いた皆さま、誠に有難うございます。そしてまた一年、お付き合い頂けましたら幸いです。(守屋)

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その一票を投じること

THE INOUE BROTHERS×BLOOM&BRANCH / NATURAL DOUBLE FACE STOLE / 32,000+tax

社会的に意義のあることをしている企業、人、組織を支援したいと常々思っております。そんな生き方をしている人に憧れを抱き、彼らの価値ある活動を尊び、そしてあわよくばそんな人や組織に関わって、もしくは共に働くことで、その価値の創造に貢献したいと思っています。

私は好きなことだけをして、好きな人やものに囲まれて生きることを第一に考え、これまで働く場所や購入するものや購入する店を選んできました。「消費」という活動は、上記のような自分の意思表示をする大切な行動のひとつであり、その一票が社会の成り立ちさえ左右しかねないと、本当に心から思っています。だからこそ、大量生産の商品は、手軽に何処でも購入できる利便性があり、そして手ごろで、なおかつ気が利いていているけれど、その背景に納得できなければやはり私にはそれらに一票を投じることが出来ないのです。

「THE INOUE BROTHERS」の活動を始めて知ったとき、そして決して安くはないそのプロダクトを手に取ったとき、「これは買わなければいけない」と、単純な物欲とともに感じた使命感のような直感は、本当に大切にしたい自分自身の価値指標のひとつであると思いました。そしてその感覚は、意識していなければ鈍ることさえあるかもしれないという多少の焦燥の気持ちを持ちながらも、一度持ち得た人からは決して消えることのない貴重な灯火のようにも思います。

NON BRUSHED STOLE / 17,000+tax

だからこそ、そんな気持ちを大切にするために、彼らの活動を尊敬するために、そしてその意思を表示するために、彼らのプロダクトを購入したいと私は思うのです。そして我々はそんな人のために、我々が納得のいくものを選び、提供し、伝えるという仕事をしているのです。そしてまたそれに賛同してくれる人が一人でも増え、その一票を投じてくださる人が増えるならば、その分彼らの活動を尊ぶという意思表示は確固たるパワーを持ち得るのです。(守屋)

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洋服屋の思想

NICENESS / BLONDIE / 74,000+tax

洋服を着るという行為に対して最も大事なことは、いかにその行為を楽しむかということだと私は思います。もちろん制服のように、組織に属することを表すための服や、相手への敬意を示したりしきたりを重んじる上で着ることを求められる必然の服もありますが、そういった場合を抜きにし、ここでは「日常で私服として洋服を着ること」を指します。そして洋服を着ることを楽しむためには正しい知識の上に立って洋服を選ぶことと、自分らしさへの探究心を持ち続けることが求められるでしょう。

正しい知識とは、素材のこと、服の成り立ちのこと。洋服の歴史を知っているとなお、そのもののデザインソースが見えて来て、どんな着こなしが「正しさ」であるのかが分かるかと思います。そして持ち続けるべき探究心とは、自分の体型にあったサイズバランスを知ること、似合う色やテイストを知ることへの挑戦の気持ち。分かっている自分らしいベストバランスを敢えて崩して新しい着こなしにトライしてみる楽しさはそういった「正しさ」への理解から生まれる一つ上の楽しみ方ではないでしょうか。それは例えば、料理が楽しいと思える人と同じだと考えると理解しやすいかもしれません。「正しい」調理法を知らなければ、アレンジする楽しさだって理解出来ない。

その楽しさを知ること、経験することが、洋服を選び着ることの醍醐味です。その楽しさを知っている人だけが、より難易度の高い一着を選び、自分なりの論理と解釈を持って新しい着こなしを生み出しさらなる楽しさを得られるのでしょう。だからファッションは存在するし決して消えないのだと思います。

何の話かと言いますと、そんな洋服を着ることの醍醐味を知っている人が更なる楽しさを得られる服が入荷していますということのご紹介でした。是非多くの方へ、とは言いませんが、我こそはという方へ「NICENESS」をおすすめします。(守屋)

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不要なこと、必要なもの

Porter Classic × BLOOM&BRANCH / Weather Down Jacket / 78,000+tax

ダウンの何が苦手かといったら、大抵のブランド商品の袖についているこれ見よがしなワッペンと、スポーティーさの漂う艶やかなナイロン素材。そして都市部で生活する上でほぼ使うことを想定しないファー付きの帽子に、着ぶくれシルエットを作り出す大げさなダウン量。電車内でファーが自分の顔をかすめる度に、世の中の洋服の過剰スペックと過剰デザインについて考察するほど、頭で納得が出来ないでいた「ダウンジャケット」という存在。

ウールコートなど比にならない軽さと暖かさを誇るダウンジャケットのメリットは十分に理解しているつもりで、実際に、登山する際には凍える山頂でダウンの暖かさに身を包み心まで温まった経験もあります。それでも街で着ることのメリットや、「着たい」と思う欲望が湧いてこなかったのはやはり「街では自分好みのファッションを楽しむこと」が命題であるからでしょうか。デザインも価格も、機能も、いかなる点も妥協はしたくないという気持ちは皆様それぞれにお持ちだと思います。

ファーもなし、フードもなし、ワッペンもなし、そしてマットな質感に同色モールスキンの切り替えが何ともアーバンな雰囲気を放ち、スナップボタン、ステッチ、ブランドロゴに至るまでストイックに黒一色で統一させた一品は、これまでのダウンジャケットの存在を押しのけ、求める姿を提案してくれました。

「別注」という奥の手を使った「ないものねだり」の実現はこの冬一番の朗報です。何より嬉しいのは、腰まで隠れる着丈が保温性を保ちながらも、女性でも着れるほどシャープなシルエットに仕上がっていること。ダウンなんて着るつもりのない人にこそ、是非着ていただきたい一品です。(守屋)

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飼い猫のような財布

POSTALCO / KETTLE ZIPPER WALLET SMALL / 36,000+tax / LONG / 50,000+tax

取り憑かれたようにPOSTALCOに魅了されています。

プロダクトに隠されたデザイナーの「視点」と、井戸のようにどこまでも深いデザイナーの「探究心」を目の当たりにしたことが、そもそもPOSTALCOに魅了されることとなったきっかけですが、いくつかのアイテムを実際に使ってみて、あまりに自然で気づかないけれども、気が付いた時にふらりと家に帰ってくる飼い猫のように、そっと自分の生活に寄り添ってくれる自由で謙虚な姿勢に、毎日が心踊るときめきの連続です。名刺入れを買い替え、パソコンケースを新たに調達し、そして兼ねてから欲しかったお財布も新調しました。そんなPOSTALCOへの偏愛はこちらにも記しております。

直線を描くことで可愛らしくならない凛々しい表情を持ちながら、ジップの開閉は「角」を感じさせずため息が出るほどスムース。ペタンと厚さを感じないデザインながらも想像を超える収納力に、ついつい頼って小銭をじゃらじゃらと溜め込んでしまいます。それは、個人的には是正していきたい向き合い方ではありますが。

柔らかなジオロジーゴートスキンは、ずっとそこにあったかのようにすんなりと手に収まり、艶を纏っていく過程にはエレガンスさえも感じます。そして何より心を鷲掴みにされたのは、シックで上品で、ミニマルで知的なグレーの色。「新色の登場です」という謳い文句に踊らされたことはなかった私ですが、ここまで引き寄せられてしまいましたのは初めてです。

使って分かる魅力も、存分にお伝えしたく、しつこくも2度目のご紹介となりましたが、一人でも多くの方がPOSTALCOのファンになってくれたなら、我々の役目は果たせるのかなと思います。(守屋)

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栗の香に思うこと

富井 貴志 / 栗彫模様三段重箱 / 60,000+tax

BLOOM&BRANCHとして表現したい感性、価値観、世界観があり、そこに共鳴する作家の作品との出会いを経て、当店では様々な作家さんの作品を展示・販売しております。「売れる」もの、「流行」のもの、「斬新なデザイン」のもの。そんな尺度ではなく、当店ディレクターと多くの作家さんとの対話を経て全ての作品は並んでいます。そんな顔ぶれに我ながら誇らしく思い、そして同時にしっかりと作家さんの表現や意思を、我々を通して多くのお客様にお伝えしなければと、背筋が伸びる思いがします。

ようやく秋めいてきた十月のはじめに、一年半遅れの待望の入荷となった富井貴志氏の作品たち。届いた作品を開梱し、香ってきたのはまだ新しさの感じる栗の木の豊かな香りでした。そんな作品にひとつひとつの手触りを楽しみ、香りを楽しみ、細かな彫りを目で追い、どこか遠くの深い森の奥へと連れて行ってもらったような気持ちになりました。

匙 kikumai / 3,200+tax

(上)カトラリーバスケット / 15,000+tax  (下)オークバスケット / 18,000+tax

以前、氏のインタビュー記事を読んでいて「川端康成と村上春樹の作品をよく読んでおり、少なからず影響を受けているかもしれない」といった一文を目にし、自分との微かな共通項を見出せたようで嬉しさを感じたことがありました。今改めて作品と対峙し、低い重心でしっかりと構えているような、どしりと安定感とたくましさのある作品の姿にその言葉の端先を感じ取れたような気がしました。

小皿 Ume / 小皿 Katabami / 8,000+tax

「鍛えられた足腰」で、体力を消耗しながら、忍耐強く、ぶれずに作品を作り続けること。そして、決してスピードカーのように高速で駆け抜けるのではなくあくまで低速で、言うならばローギアで、着実に制作活動を続けること。それらは作り手の方々全てに通じるものなのかもしれませんが、そういった姿勢が、目に見えずともやはり見るものや消費者を魅了するのでしょう。(守屋)

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好きなことをして生きるには

m's braque / Soutien Collar Coat / 68,000+tax

世界を放浪していてたどり着いたインドのとある都市でヨガに出会い、そのまま定住してヨガを極めて生活している人。山が好きで、登山が好きで、山を登ることを生業として生活している人。好きなことをして生きている人、思いもよらないことを生業としている人は意外にも身近にいるかもしれません。

服好きが高じてお店を経営している人、デザインをしている人、生地を作っている人。洋服業界にももちろん「好きこそものの上手なれ」の人々は非常に多くおりますが、その中でも第一線を走り続けるには常人には到底考えも及ばないところまで、一つの物事を突き詰めていく探究心や好奇心や忍耐力や想像力が必要です。例えば、誰も辿り着けない世界の秘境に一つの素材を求めて旅に出られたり、誰も見たことのないビンテージ品を探し求めて世界を駆け回ったり。

m's braqueというブランドが、そんな第一線を走り続けることの出来るブランドであり、我々には到底想像しえない新しい素材使いの妙を見せてくれるブランドの一つです。ミリタリーやワークのデッドストック素材を使用したりするブランドは多い中、見たこともない面白さのある素材や贅を極めた美しいデッドストック素材を使用した、m's braqueならではのドレッシーさを放つコレクションには、毎シーズン圧倒されつつも、いつもどんな素材と巡り会わせてくれるのか楽しみでならない自分がいます。

そしてそれが他では見ることのできない素材であればあるほど、心の高揚は最大まで高められることになります。好きなことを追求して生きる人には、自分の心の充足と幸せばかりか他人にもその力を及ぼすことが出来る。そんな素晴らしい生き方を出来る数少ない人々には頭が上がりません。(守屋)

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