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端的に伝わるモノの良さ

forme / Hand Wallet GUIDI Bachetta exclusive for BLOOM&BRANCH / 26,000+tax

何かを伝えようとするとき、それが自分にとってとても重要なファクターであればあるほど、綴る言葉多くなり、話す口ぶりは興奮気味に早くなり、まとまりを欠いてただ時間とスペースを必要以上に広げてしまうものです。熱量が多くなり気持ちが先行するときに、冷静に端的に、物事を説明して相手に伝えることほど、難しいことはありません。このように文章を書く機会が与えられ、そういった思いを初めて感じるようになり、更にその思いは強くなる毎日です。

この場で紡ぎ出す文章は、必要最低限の言葉で、明快にモノの良さを伝えることが主要命題でありますが、長く鍛錬をすることで初めて磨かれてゆくそういった技術がない現段階では、本当に難しい行為だなあと感じます。そんなことを考えあぐねていたところ、プロダクトデザインにもなんだか同じようなことが言えるのではないかという発見に至りました。

Wallet GUIDI Bachetta excusive for BLOOM&BRANCH / 43,000+tax

必要最低限のデザインで、そのものの価値を最大限に引き出し、なおかつ人々にそれを良きものと認めさせる圧力と存在感のあるプロダクトを生み出すことは、こちらも長きに渡る鍛錬や経験によって初めて到達するゴールでしょう。

Hand Wallet Cordovan exclusive for BLOOM&BRANCH / 44,000+tax

この別注アイテムにおいても、必要以上のデザインを削ぎ落とされたformeの革小物たちに与えられる最後の付加価値として選ばざるを得なかったくらいに些細な違いを施したに過ぎません。ですがこれこそ、formeという完成されたプロダクトに対する敬意を表しながら、人々に「良きもの」と認めていただけるような新しい価値を生み出せた逸品だと思います。端的に、良さを伝えられているでしょうか。(守屋)

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追い求めるのは「丁度よさ」

KIJI / SHINBUN / 48,000+tax

レザーのバッグを個人的にずっと探しています。大げさなサイズ感ではなく、かといってポシェットほど小さくもない適度な容量。そして商業施設のどこを振り返ってみても溢れているような通勤用のバッグの代名詞的ハンドバッグではない、唯一無二のデザイン。かといって個性的なものはNGで、幅広いスタイルに合わせられる汎用性は捨てられないポイント。ここまで行き過ぎた要望に適うものは本当に、ありません。

自分の所属する店でさえ、そんなバッグを見つけられずに過ごしていましたが、「丁度よさ」にぴったり適うものがKIJIからリリースされております。静かに心躍る出会いでした。使用されるレザーは、いい意味でメンズライクな、味わい深い表情を見せるバケッタレザー。

男性用のバッグのような重厚感はなく、丸みのある特徴的なフォルムが中性的な印象を与えてくれます。女性も男性も持ちやすい大きさですが、たっぷりとしたマチは荷物もしっかりと受け止めてくれる頼もしさがあります。

「丁度よさ」の尺度は人それぞれですが、私にとってはストライクな一品。はっきりとした特徴やぱっと目を引く存在感はないかもしれないけれど、誰かにとってもそんな「丁度よい」一品であって欲しいと思います。(守屋)

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これさえあれば

COMOLI / Silk Shirt Dress / 40,000+tax

街を濡らす短い梅雨が明け、遠い記憶の彼方に追いやった暑い暑い熱帯夜を早くも思い出させてくれる日々をむかえました。知らぬ間につけた珈琲の染みのように、気が付いた時にはじっとりと肌にまとわりつく汗や湿気が体力を持ち去って行きます。そんな時はせめて、可能な限りストレスのない服で、なおかつ気分の上がる服で出かけたくなります。

COMOLIのシャツはブランドのスタート当初から途切れることなくファンを魅了し続ける一品ですが、素材がシルクに変わったならば、それはまた全く別物の存在感と着心地を提供してくれます。肌との接点の少ないさらりとしていてドライタッチな着用感は、コットンのそれとはまた異なる風合いです。

COMOLI / Silk Band Collar Shirt / 28,000+tax

更に、シルク特有の美しい光沢感により、カジュアルになりがちな夏の装いに品格を与えてくれるのも心強いポイントの一つ。カットソーとデニムの装いにさらりと羽織れば、日よけや冷房よけとしても活躍してくれるでしょう。そんなことを考えていると、この服はやはり、日本の気候に合わせた、日本で着るための一着なのだと再認識できました。(守屋)

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日本の街の色に合わせて

Aloha Shirt / KIJI / 23,000+tax

アロハシャツといえば、レーヨンのとろりとした質感と、鮮やかな色彩を放つハイビスカスや遠い波の音が聞こえるようなビーチの絵柄が決定的にそれをアロハシャツたらしめるもの。そんな一枚はやはり夏の太陽を燦々と浴びて、緑豊かな土地やビーチの風景がよく似合います。

いい意味でその「一般論的アロハシャツ」を逸脱したKIJIのアロハシャツ。これから訪れる夏空を待ちわびるような梅雨の薄曇りの空や、9月の初めの、夏の終わりの少しの寂しさを思わせるような落ち着いたカラー。シルクの光沢をより一層上品に際立たせてくれるような印象があります。そんな一品は、目の覚めるような鮮やかな色が広がるリゾート地よりも、街の色にしっくりと馴染んでくれるでしょう。

 

絵柄は日本の国鳥でありブランド名の由来にもなっている雉と、国花の菊の文様が散りばめられています。アロハシャツの原点は日本にある為、このKIJIのシャツはある種の原点回帰的な「本来のアロハシャツ」に擬えていると言ってもいいかもしれません。それは、日本の街で着るための、夏の制服のような一着です。(守屋)

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「お節介」を焼かれましょう

KIJIMA TAKAYUKI / Paper Hat Atelier Made / 22,000+tax

代官山の自社アトリエにて生産されている「Atelier Made」の一品は、東京の真ん中、トレンドの渦の中心地である「代官山」で作られています。にも関わらず都会的なシャープさやストイックなデザインがいい意味で排除されていて、下町的な、人の温もりを感じる表情が大変気に入っています。

日本人が「下町」をイメージすると、「お節介を焼いてくれる商店のおじさん」のイメージを筆頭に温かな人との関わり、コミュニケーションを想像すると思いますが、それは人だけでなくモノにまで広く当てはまるように思います。古くからものづくりが地場産業として発展してきた街の特性かもしれませんが、拘りや技術を持った職人が多く存在する場所だからこそ、彼らの深いコミットメントを通してものが生み出され、結果としてその温かさがモノにまで宿ります。

そうして生み出される一品には、表を眺めるだけでは気付くことが出来ない、見た目のデザインを左右しない部分にまで細やかな気遣いが隠れています。謂わば「お節介」のように、そこには人の温かさを感じることが出来るでしょう。近頃の生活では、「お節介」を焼かれることも少なくなってきてはいませんか。

そんな温かさのあるコミュニケーションは、SNSやメール、電話などの通信手段の急激な発達によって影を潜めてきていると思います。ですが、そんな時代だからこそ、人と人が顔を合わせ、温度を感じながらのコミュニケーションはより価値を高めてくることでしょう。そしてそんな温度を反映させたモノももちろんその流れに乗るでしょう。「お節介」を焼かれてみるのも、素敵な経験の一つではありませんか。(守屋)

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長い長い時の経過の末に

ピューターという素材の歴史は非常に古く、紀元前から存在したと言われています。その後、ローマ帝国占領下のイギリスにおいては工芸品としてピューター食器が盛んに作られるようになりました。以前に駒場東大前の日本民藝館の展示でピューターの食器の数々を見る機会がありましたが、まるでつい今しがたレストランから運ばれてそこに置かれたような、長い長い時間の経過を感じさせない美しい光沢を持った姿に驚かされた記憶があります。

BC 29 (Top)  30,000+tax / BC 31 (Bottom) 30,000+tax

BC 35 (Top) 30,000+tax / C 40 (Bottom) 34,000Tax

ピューターは、銀などと比べ非常に錆に強く、経年によりその輝きは増していくそうで、少し黒目を帯びた光沢は夜の海に反射する月のあかりのように控えめながら人の心を奪う魅力があります。レザーやシルバー、そしてデニムなどと同じくピューターも、長く使用することで深みの増していく、そんな素材の一つです。

Nobember / 59,000+tax

レザーの経年変化に合わせて、ピューターの輝きの増す表情の変化も楽しめるMARIA RUDMANのジュエリーたちは、サーミの伝統や技術、そしてパリに住むデザイナーのセンスの融合した他にはない世界観を作り出しています。

B PLUS Glitter (Left) 26,000+tax / BC 38 (Center) 32,000+tax / BC 31 (Right) 30,000+tax

革へと装飾部分が落ち窪んで新品とは全く異なる表情が顔を出すブレスレットは、お守りのように毎日付け、サーミの人々の思いや自分自身の日々の記録をしっかりとその一本に刻んでください。そして私自身が体験したように、ピューターという素材の持つもう一つの一面と、是非いつの日か自分自身の手元で出会って欲しいと思います。(守屋)

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潔い美しさに加えたいもの

Phlannel / Light Suvin Cotton T-shirt / 9,000+tax(Left)
Phlannel / Mercerization Suvin Relax T-shirt / 14,000+tax(Middle Left)
Phlannel / Light Suvin Cotton Unisex T-shirt / 9,000+tax(Middle Right)
Phlannel / Suvin Cotton Henley Neck T-shirt / 12,000+tax(Right)

気持ちの良いほど潔いPhlannelのカットソー。このシンプルさ故に一見すると普通に見えてしまいがちな一枚ですが、袖を通して鏡を見ると、その品の良い佇まいや極上の着心地に驚かされることでしょう。

Phlannelではすっかり定番素材となったLight Suvin Cotton。世界で最も繊維長の長いコットンで、滑らかな肌触りとシルクのような光沢感が何よりの特徴です。Phlannelはそんな素材の良さを、最小限のデザインで最大限に表現しています。デザイナーのジャージ素材への偏愛がもたらした化学反応と言えるかもしれません。(インタビュー記事はこちら)

Phlannel / Fine Gauge Freedom Sleeve Sweat Shirt / 15,000+tax

ただ、このシンプルさは使い勝手の良さがある反面、シンプルなだけの淡白なスタイリングになりがちでもあります。特に暑い夏場は快適さを最優先させるあまり、ただデニムやスラックスを合わせるだけで終わってしまうことも多いでしょう。私自身もそうですが、半ば諦めの心も持ち合わせながら、もっと自分らしく着こなしたいと、物足りない気持ちにもなります。

Phlannel / Fresca Stripe Relax T-shirt / 14,000+tax

そこで「BLOOM&BRANCH T-shirt Collection」開催中の1週間は、4名のスタッフによるおすすめカットソーを使ったスタイリングブログを更新いたします。シンプルな着こなしから一癖ある着こなし、背の高い方に向けた着こなしと小柄な方向けの着こなし。自分の感覚に近いスタッフのスタイリングを是非参考にしてみて下さい。快適さとファッションの楽しさ、せっかくですので二兎追いましょう。スタイリングブログはSHOP BLOGページに随時更新されます。(守屋)

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ゆとりの創造

SIRI SIRI / Barrette OVAL 22,000+tax / Barrette LONG 22,000+tax

世界に誇る「日本のものづくり」を支えてきた職人たちの研ぎ澄まされた感性と技術。それを長く継承し、伝統を重んじてきた日本の文化的背景。長い時間を経ることではじめて創造される新たな価値。それに加わる現代的センス。全てが統合されたSIRI SIRIが生み出すジュエリーが、他を寄せ付けない逸品であることは明確な事実です。

Arabesque Earring / 24,000+tax

Arabesque Earring HOOP SV mini / 22,000+tax

革新的な技術発展の進む時代において、「職人技術」のように人の手を用いてものを生み出すことは、大変非効率であり非生産的であります。それでもなお、手間隙を惜しまない生産方法が選ばれるのは、それでしか表現できないものがあり、それに拘らなければならないほどのクオリティを追求しているからでしょう。では、ハイクオリティであることのほかに、「職人技術」でしか表現出来ないこととは何なのでしょう。

Ring Square / 42,000+tax

そこに見え隠れするものは「無駄」というゆとり。先述のとおり現代の産業においては、時間や手間、コストという「無駄」は削減することを求められます。しかし、それにより得た対価は、結局のところ、「無駄」を削減したことによって生まれた時間やお金ではなく、余剰や隙、無駄という心のゆとりがの喪失だったとも言えるでしょう。

Earring SPHERE STRIPE / 26,000+tax

だからこそ、時間もコストも材料も惜しまず、そして妥協無く生み出されたものの持ち合わせた「無駄」というゆとりは、希少性を増し、消費者から追い求められるような存在へとなったのではないでしょうか。そして生産背景の話にとどまらずに、卓越したデザインのセンスが加わっているという点に、SIRI SIRIのジュエリーたちの唯一無二の存在価値があります。「夏のしつらえ」には、職人の不在により長く生産が中止されていたアイテムも揃いました。(守屋)

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生み出されるものと生み出す人

サインが記されていなくとも、「小野象平の作品である」という証が全体で表現されている器。一目見れば作り手がすぐに分かってしまうほど、人間味の滲み出るような器。小野象平という人間を表すために生み出された作品は、本当に「生きている」もののエネルギーで溢れています。

平碗 大 7,000+tax

その人間臭さや強いエネルギーの根源は、しっかりと活かされた「土味」。自ら採取した土と日々対話し、状態を見極めて作り出される作品には、作り手と土との関係性が色濃く反映されています。土の状態に合わせて最適な大きさや形を微妙に調節しているために、完成するその姿は一つとして同じものがなく、それは本来の「土味」や土の「性格」を活かして制作される氏の制作方法だからこそ表現出来る表情です。人間のそれを尊重するときと同じように、土の性格もしっかりと活かしきることが、他を圧倒する作品を生み出す大切な要素となっているのでしょう。

筒鉢  5,500+tax / ぐい呑み 3,500+tax / 片口 6,000+tax

釉薬を振り落とす際に出来る流線や、氏の手の跡など、一般的には毛嫌いされて綺麗に仕上げを施すような箇所もそのまま活かしています。それを全て含めて作品であり、そうすることで作品そのものが、削ぎ落とされることのない小野氏のエネルギーを引き継いでいます。氏の言葉を借りるならば、「たまたま生み出すものが器の形をしていただけ」という事です。(守屋)

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クローゼットに大自然を

Bergfabel / Farmer Dress / 88,000+tax

山や自然に憧れを抱くのは、都会に住む人間ならではの感情で、地方や田舎に住む人々にとってそれは、「いつもそこにあるもの」であり「当たり前の風景」であり、「共存するもの」であります。自然と共に生活をしながらその美しさや貴重さ、有難さに気づくことが出来る人もいれば、気づくことなく離れていく人もいるでしょう。

「Bergfabel」のデザイナーのKlaus Plank(クラウス・プランク)は、生まれ育った自然豊かなチロルの地を一度離れ、そうした時に初めて自分自身の住んでいた自然豊かな土地の美しさに気づいたそうです。そしてその思いを胸に、チロル自然や山々との物語を綴るコレクションを展開しています。チロルに住む人々と紡ぎ出される物語の数々は、ゆったりとした時の流れを感じさせてくれ、都会にいながらも、私たちの目の前にチロルの自然をしっかりと映し出してくれます。手作りのラベンダーのポプリの香りも纏い、優しい大地に包み込まれるような感覚を都会で味わうことのできる贅沢さは唯一無二ではないでしょうか。

私自身も東京という日本の中心都市で生活していますので、自然を求めて山へトレッキングに出かける週末もあり、まさに5月は新緑溢れる山の、絶好のトレッキングシーズンです。ですが、時間がないとき、クローゼットに忍ばせたBergfabelのアイテムをさっと纏って風に吹かれるだけで、遠い自然をすぐにその肌に感じることが出来ます。心強い、もっとも身近な「大自然」です。(守屋)

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偏愛的アイテム紹介

DIMISSIANOS & MILLER / MULE / 51,000+tax

敢えてマイナスポイントを挙げるとするならば、あまりにも存在感のある革の自然な表情でしょうか。リアリティのある豊かな表情は、品の良さや可憐さを演出することは難しく、非常に玄人好みでしょう。そして、その革の表情が美しさに心を奪われ、レザーソールにハーフラバーのメンテナンスを行いたくない、という自己満足的欲求が生まれてしまうこと。実際に、ラバーソールメンテナンスを行わずに楽しんでいましたら、滑って痛い思いをしました。(冷静に実用面を考えますと、ハーフラバーのメンテナンスを推奨いたします。)

3度目の夏を迎える私物のDIMISSIANOS & MILLER。コンフォートシューズでは決してないので、柔らかで軽快な履き心地とはとても言えませんが、しっかりと鞣されたアッパーのレザーは自身の足の甲に沿うように驚くほど伸びやかです。

一見固そうに見えるレザーソールも、着用者の体重と踏み込んだ回数の分見事に落ち込み、かかと部分にはその痕跡が残ります。右の一足が私物です。丁寧に施されたハンドステッチ部分もしっかりとソールに埋もれていき、靴そのものが時を経て更に一体感を増し、アートピースのように完成されていきます。

「足に馴染んでいく」というよりは「自分の足そのものになる」という表現が最も適しているように思えるアイテムです。欠点を加味してもなお、2足、3足と買い足したくなる不思議な魅力を是非ご堪能いただけましたら嬉しく思います。(守屋)

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ひと匙の強さ

KIJI / Apron Skirt / 28,000+tax

普段はあまりスカートやドレスなどの女性らしいアイテムを着用しないのですが、今シーズンはそういったアイテムが豊作で、個人的にもなんとなく気になって目で追いかけています。しかしながらいざ買い物をするとなると、ただ甘いだけのスカートやドレスは不必要さと物足りなさを感じてしまわずにはいられません。そんなわがままに応えてくれる待望のアイテムがKIJIより登場です。

少し意外に感じたことは、今までVintageなどのアーカイブを踏襲した男性的とも取れるような拘りをデザインに反映させてきたKIJIが、ここまで可憐で女性的なアイテムをリリースしたこと。そしてそれがどこまでも可憐で、正に初夏に吹く軽快な風を運んでくれるような爽やかさを持ち合わせていること。

上質なレーヨンシルクの素材チョイスが、美しい光沢とドレープの表情を生み出します。それだけでなく、ラップスカートのデザインを採用することでたっぷりと分量を持たせながらもふくらみが抑えられ、すっきりとしたシルエットに仕上げてくれます。ふんわりと膨らむスカートのシルエットは柔らかな女性像の象徴とも言えますが、普段スカートを着用しない人にとっては少し抵抗があり、柔らかさの中にあとひと匙の強さが欲しいところです。適度なシャープさをもたらしてくれるこのシルエットはそんな要望をも叶えてくれます。

細部まで抜かりないデザインはKIJIというブランドへの我々の期待を裏切ることなく、それどころか更なる発見をもたらしてくれます。そんな晴れやかな気持ちを胸に、夏の太陽と爽やかな風を追いかけて、旅へと連れ出したくなる一枚です。(守屋)

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価値の構成要素

m's braque / Raglan Sleeve Aloha Shirt / 27,000+tax

作り手という「人」の介在によって生まれる価値について前回のご紹介の際に触れましたが、洋服の場合のそれはデザインに「その人らしさ」というのが色濃く反映されるでしょう。同じような「白いクルーネックのカットソー」を作っても、デザイナーが違えばもちろん出来上がるものも千差万別です。そして、デザイナーの「その人らしさ」というものが本当に強く表現されているブランドの一つがm's braque。

「その人らしさ」が色濃く反映される所以の一つは、ヨーロッパ各地を巡って発掘されるVintageの素材を豊富に使用してコレクションを作り上げていること。どこにでもある素材や、代わり映えのない素材ではない「m's braque」らしさが一切の躊躇なく溢れ出てくるVintageの生地のチョイスには、毎シーズン本当に驚かされますし、心からわくわくさせられます。

そしてもう一つは、表層的なデザインのみならず生地の弛みやドレープ、身体を通した際に描かれる曲線などまで計算し尽くされたデザインであること。洋服の概念を覆すような豊かな発想によるデザインでありながら、決して派手さや不要な加飾ではなく、どこまでも美しさや着心地の良さを探究した当然の結果であるように自然に収まりが良いのです。今回のハワイアンシャツにおいてはその後ろ姿。程よく抜ける襟元や深いタックの魅せる立体的な表情は必見です。このように考察してみると、洋服の価値というものは、それ自体という総体ではなく、それを構成する細かいものごとによって作り上げられていると言えるかもしれません。(守屋)

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見えない価値

角田 淳 / 碗 小 / 3,500+tax

一語一句覚えているわけではないのですが、ある好きなエッセイストの本の中に「その土地やそこにあるものと、本当の意味で分かりあうためには、人の介在をなしにはあり得ない。」といったようなことが語られた一文があります。つまり、その土地で実際に出会う人と分かりあったり、そこにあるものの作り手やそれに関わる人と分かり合い語り合うことなしに、自分自身が完全にそこに打ち解けられるわけではないということ。言わんとすることの真意にも心打たれるのですが、私はこの一文に出てくるように「人」の介在というものは本当に大切なことだと日々感じています。

花皿 豆 / 2,000+tax 花皿 小 / 2,500+tax 花皿 中 / 3,300+tax

人が作り上げる作品、特に人の手を用いて作り上げられる「器」は本当にその作り手の人となりを表すものです。実際に個展の初日に角田さんに初めてお会いし、制作のお話を伺った際には、角田さんという人を通して器を見ることが出来、作品の奥のほうにある魅力が今までよりずっと心に響くような、そんな感覚を覚えました。

すみ切り長方 小 / 3,300+tax すみ切り長方 中 / 5,500+tax すみ切り長方 大 / 7,500+tax

作り手と実際に会ったりお話ししたりする機会があるという環境には本当に感謝しておりますが、そういうことが不可能な場合にも、そのものを通して、その先にいる「作り手」のことを考えてみてください。器に限らず、洋服もそれぞれ作り手がいますし、どんなものにも必ず「人」が介在しています。その「人」たちを意識することで、普段よりは少し、自分とその作品やものの間に理解の深まりが感じられると思います。人の介在するものの価値は、そのものだけでない、それ以上の見えない価値があるのです。(守屋)

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ないものねだり

OUTIL / TRICOT GROIX / 14,000+tax

永年定番アイテムの一つであるブレトンシャツ。これまで飽くことなく多くのシャツを着用してきましたが、そのどれもがなんとなくストレスのある硬い着心地であったり、今の気分から逸脱してしまった着丈や袖丈のバランスであったりというものでした。そこにあるから、多少の不自由こそあれ、好きだから着ていたもの。セントジェームスからオーシバル、そしてルミノアも然り。そんな中、心奪われたのは、OUTILのみが製造を許可されたLe Minor社製のブレトンシャツ。

オリジナルのものでは実現しなかった今の気分を乗せたような、ゆったりとした身幅や襟元の空き具合。現代社会で生活するのにベストな袖丈。古いセントジェームスやルミノアの硬さほどではありませんが、粗野な表情は残しつつ、さらりと着用し易いコットンの素材も魅力です。更に追い討ちをかけるように密やかに配されるのは、Le Minor社のオールドタグ。ちょっとした稀少性が気分を高揚させてくれます。

不自由こそあれ、好きなもの。それも素敵ですが、「無い物ねだりを実現してくれた」逸品に出会えた時の喜びは、それに勝る喜びと愛着があります。いつの時代にもあるからこそ、せっかくなら、その時の気分を少し乗せて楽しむのもファッションの醍醐味ですので、着こなしにも今の気分を乗せて、Levi'sのデニムやフレンチワークパンツだけではない、「自分らしい今」のファッションを楽しんでください。(守屋)

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ワインの色と味わい

CECCHI DE ROSSI / Little Infinity / 64,000+tax

唯一無二の個性を放つものは、どうしてもその個性が際立ちすぎて他を寄せ付けない頑固さがあり、身につけてみても自分のスタイルに馴染ませることが出来ない。でも、そのものの持つ独自性を好んでいるから、どうにか自分のものとしてスタイルに落とし込みたいという譲歩の心持ちで接し、どうにか身に付けている。というのは、魅力ある曲者アイテムの宿命的存在意義です。

CECCHI DE ROSSIのバッグも、そういった曲者の類かと思っておりました。しかし実際に触れてみて、鏡の前で合わせてみると、いつもそこにあったような落ち着きとおさまりの良さがあり、どんなスタイルでも受け入れてくれるような懐の深さがあります。その要因の一つは染色方法。ワイナリーを営む一族が始めたレザーブランドですので、基本的には赤・白・ロゼのぶどうを用いた染色を行なっています。表現し難いムラのある表情は他にはない個性を放ちつつも、無理をさせるような顔料や染料を用いないからこそ革自身がその色を受け入れ、吸収し、心地よく色を表現してくれているように感じます。だからこそ、一見すると個性の強い表情にもかかわらず、馴染みの良さと安心感を感じさせてくれるのです。

個人的な話ですが、ここ1年ほどでナチュールワインの虜になり比較的よく楽しむようになりました。すっと身体に沁み渡るような飲み口を、このアイテムから連想してしまいました。そして、ワインの熟成のように、時が経った際に見せる新たな表情はどんなものかと、とても期待してしまいます。(守屋)

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空気を纏ったかのように

COMOLI / COMOLI Shirt / 22,000+tax

ずっと変わることのない名品や定番のアイテムは洋服のみならずどんな分野にも存在するとは思いますが、そういったアイテムに対し、安易に「完璧」、「完成されている」といった言葉を用いるのは憚られる思いがします。そんな気持ちを持ってしても、COMOLIの名作シャツを前にした際、「完璧」であるとは思わざるを得ませんでした。

初めてコモリシャツを目にする人の中には、「今トレンドのゆったりとしたリラックスシルエットのシャツ」と思う方もいらっしゃるでしょうし、実際に自分自身もそう思ったときもありました。ですが、実際に袖を通してみると、空気を纏ったかのようなストレスのない着用感にまず感動を覚えます。湿度の高い夏、落ち葉を鳴らす乾いた風の吹く秋、雪さえ降る厳しい寒さの冬、そして暖かな春。四季のある日本の風土では一年を通して心地良く着用出来る洋服を求めるのは困難を極めますが、このシャツはそのハードルを完璧にクリアしています。

そして決まり過ぎない適度に肩の力の抜けたデザインに反し、細かな運針で縫製された美しい仕立ては、大人の品の良さを忘れることなく残してくれます。しっかりとアイロンをあてて、裾はボトムスにタックイン。ベルト、革靴をしっかりと合わせて出かけるにも恥ずかしくありません。そして洗いざらしの自然な風合いのままラフに羽織って休日を謳歌するのにも最適。そんな完璧な1枚ってあるでしょうか。来週にはニューメキシコの乾いた空気を届けてくれる新作も入荷の予定です。まずはベーシックカラーを、そして今の気分も乗せたシーズンカラーを、是非ご覧いただけたらと思います。(守屋)

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ある映画から

KIJI / Linen Red Cross Knit / 25,000+tax

先週のご紹介の際にウォンカーウァイ監督の作品について触れましたが、ウォンカーウァイ監督初の英語作品である「MY BLUEBERRY NIGHTS」は、おそらく氏の作品の中でも最も日本で人気のある作品の一つではないでしょか。ニューヨークの雑踏やネオン、そして登場人物の心情の描写の端々にどこかアジアの街や空気を連想させるような、監督らしい湿度のある映像がとても印象的です。同じくニューヨークを舞台とする作品を数多く手がけているウディアレンのそれとは全く異なる風景をみせてくれます。

ウディアレンの監督作品ではニューヨークが舞台となる傷心の主人公とその人間関係をコミカルに描いた作品が多くありますが、そこに描かれるニューヨークは前者と異なりとてもドライで軽快。長い台詞が連続するテンポの良さや、さっぱりとした人間模様がその所以でしょうか。また、氏の作品の特に70年代後半から80年代頃の作品は、登場人物のスタイリッシュなルックスが注目を集め、今でもファッションアイコンとして様々な場面で取り上げられるほど、圧倒的な影響力を持っています。そんな当時のウディアレンやダイアンキートンのように、マニッシュに程よく肩の力を抜いたスタイリングを楽しんでほしいのがKIJIのリネンニット。

ニットが入荷した当初、インナーカットソーの上からざっくりと大きめに被り、柔らかなコットンツイルやシルクのパンツを合わせてルーズに着こなしたい気分でした。ですが改めて「マンハッタン」や「アニーホール」に登場するダイアンキートンやウディアレンの着こなしを振り返ると、シャツを合わせたり、ジャケットを合わせたり、しっかりとした生地のチノトラウザーをオーバーサイズで合わせたり、そういったナードでトラッドな要素を盛り込んだ着こなしも新鮮で面白いなと。トレンドを追うのも勿論楽しいですが、少し気分が変わりました。ふとした時に、映画だけでなく古い雑誌を繰ってみたりすると、新しい発見があるかもしれません。(守屋)

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春の訪れのような

Seya. / Summer Blazer / 88,000+tax

コレクション#01では乾いたようなグレイブルーや移ろうピンクベージュから、サンドベージュのグラデーションなどニュアンスのあるカラーパレットで、旅した土地の視覚的情景のみならず空気と香りまでをも表現したSeya.。#02ではそういった柔らかな空気から一転し、映画「Happy Together(邦題 : ブエノスアイレス)」の湿度のある空気や暗さを持った映像の色彩が落とし込まれています。曖昧なカラーのコレクションにしっかりと輪郭を持たせてくれるNavyやBlackの色使いがとても印象的です。

そんな中だからこそ、Seya.らしい「曖昧さ」を持った色使いや素材使いが何とも心に引っかかりました。個人的な好みもありますが、そういった言葉に表現できないようなニュアンスを表すものは、圧倒的な存在感がなくとも、奥深くから訴えかけられるような主張が感じられます。そしてその絶妙な「曖昧さ」が、訪れたことのない土地の空気や香りを想像する楽しさや、その土地を疑似体験出来る特別感をもたらしてくれるのです。

Seya. / Shirt With Storm Flaps / 55,000+tax

Seya.  / Summer Pants / 59,000+tax

今回はデザイナーの旅した土地と合わせて映画も重要なコレクションの要になっていますので、このアイテムはどの登場人物が着ていそうだとか、どんなシーンの色が表れているかとか、どんな心情の表れがあるだろうとか、そんな視点で見てみるのも楽しいのではないでしょうか。「曖昧さ」は、視点を変えれば、受け手にその解釈をある程度委ねてくれているとも言えるのですから、それが正解だとか間違いだとかはなく、純粋な自分の物差しだけでぜひ楽しんでください。(守屋)

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都会的Formal Wear

AURALEE / Wool Silk Herringbone Double Breasted Jacket / 54,000+tax

 ある程度年齢を重ね、多くの場所を経験し、多くの衣服を経験した方にはそれほど難解でないとは思いますが、「普段着としてのformal」というのは本当に難しいなと思います。必要に駆られていざ「普段も使えるようなちゃんとした服」を探してみると、かっちりしすぎて面白味に欠け、普段着としては活用できないスーツやドレスか、はたまたこれは大人として正しいのかと、頭を抱えてしまうようなカジュアルすぎるセットアップなど、両極端な選択肢で巷は溢れており、結局理想の一着には巡り会えなかった。という経験をした方も多いのではないでしょうか。

オーセンティックなヘリンボーンのウールシルクのスーツ地ながら、ありそうでない味わい深い色の表情が非常に洗練された印象を与えてくれるAURALEEの一着。イタリアスーツのような美しいドレープのある軽やかな風合いや肩の仕立て、それでいてイギリスらしいしっかりと真面目な表情もあります。

派手な意匠がない故に極上素材の良さが際立ちしっかりと上質な大人の雰囲気を演出してくれるので、フォーマルウェアとして十分に頼もしい存在です。そして普段はセットアップはもちろん、AURALEEのワイドチノトラウザー、Levi'sの501、シルクのワンピース、コットンのプリーツスカート。どんなアイテムを合わせて着ようかと、想像を膨らませながら楽しみたい「都会的Formal Wear」です。(守屋)

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Vintageは両義的

Vintage / Herringbone Fireman Trousers

Vintageの魅力の一つは、その一期一会の刹那性です。これを逃すともしかしたらもう一生出会えないかもしれないという、何とも所有欲・購買欲を掻き立てられるワードに幾度となく遭遇し、自制心を闘わせ、そして惨敗してきたことでしょうか。そんな方も多いと思います。 では何故、「もうこんなものに一生出会えないかもしれない」と思うのでしょうか。希少であればあるほどその思いは強いかといえば実はそうではなくて、あまりに希少すぎるものはかえって自分では所有してはいけないような気分にさせられます。誰か、もっとVintageを愛してやまない誰かか、熱烈なコレクターの元へ届くべきだと思ってしまいます。

Vintage / 50's Blue Cotton Jacket / 18,000+tax

Vintage / 50's French Hospital Military Coat / 18,000+tax

「こんな素敵なものに出会えてよかった」と思えるポイントはいくつかありますがその最大のポイントは、目の前にあるそのものの持つ、ちょっとした色褪せ、ほころび、傷、前の所有者が書いたかもしれないサイン、そんな所にあると私は思います。私ではない誰かから見るとそれは単なる汚れで、そんな一着は「綺麗ではない普通の古着」になるのですが、そこに魅力を見出してしまったらそれが「私にとって特別な一着」になるのです。

Vintage / Blue Patchwork Jacket / 33,000+tax

Vintage / 40's French Army Motorcycle Overpants / 16,000+tax

「汚れ」「傷」「破損」そんな様々なポイントが何物にも代え難い魅力になる。そういった意味でVintageは両義的なものであり、それがたくさんの人を虜にしているのでしょう。そんなことを考えながら、宝探しをするような気持ちで古着を見ると本当に幸せな気持ちになれます。そしてそんな気持ちで少し眺めていただきたいなと思っています。(Pari Vintage Market Vol.3)(守屋)

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自分と外の間に在るもの

Scye / Line Tuck Blouse / 36,000+tax

古くは貴族階級が着用していたシャツもあれば、労働者のためのシャツがあり、夏用の軽やかなアロハシャツがあれば、防寒のためのウールのCPOシャツがあります。そして、スラックスに合わせたいビスポークの美しいブロードシャツから、デニムに合わせたい粗野なコットンのB.Dシャツ、はたまたスカートに合わせたいリボンのあしらわれたシャツブラウス。

 CASEY CASEY / CHEMISIE BIG SANSPOCHE / 48,000+tax

一言に「シャツ」と定義してもその姿は言葉通り無限大で、素材・生地・デザイン・価値までもが本当に幅広く存在しています。そして私にとってシャツは、洋服の中で最も魅力的だと思うアイテムです。

見た目の多様さはシャツの魅力の一つですが、身に纏った際にしっかりとその素材を肌で感じることが出来るというのもポイントです。季節や気候との相性を測るように素材や質感を選びながらも、その素材はしっかりと自分の肌にも直接触れます。いわば「自分の外」と「自分」とを繋ぐようなその役割は、ジャケットのように外に近くもなく、カットソーのように肌に近くもない。その「自分の外」と「自分」との間の距離感がとても好きです。

Phlannel / Anonymous Shirt / 18,000+tax

何年も着用し、洗濯を繰り返し、くったりと柔らかさを増した生地の愛らしい姿もまた魅力で、そうなった時には更に自分の肌にすんなりと馴染んでくれます。そして「自分の外」と「自分」との間にごくごく自然に存在してくれるものとなります。

そんなことを考えていた折に、Paris買い付けのVintageがお店に到着し、その中から綺麗にリペアの施されたシャツを数枚見つけました。大切に着続けられた証拠としての丁寧なリペアの跡を見ると、自分もしっかりと、所有するシャツ一枚一枚に愛情を持って接したいなと、背筋が伸びる思いでした。(守屋)

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自分の色で染める

OUTIL / MANNTEAU UZES / 44,000+tax

OUTILのアイテムを好む人、OUTILの服が似合う人は、自己流のファッションの楽しみ方を心得ていて、あらゆるアイテムを自分色に染め上げて着こなすいわば「ファッション玄人」だと思います。一見するとシンプルなデザインやテキスタイル、ナチュラルな色使い。しかし一度袖を通してみるとその服の奥深くにある個性が顔を出します。そしてそれに身動ぐことなく、気負うことなく、自分らしく着こなさないと、服のパワーに負けてしまう。OUTILとは私にとってそんなブランドです。

ナチュラルインディゴと備長炭の美しい染めのコートはまさに、見るに美しく、着るに難しといった印象を与えます。しかし、だからこそ、その味わい深い染め上げの雰囲気の良さを借りて、自分の色に奥行きを持たせ、着こなしを楽しんでみたいと思うのではないでしょうか。簡単な服はもちろん使い勝手が良いですが、そうではない服の面白さやそれを着た満足感には代えられません。

そしてオリジナルのボタンの淵には、デザイナーの好きなフランス語の一文が細かく刻印されています。細部にまで気を抜くことを許さない完成度の高さも、「ファッション玄人」を唸らせるポイントです。そんな氏の思いの込められた言葉を解読し、理解した頃には、きっとこのコートも自分色に染めることが出来ているのではないかと思います。(守屋)

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行けるところまで

世の中に生み出される物には大きく分けて二種の存在意義があります。一つはそれらを享受する立場にある人(=消費者)を主体として考え生み出された、「ニーズに即した物」として。そしてもう一方は「行けるところまで行こう」という作り手の探究心や挑戦的な思いだけにフォーカスして作られた、いわば「ニーズを優先せずとも究極を求められた物」として。上記二種は完全な個人的見解です。そして私は後者を圧倒的に好みます。この後者の代表的なアイテムが入荷してまいりました。

Le Yucca's / Ghillie Shoes / 118,000+tax

ニーズを優先しないという言い方にはやや語弊がありますが、ここまで職人の熟練した技術が披露される物はごく少数派の人が求めるクオリティであるように感じます。それほどに、見れば見るほど惚れ惚れとするディティールです。ベジタブルタンニングの革の表情、美しいコバのシルエット、絶妙に計算されたヒールの高さやソールの飾りなど、本当にどこまでも抜かりのない一足。妥協などあり得ず、納得のいく物を求める作り手の思いを最優先させて作り出せれた物のもつ唯一無二の存在感にはため息が出ます。

そういった物を所有した際の満足感はその作り手の込めた「行けるところまで行こう」の思いと比例します。だからこそ、それを求める数少ない人々は減ることなく、それどころかその物を求める新たなニーズさえも生み出します。熱意のある物は必ず人の心を掴むものなのです。(守屋)

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プロダクトデザインであるということ

Phlannel / Anonymous Shirt / 18,000+tax

今18SSシーズンより新たに「Phlannel Basic Line」がスタート。全国に展開を広めているPhlannelのデザイナーに、普遍的なアイテムを追求した「Basic Line」に込めた思いについてインタビューさせていただきました。

日常に寄り添う

Phlannel Basic Lineをスタートさせるに至った思いとは?
-Phlannelはもともとオーセンティックなものやユーロヴィンテージをベースとして、流行に左右されず長く着ていただける「日常に寄り添う服」を提案しています。私自身様々な洋服を着てきましたが、ずっと手元に残る服は実はごく僅かで。Phlannelはそんな一枚に仲間入りできる服であってほしいと常に思っています。Basic Lineをスタートしたのは、そんなPhlannelの良さを知っていただく間口を広げたかったから。そう思っていた矢先にレギュラーカラーシャツやチノパンの製作依頼もあったのでPhlannelで定番化してるスビンのジャージシリーズなどを加えて構成を決めました。すごく検討したのは、ずっとリピートできるアイテムであるということ。Phlannelに行けば必ずあるという安心感のあるものを作りたい。そういった思いです。

Phlannel Collection Lineと最も異なる点は?
-Collection Lineでは普遍的なものであると同時にスタイルも意識したものづくりをしています。モノが好きだけれど、ファッションも楽しみたい。そんな方へ、今の気分も感じながら、Phlannelらしいスタイルを提案しています。Basic Lineはどちらかというとプロダクトデザインに近いものというか、着る人を選ばず、その人らしく、サイズなども選んで着ていただきたいものです。

Basic Lineの中でおすすめのアイテムは?
-レギュラーカラーシャツは、ドレスシャツとカジュアルシャツの間というコンセプトを定め、パターンを含めてカジュアルな素材を美しい仕立てで品良く仕上げることにこだわった一枚です。

Phlannel / Light Suvin Cotton Long Sleeve T-shirt / 12,000+tax

比類なきジャージへの愛

以前に、ジャージ素材の企画が一番好きとおっしゃっていたので今回もおすすめはカットソーかと思いました。
-特にライトスビンシリーズは本当におすすめです。上品な光沢がありながら、洗濯してもヘタレない。私がPhlannelのスビン天竺で作ったTシャツに出会った時、何度洗濯しても型崩れしない丈夫さに感動しました。ジャージは、上質な素材=丈夫・長持ちという訳ではないので、上質ながら型崩れしにくいというものにはなかなか出会えません。

ジャージを愛してやまない理由は?
-ジャージの好きなところは、とにかく機能的だなあと常々感じさせてくれるところ。

自身の愛用しているBasic Itemは?
-Tシャツです。一年中、ずっと必要な定番アイテムで、素材やサイズ感、ネックの開きなどバランスを変えるだけでいろんな表情が作れて着るのも作るのも面白く奥が深い。ジャージやニット(横編みのもの)が常に好きということですね。

Phlannel / FA-188 / 18,000+tax

Basic Lineについて今後の展望があれば聞かせてください。
-Basic Lineはまだまだ発展途上なので、ラインナップを増やすというよりは、「最高のチノパン」「最高のシャツ」と自他共に認められるようなものを追求していきたいと思っています。研究や実験みたいな感じです。欲を言えばジャージのラインナップ、それこそ普遍的なアンダーウェアみたいな日常になくてはならないものを少しずつ増やしたいです。

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POSTALCOの魅力とは

POSTALCO / KETTLE ZIPPER WALLET SMALL / 36,000+tax

POSTALCOのオフィスに伺わせていただいた経験は、バイヤーの買い付けや商談に同行するようになった1年間の中でも一番印象的だったことのひとつです。揺るがぬものづくりへの拘りの姿勢を目の前に、焦燥感を抱いたのは初めての経験でした。

POSTALCOは一つのプロダクトを製作するために、紙で何度もプロトタイプを作成し、検証し、使い勝手や耐久性を納得のいくまで追求しています。その気の遠くなりそうな作業のストーリーを、デザイナーのマイクさんは本当にわくわくした表情で話してくださり、その誰にも持ち得ない卓越した探究心がPOSTALCOの原点なんだと感じさせられました。そしてとても印象に残っているのが「日本的」視点と「アメリカ的」視点の両者を第三者の目でしっかりと捉えていたこと。

・日本人として日本で生活をしていると「常識」として捉えられずにはいられないことに対して、「常識」と思わないこと。
・自分の感情を素直に感じ取れる感性を常にアップデートしていること。
それをいとも簡単にやってのける人の姿を目の当たりにし、日々を見つめる自分の視点や日常への向き合い方をなんだか問われたように思ったその一瞬が、忘れられません。私にとってPOSTALCOの魅力は、完璧なプロダクト「そのもの」ではなく、その裏に隠された「視点」です。(守屋)

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男性性と女性性について

Phlannel / Wool Linen German Sailor Jacket / 33,000+tax

凛々しさの中に僅かに漂う儚さや可憐さは、メンズウェアを女性が着用した際に逆説的に表れる「女性らしさ」。ただ単純な女性らしさではなく、そんな奥ゆかしく凛とした「女性らしさ」に憧れを抱く方は多いと思います。私もその一人で、そんなオーラを纏いたいという希望の思いと、到底たどり着けないという確認の思いを持ちながら、メンズウェアをよく着用しています。

Phlannelの服は男性性と女性性を巧みなバランス感覚で表現しているものが多く、上記の思いを実現させてくれるのに一役買ってくれる洋服の一つです。こちらのSailor Jacketも、メンズウェアとしてのご提案ではありますが、是非女性に袖を通していただきたい一品。落ち感のあるウールリネンの素材の持つナチュラルな表情と、程よく開いたネックラインは抜け感のある女性らしさを作り出し、それでいて元々は男性服ですので、凛とした強さもしっかりと併せ持っています。念のための追記になりますが、男性が着用するとご紹介したような女性性は表れません。逆説の要素がないと表れないその表情。だからこその魅力です。

先日、私の書いている文章を読んでくださっているというお客様と店頭にてお話しさせていただきましたが、男性が書いていると思われていたようで(非常に嬉しいお言葉でした。ありがとうございます。)、男性性や女性性の垣間見える瞬間について少し考えていました。そんな折の今回のご提案です。(守屋)

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MY STANDARD

KIJI / KACHI / 23,000+tax

デニムといったら真っ先に思い浮かぶのはLevi's。ワークウェアとして完成されたディティールや、経年により唯一無二のオーラを放つ縦落ちの抜群の表情は、図らずも世界中のファンを虜にしています。そんな私も所有しているほとんどのデニムがLevi'sで、一年を通して履き続けておりますが、それ以外のデニムもVintageやusedのデニムばかり。ただこれだけは、Vintageでは探せない逸品でして、久しぶりに満足の一本に出会えました。

その名は「KACHI」。デザインはユーロビンテージのトラウザーをベースとしたオーセンティックなシルエットで、広くとられたわたり幅と尾錠のディティールが目を引きます。デザイナーズブランドのように、いつか飽きてしまうような過剰なデザインはないものの、Levi'sの501のようにとにかくプレーンな1本とはまた違い、程よく個性を主張してくれます。クリーンな白シャツを合わせたコーディネートでも、主役としてしっかり活躍してくれる頼もしい存在。Vintage好きの玄人を納得させてくれるグリーンセルビッチを使用したディティールも一見の価値ありです。

今回、洗濯した私物を初めて撮影してみましたが、私らしい色落ちが進んでいるのを確認でき、より愛着が湧きました。まだまだ育てていきたいMY STANDARDの一品。しっかりと縦落ちの表情が見られるので、それぞれの表情をお楽しみください。つらつらと言葉を並べるよりも、こういったデニムは一度試して、自分自身との相性を測っていただきたく思いますので、是非お試しいただけると嬉しいです。欠品しておりましたラインナップが全て揃い、本日より再入荷しております。(守屋)

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冬の籠

dragon / TRIPLE JUMP SMALL / 34,000+tax

冬の寒い日に暖房のきいたあたたかな部屋でアイスを食べることの楽しさ。夏の暑い日に汗を流しながら辛いものを食べる気持ちよさ。そんな、一見すると時節に反するような行いが、なんとなく心地良さや幸福感をもたらしてくれることがあると思います。洋服の着こなしに関しても同じことが言え、冬のウールやカシミアに合わせて敢えてリネン素材を取り入れたり、寒さの中少しだけ素肌を見せるようなパンツの丈を思案したりする楽しさが、ファッションと向き合う上でより面白さを感じさせてくれる時ではないでしょうか。そんな思いからのご提案として、冬に籠。ですが普通の籠と違うのは、藤やラフィアではない革製であること。

重さのある着こなしに抜け感をもたらしてくれるような、籠バッグの軽快な印象はそのままに、「ニット製品を引っ掛けてしまわないか」という籠バッグへの一抹の不安は解消してくれる柔らかな革の素材。そして何より、使用を繰り返すことで、革製品特有の光沢感が生まれるとともに色の経年変化を楽しめるのも非常に嬉しいものです。

ハンドメイドだからこそ実現する軽さと、たっぷり取られたマチ幅が使い勝手もよく、年中愛用する方が多いのも頷けます。その美しい編模様に魅了され、気持ちまでもがあたたまるアイテムです。(守屋)

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永く愛用するための物差し

Phlannel / Wool Yak V-neck Knit / 36,000+tax

永く愛せるニット製品について考察すると、フィッシャーマンニットやアランニットが真っ先に頭に浮かびます。北風を最大限に防ぎ、寒さに耐えられるよう密に編み立てられたそれは、ヨーロッパの厳しい冬を越える上で必要不可欠なものである反面、日本の冬にはリアリティに欠ける過剰な要素を持ち合わせているように感じます。例えばその迫力のある重量であったり、獣の香りさえ漂う頑丈なウールの繊維であったり。果たして実生活においてその衣服の重さに耐える必要があるか。それを毎年楽しんで着用出来るか。そういった意味で、「丁度良さ」は「永く愛する」ものを選ぶ上での重要な物差しであるような気がします。

日本の冬を越えるに足る丁度良い防寒性、適度に軽い着心地。過度なデザインを削ぎ落とすも普通過ぎない洗練されたルックス。柔らかな着心地でいて毛玉になりにくい丈夫さを持つ素材。その総合的な「丁度良い」バランスの良さが、結果として毎年着たくなるような「永く愛せる」ものとなるのではないでしょうか。そうであるか否かは一度袖を通せば必ず分かります。そして私はこのニットに対してその確証を得ています。(守屋)

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