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生み出されるものと生み出す人

サインが記されていなくとも、「小野象平の作品である」という証が全体で表現されている器。一目見れば作り手がすぐに分かってしまうほど、人間味の滲み出るような器。小野象平という人間を表すために生み出された作品は、本当に「生きている」もののエネルギーで溢れています。

平碗 大 7,000+tax

その人間臭さや強いエネルギーの根源は、しっかりと活かされた「土味」。自ら採取した土と日々対話し、状態を見極めて作り出される作品には、作り手と土との関係性が色濃く反映されています。土の状態に合わせて最適な大きさや形を微妙に調節しているために、完成するその姿は一つとして同じものがなく、それは本来の「土味」や土の「性格」を活かして制作される氏の制作方法だからこそ表現出来る表情です。人間のそれを尊重するときと同じように、土の性格もしっかりと活かしきることが、他を圧倒する作品を生み出す大切な要素となっているのでしょう。

筒鉢  5,500+tax / ぐい呑み 3,500+tax / 片口 6,000+tax

釉薬を振り落とす際に出来る流線や、氏の手の跡など、一般的には毛嫌いされて綺麗に仕上げを施すような箇所もそのまま活かしています。それを全て含めて作品であり、そうすることで作品そのものが、削ぎ落とされることのない小野氏のエネルギーを引き継いでいます。氏の言葉を借りるならば、「たまたま生み出すものが器の形をしていただけ」という事です。(守屋)

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クローゼットに大自然を

Bergfabel / Farmer Dress / 88,000+tax

山や自然に憧れを抱くのは、都会に住む人間ならではの感情で、地方や田舎に住む人々にとってそれは、「いつもそこにあるもの」であり「当たり前の風景」であり、「共存するもの」であります。自然と共に生活をしながらその美しさや貴重さ、有難さに気づくことが出来る人もいれば、気づくことなく離れていく人もいるでしょう。

「Bergfabel」のデザイナーのKlaus Plank(クラウス・プランク)は、生まれ育った自然豊かなチロルの地を一度離れ、そうした時に初めて自分自身の住んでいた自然豊かな土地の美しさに気づいたそうです。そしてその思いを胸に、チロル自然や山々との物語を綴るコレクションを展開しています。チロルに住む人々と紡ぎ出される物語の数々は、ゆったりとした時の流れを感じさせてくれ、都会にいながらも、私たちの目の前にチロルの自然をしっかりと映し出してくれます。手作りのラベンダーのポプリの香りも纏い、優しい大地に包み込まれるような感覚を都会で味わうことのできる贅沢さは唯一無二ではないでしょうか。

私自身も東京という日本の中心都市で生活していますので、自然を求めて山へトレッキングに出かける週末もあり、まさに5月は新緑溢れる山の、絶好のトレッキングシーズンです。ですが、時間がないとき、クローゼットに忍ばせたBergfabelのアイテムをさっと纏って風に吹かれるだけで、遠い自然をすぐにその肌に感じることが出来ます。心強い、もっとも身近な「大自然」です。(守屋)

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偏愛的アイテム紹介

DIMISSIANOS & MILLER / MULE / 51,000+tax

敢えてマイナスポイントを挙げるとするならば、あまりにも存在感のある革の自然な表情でしょうか。リアリティのある豊かな表情は、品の良さや可憐さを演出することは難しく、非常に玄人好みでしょう。そして、その革の表情が美しさに心を奪われ、レザーソールにハーフラバーのメンテナンスを行いたくない、という自己満足的欲求が生まれてしまうこと。実際に、ラバーソールメンテナンスを行わずに楽しんでいましたら、滑って痛い思いをしました。(冷静に実用面を考えますと、ハーフラバーのメンテナンスを推奨いたします。)

3度目の夏を迎える私物のDIMISSIANOS & MILLER。コンフォートシューズでは決してないので、柔らかで軽快な履き心地とはとても言えませんが、しっかりと鞣されたアッパーのレザーは自身の足の甲に沿うように驚くほど伸びやかです。

一見固そうに見えるレザーソールも、着用者の体重と踏み込んだ回数の分見事に落ち込み、かかと部分にはその痕跡が残ります。右の一足が私物です。丁寧に施されたハンドステッチ部分もしっかりとソールに埋もれていき、靴そのものが時を経て更に一体感を増し、アートピースのように完成されていきます。

「足に馴染んでいく」というよりは「自分の足そのものになる」という表現が最も適しているように思えるアイテムです。欠点を加味してもなお、2足、3足と買い足したくなる不思議な魅力を是非ご堪能いただけましたら嬉しく思います。(守屋)

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ひと匙の強さ

KIJI / Apron Skirt / 28,000+tax

普段はあまりスカートやドレスなどの女性らしいアイテムを着用しないのですが、今シーズンはそういったアイテムが豊作で、個人的にもなんとなく気になって目で追いかけています。しかしながらいざ買い物をするとなると、ただ甘いだけのスカートやドレスは不必要さと物足りなさを感じてしまわずにはいられません。そんなわがままに応えてくれる待望のアイテムがKIJIより登場です。

少し意外に感じたことは、今までVintageなどのアーカイブを踏襲した男性的とも取れるような拘りをデザインに反映させてきたKIJIが、ここまで可憐で女性的なアイテムをリリースしたこと。そしてそれがどこまでも可憐で、正に初夏に吹く軽快な風を運んでくれるような爽やかさを持ち合わせていること。

上質なレーヨンシルクの素材チョイスが、美しい光沢とドレープの表情を生み出します。それだけでなく、ラップスカートのデザインを採用することでたっぷりと分量を持たせながらもふくらみが抑えられ、すっきりとしたシルエットに仕上げてくれます。ふんわりと膨らむスカートのシルエットは柔らかな女性像の象徴とも言えますが、普段スカートを着用しない人にとっては少し抵抗があり、柔らかさの中にあとひと匙の強さが欲しいところです。適度なシャープさをもたらしてくれるこのシルエットはそんな要望をも叶えてくれます。

細部まで抜かりないデザインはKIJIというブランドへの我々の期待を裏切ることなく、それどころか更なる発見をもたらしてくれます。そんな晴れやかな気持ちを胸に、夏の太陽と爽やかな風を追いかけて、旅へと連れ出したくなる一枚です。(守屋)

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価値の構成要素

m's braque / Raglan Sleeve Aloha Shirt / 27,000+tax

作り手という「人」の介在によって生まれる価値について前回のご紹介の際に触れましたが、洋服の場合のそれはデザインに「その人らしさ」というのが色濃く反映されるでしょう。同じような「白いクルーネックのカットソー」を作っても、デザイナーが違えばもちろん出来上がるものも千差万別です。そして、デザイナーの「その人らしさ」というものが本当に強く表現されているブランドの一つがm's braque。

「その人らしさ」が色濃く反映される所以の一つは、ヨーロッパ各地を巡って発掘されるVintageの素材を豊富に使用してコレクションを作り上げていること。どこにでもある素材や、代わり映えのない素材ではない「m's braque」らしさが一切の躊躇なく溢れ出てくるVintageの生地のチョイスには、毎シーズン本当に驚かされますし、心からわくわくさせられます。

そしてもう一つは、表層的なデザインのみならず生地の弛みやドレープ、身体を通した際に描かれる曲線などまで計算し尽くされたデザインであること。洋服の概念を覆すような豊かな発想によるデザインでありながら、決して派手さや不要な加飾ではなく、どこまでも美しさや着心地の良さを探究した当然の結果であるように自然に収まりが良いのです。今回のハワイアンシャツにおいてはその後ろ姿。程よく抜ける襟元や深いタックの魅せる立体的な表情は必見です。このように考察してみると、洋服の価値というものは、それ自体という総体ではなく、それを構成する細かいものごとによって作り上げられていると言えるかもしれません。(守屋)

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見えない価値

角田 淳 / 碗 小 / 3,500+tax

一語一句覚えているわけではないのですが、ある好きなエッセイストの本の中に「その土地やそこにあるものと、本当の意味で分かりあうためには、人の介在をなしにはあり得ない。」といったようなことが語られた一文があります。つまり、その土地で実際に出会う人と分かりあったり、そこにあるものの作り手やそれに関わる人と分かり合い語り合うことなしに、自分自身が完全にそこに打ち解けられるわけではないということ。言わんとすることの真意にも心打たれるのですが、私はこの一文に出てくるように「人」の介在というものは本当に大切なことだと日々感じています。

花皿 豆 / 2,000+tax 花皿 小 / 2,500+tax 花皿 中 / 3,300+tax

人が作り上げる作品、特に人の手を用いて作り上げられる「器」は本当にその作り手の人となりを表すものです。実際に個展の初日に角田さんに初めてお会いし、制作のお話を伺った際には、角田さんという人を通して器を見ることが出来、作品の奥のほうにある魅力が今までよりずっと心に響くような、そんな感覚を覚えました。

すみ切り長方 小 / 3,300+tax すみ切り長方 中 / 5,500+tax すみ切り長方 大 / 7,500+tax

作り手と実際に会ったりお話ししたりする機会があるという環境には本当に感謝しておりますが、そういうことが不可能な場合にも、そのものを通して、その先にいる「作り手」のことを考えてみてください。器に限らず、洋服もそれぞれ作り手がいますし、どんなものにも必ず「人」が介在しています。その「人」たちを意識することで、普段よりは少し、自分とその作品やものの間に理解の深まりが感じられると思います。人の介在するものの価値は、そのものだけでない、それ以上の見えない価値があるのです。(守屋)

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ないものねだり

OUTIL / TRICOT GROIX / 14,000+tax

永年定番アイテムの一つであるブレトンシャツ。これまで飽くことなく多くのシャツを着用してきましたが、そのどれもがなんとなくストレスのある硬い着心地であったり、今の気分から逸脱してしまった着丈や袖丈のバランスであったりというものでした。そこにあるから、多少の不自由こそあれ、好きだから着ていたもの。セントジェームスからオーシバル、そしてルミノアも然り。そんな中、心奪われたのは、OUTILのみが製造を許可されたLe Minor社製のブレトンシャツ。

オリジナルのものでは実現しなかった今の気分を乗せたような、ゆったりとした身幅や襟元の空き具合。現代社会で生活するのにベストな袖丈。古いセントジェームスやルミノアの硬さほどではありませんが、粗野な表情は残しつつ、さらりと着用し易いコットンの素材も魅力です。更に追い討ちをかけるように密やかに配されるのは、Le Minor社のオールドタグ。ちょっとした稀少性が気分を高揚させてくれます。

不自由こそあれ、好きなもの。それも素敵ですが、「無い物ねだりを実現してくれた」逸品に出会えた時の喜びは、それに勝る喜びと愛着があります。いつの時代にもあるからこそ、せっかくなら、その時の気分を少し乗せて楽しむのもファッションの醍醐味ですので、着こなしにも今の気分を乗せて、Levi'sのデニムやフレンチワークパンツだけではない、「自分らしい今」のファッションを楽しんでください。(守屋)

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ワインの色と味わい

CECCHI DE ROSSI / Little Infinity / 64,000+tax

唯一無二の個性を放つものは、どうしてもその個性が際立ちすぎて他を寄せ付けない頑固さがあり、身につけてみても自分のスタイルに馴染ませることが出来ない。でも、そのものの持つ独自性を好んでいるから、どうにか自分のものとしてスタイルに落とし込みたいという譲歩の心持ちで接し、どうにか身に付けている。というのは、魅力ある曲者アイテムの宿命的存在意義です。

CECCHI DE ROSSIのバッグも、そういった曲者の類かと思っておりました。しかし実際に触れてみて、鏡の前で合わせてみると、いつもそこにあったような落ち着きとおさまりの良さがあり、どんなスタイルでも受け入れてくれるような懐の深さがあります。その要因の一つは染色方法。ワイナリーを営む一族が始めたレザーブランドですので、基本的には赤・白・ロゼのぶどうを用いた染色を行なっています。表現し難いムラのある表情は他にはない個性を放ちつつも、無理をさせるような顔料や染料を用いないからこそ革自身がその色を受け入れ、吸収し、心地よく色を表現してくれているように感じます。だからこそ、一見すると個性の強い表情にもかかわらず、馴染みの良さと安心感を感じさせてくれるのです。

個人的な話ですが、ここ1年ほどでナチュールワインの虜になり比較的よく楽しむようになりました。すっと身体に沁み渡るような飲み口を、このアイテムから連想してしまいました。そして、ワインの熟成のように、時が経った際に見せる新たな表情はどんなものかと、とても期待してしまいます。(守屋)

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空気を纏ったかのように

COMOLI / COMOLI Shirt / 22,000+tax

ずっと変わることのない名品や定番のアイテムは洋服のみならずどんな分野にも存在するとは思いますが、そういったアイテムに対し、安易に「完璧」、「完成されている」といった言葉を用いるのは憚られる思いがします。そんな気持ちを持ってしても、COMOLIの名作シャツを前にした際、「完璧」であるとは思わざるを得ませんでした。

初めてコモリシャツを目にする人の中には、「今トレンドのゆったりとしたリラックスシルエットのシャツ」と思う方もいらっしゃるでしょうし、実際に自分自身もそう思ったときもありました。ですが、実際に袖を通してみると、空気を纏ったかのようなストレスのない着用感にまず感動を覚えます。湿度の高い夏、落ち葉を鳴らす乾いた風の吹く秋、雪さえ降る厳しい寒さの冬、そして暖かな春。四季のある日本の風土では一年を通して心地良く着用出来る洋服を求めるのは困難を極めますが、このシャツはそのハードルを完璧にクリアしています。

そして決まり過ぎない適度に肩の力の抜けたデザインに反し、細かな運針で縫製された美しい仕立ては、大人の品の良さを忘れることなく残してくれます。しっかりとアイロンをあてて、裾はボトムスにタックイン。ベルト、革靴をしっかりと合わせて出かけるにも恥ずかしくありません。そして洗いざらしの自然な風合いのままラフに羽織って休日を謳歌するのにも最適。そんな完璧な1枚ってあるでしょうか。来週にはニューメキシコの乾いた空気を届けてくれる新作も入荷の予定です。まずはベーシックカラーを、そして今の気分も乗せたシーズンカラーを、是非ご覧いただけたらと思います。(守屋)

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ある映画から

KIJI / Linen Red Cross Knit / 25,000+tax

先週のご紹介の際にウォンカーウァイ監督の作品について触れましたが、ウォンカーウァイ監督初の英語作品である「MY BLUEBERRY NIGHTS」は、おそらく氏の作品の中でも最も日本で人気のある作品の一つではないでしょか。ニューヨークの雑踏やネオン、そして登場人物の心情の描写の端々にどこかアジアの街や空気を連想させるような、監督らしい湿度のある映像がとても印象的です。同じくニューヨークを舞台とする作品を数多く手がけているウディアレンのそれとは全く異なる風景をみせてくれます。

ウディアレンの監督作品ではニューヨークが舞台となる傷心の主人公とその人間関係をコミカルに描いた作品が多くありますが、そこに描かれるニューヨークは前者と異なりとてもドライで軽快。長い台詞が連続するテンポの良さや、さっぱりとした人間模様がその所以でしょうか。また、氏の作品の特に70年代後半から80年代頃の作品は、登場人物のスタイリッシュなルックスが注目を集め、今でもファッションアイコンとして様々な場面で取り上げられるほど、圧倒的な影響力を持っています。そんな当時のウディアレンやダイアンキートンのように、マニッシュに程よく肩の力を抜いたスタイリングを楽しんでほしいのがKIJIのリネンニット。

ニットが入荷した当初、インナーカットソーの上からざっくりと大きめに被り、柔らかなコットンツイルやシルクのパンツを合わせてルーズに着こなしたい気分でした。ですが改めて「マンハッタン」や「アニーホール」に登場するダイアンキートンやウディアレンの着こなしを振り返ると、シャツを合わせたり、ジャケットを合わせたり、しっかりとした生地のチノトラウザーをオーバーサイズで合わせたり、そういったナードでトラッドな要素を盛り込んだ着こなしも新鮮で面白いなと。トレンドを追うのも勿論楽しいですが、少し気分が変わりました。ふとした時に、映画だけでなく古い雑誌を繰ってみたりすると、新しい発見があるかもしれません。(守屋)

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春の訪れのような

Seya. / Summer Blazer / 88,000+tax

コレクション#01では乾いたようなグレイブルーや移ろうピンクベージュから、サンドベージュのグラデーションなどニュアンスのあるカラーパレットで、旅した土地の視覚的情景のみならず空気と香りまでをも表現したSeya.。#02ではそういった柔らかな空気から一転し、映画「Happy Together(邦題 : ブエノスアイレス)」の湿度のある空気や暗さを持った映像の色彩が落とし込まれています。曖昧なカラーのコレクションにしっかりと輪郭を持たせてくれるNavyやBlackの色使いがとても印象的です。

そんな中だからこそ、Seya.らしい「曖昧さ」を持った色使いや素材使いが何とも心に引っかかりました。個人的な好みもありますが、そういった言葉に表現できないようなニュアンスを表すものは、圧倒的な存在感がなくとも、奥深くから訴えかけられるような主張が感じられます。そしてその絶妙な「曖昧さ」が、訪れたことのない土地の空気や香りを想像する楽しさや、その土地を疑似体験出来る特別感をもたらしてくれるのです。

Seya. / Shirt With Storm Flaps / 55,000+tax

Seya.  / Summer Pants / 59,000+tax

今回はデザイナーの旅した土地と合わせて映画も重要なコレクションの要になっていますので、このアイテムはどの登場人物が着ていそうだとか、どんなシーンの色が表れているかとか、どんな心情の表れがあるだろうとか、そんな視点で見てみるのも楽しいのではないでしょうか。「曖昧さ」は、視点を変えれば、受け手にその解釈をある程度委ねてくれているとも言えるのですから、それが正解だとか間違いだとかはなく、純粋な自分の物差しだけでぜひ楽しんでください。(守屋)

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都会的Formal Wear

AURALEE / Wool Silk Herringbone Double Breasted Jacket / 54,000+tax

 ある程度年齢を重ね、多くの場所を経験し、多くの衣服を経験した方にはそれほど難解でないとは思いますが、「普段着としてのformal」というのは本当に難しいなと思います。必要に駆られていざ「普段も使えるようなちゃんとした服」を探してみると、かっちりしすぎて面白味に欠け、普段着としては活用できないスーツやドレスか、はたまたこれは大人として正しいのかと、頭を抱えてしまうようなカジュアルすぎるセットアップなど、両極端な選択肢で巷は溢れており、結局理想の一着には巡り会えなかった。という経験をした方も多いのではないでしょうか。

オーセンティックなヘリンボーンのウールシルクのスーツ地ながら、ありそうでない味わい深い色の表情が非常に洗練された印象を与えてくれるAURALEEの一着。イタリアスーツのような美しいドレープのある軽やかな風合いや肩の仕立て、それでいてイギリスらしいしっかりと真面目な表情もあります。

派手な意匠がない故に極上素材の良さが際立ちしっかりと上質な大人の雰囲気を演出してくれるので、フォーマルウェアとして十分に頼もしい存在です。そして普段はセットアップはもちろん、AURALEEのワイドチノトラウザー、Levi'sの501、シルクのワンピース、コットンのプリーツスカート。どんなアイテムを合わせて着ようかと、想像を膨らませながら楽しみたい「都会的Formal Wear」です。(守屋)

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Vintageは両義的

Vintage / Herringbone Fireman Trousers

Vintageの魅力の一つは、その一期一会の刹那性です。これを逃すともしかしたらもう一生出会えないかもしれないという、何とも所有欲・購買欲を掻き立てられるワードに幾度となく遭遇し、自制心を闘わせ、そして惨敗してきたことでしょうか。そんな方も多いと思います。 では何故、「もうこんなものに一生出会えないかもしれない」と思うのでしょうか。希少であればあるほどその思いは強いかといえば実はそうではなくて、あまりに希少すぎるものはかえって自分では所有してはいけないような気分にさせられます。誰か、もっとVintageを愛してやまない誰かか、熱烈なコレクターの元へ届くべきだと思ってしまいます。

Vintage / 50's Blue Cotton Jacket / 18,000+tax

Vintage / 50's French Hospital Military Coat / 18,000+tax

「こんな素敵なものに出会えてよかった」と思えるポイントはいくつかありますがその最大のポイントは、目の前にあるそのものの持つ、ちょっとした色褪せ、ほころび、傷、前の所有者が書いたかもしれないサイン、そんな所にあると私は思います。私ではない誰かから見るとそれは単なる汚れで、そんな一着は「綺麗ではない普通の古着」になるのですが、そこに魅力を見出してしまったらそれが「私にとって特別な一着」になるのです。

Vintage / Blue Patchwork Jacket / 33,000+tax

Vintage / 40's French Army Motorcycle Overpants / 16,000+tax

「汚れ」「傷」「破損」そんな様々なポイントが何物にも代え難い魅力になる。そういった意味でVintageは両義的なものであり、それがたくさんの人を虜にしているのでしょう。そんなことを考えながら、宝探しをするような気持ちで古着を見ると本当に幸せな気持ちになれます。そしてそんな気持ちで少し眺めていただきたいなと思っています。(Pari Vintage Market Vol.3)(守屋)

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自分と外の間に在るもの

Scye / Line Tuck Blouse / 36,000+tax

古くは貴族階級が着用していたシャツもあれば、労働者のためのシャツがあり、夏用の軽やかなアロハシャツがあれば、防寒のためのウールのCPOシャツがあります。そして、スラックスに合わせたいビスポークの美しいブロードシャツから、デニムに合わせたい粗野なコットンのB.Dシャツ、はたまたスカートに合わせたいリボンのあしらわれたシャツブラウス。

 CASEY CASEY / CHEMISIE BIG SANSPOCHE / 48,000+tax

一言に「シャツ」と定義してもその姿は言葉通り無限大で、素材・生地・デザイン・価値までもが本当に幅広く存在しています。そして私にとってシャツは、洋服の中で最も魅力的だと思うアイテムです。

見た目の多様さはシャツの魅力の一つですが、身に纏った際にしっかりとその素材を肌で感じることが出来るというのもポイントです。季節や気候との相性を測るように素材や質感を選びながらも、その素材はしっかりと自分の肌にも直接触れます。いわば「自分の外」と「自分」とを繋ぐようなその役割は、ジャケットのように外に近くもなく、カットソーのように肌に近くもない。その「自分の外」と「自分」との間の距離感がとても好きです。

Phlannel / Anonymous Shirt / 18,000+tax

何年も着用し、洗濯を繰り返し、くったりと柔らかさを増した生地の愛らしい姿もまた魅力で、そうなった時には更に自分の肌にすんなりと馴染んでくれます。そして「自分の外」と「自分」との間にごくごく自然に存在してくれるものとなります。

そんなことを考えていた折に、Paris買い付けのVintageがお店に到着し、その中から綺麗にリペアの施されたシャツを数枚見つけました。大切に着続けられた証拠としての丁寧なリペアの跡を見ると、自分もしっかりと、所有するシャツ一枚一枚に愛情を持って接したいなと、背筋が伸びる思いでした。(守屋)

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自分の色で染める

OUTIL / MANNTEAU UZES / 44,000+tax

OUTILのアイテムを好む人、OUTILの服が似合う人は、自己流のファッションの楽しみ方を心得ていて、あらゆるアイテムを自分色に染め上げて着こなすいわば「ファッション玄人」だと思います。一見するとシンプルなデザインやテキスタイル、ナチュラルな色使い。しかし一度袖を通してみるとその服の奥深くにある個性が顔を出します。そしてそれに身動ぐことなく、気負うことなく、自分らしく着こなさないと、服のパワーに負けてしまう。OUTILとは私にとってそんなブランドです。

ナチュラルインディゴと備長炭の美しい染めのコートはまさに、見るに美しく、着るに難しといった印象を与えます。しかし、だからこそ、その味わい深い染め上げの雰囲気の良さを借りて、自分の色に奥行きを持たせ、着こなしを楽しんでみたいと思うのではないでしょうか。簡単な服はもちろん使い勝手が良いですが、そうではない服の面白さやそれを着た満足感には代えられません。

そしてオリジナルのボタンの淵には、デザイナーの好きなフランス語の一文が細かく刻印されています。細部にまで気を抜くことを許さない完成度の高さも、「ファッション玄人」を唸らせるポイントです。そんな氏の思いの込められた言葉を解読し、理解した頃には、きっとこのコートも自分色に染めることが出来ているのではないかと思います。(守屋)

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行けるところまで

世の中に生み出される物には大きく分けて二種の存在意義があります。一つはそれらを享受する立場にある人(=消費者)を主体として考え生み出された、「ニーズに即した物」として。そしてもう一方は「行けるところまで行こう」という作り手の探究心や挑戦的な思いだけにフォーカスして作られた、いわば「ニーズを優先せずとも究極を求められた物」として。上記二種は完全な個人的見解です。そして私は後者を圧倒的に好みます。この後者の代表的なアイテムが入荷してまいりました。

Le Yucca's / Ghillie Shoes / 118,000+tax

ニーズを優先しないという言い方にはやや語弊がありますが、ここまで職人の熟練した技術が披露される物はごく少数派の人が求めるクオリティであるように感じます。それほどに、見れば見るほど惚れ惚れとするディティールです。ベジタブルタンニングの革の表情、美しいコバのシルエット、絶妙に計算されたヒールの高さやソールの飾りなど、本当にどこまでも抜かりのない一足。妥協などあり得ず、納得のいく物を求める作り手の思いを最優先させて作り出せれた物のもつ唯一無二の存在感にはため息が出ます。

そういった物を所有した際の満足感はその作り手の込めた「行けるところまで行こう」の思いと比例します。だからこそ、それを求める数少ない人々は減ることなく、それどころかその物を求める新たなニーズさえも生み出します。熱意のある物は必ず人の心を掴むものなのです。(守屋)

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プロダクトデザインであるということ

Phlannel / Anonymous Shirt / 18,000+tax

今18SSシーズンより新たに「Phlannel Basic Line」がスタート。全国に展開を広めているPhlannelのデザイナーに、普遍的なアイテムを追求した「Basic Line」に込めた思いについてインタビューさせていただきました。

日常に寄り添う

Phlannel Basic Lineをスタートさせるに至った思いとは?
-Phlannelはもともとオーセンティックなものやユーロヴィンテージをベースとして、流行に左右されず長く着ていただける「日常に寄り添う服」を提案しています。私自身様々な洋服を着てきましたが、ずっと手元に残る服は実はごく僅かで。Phlannelはそんな一枚に仲間入りできる服であってほしいと常に思っています。Basic Lineをスタートしたのは、そんなPhlannelの良さを知っていただく間口を広げたかったから。そう思っていた矢先にレギュラーカラーシャツやチノパンの製作依頼もあったのでPhlannelで定番化してるスビンのジャージシリーズなどを加えて構成を決めました。すごく検討したのは、ずっとリピートできるアイテムであるということ。Phlannelに行けば必ずあるという安心感のあるものを作りたい。そういった思いです。

Phlannel Collection Lineと最も異なる点は?
-Collection Lineでは普遍的なものであると同時にスタイルも意識したものづくりをしています。モノが好きだけれど、ファッションも楽しみたい。そんな方へ、今の気分も感じながら、Phlannelらしいスタイルを提案しています。Basic Lineはどちらかというとプロダクトデザインに近いものというか、着る人を選ばず、その人らしく、サイズなども選んで着ていただきたいものです。

Basic Lineの中でおすすめのアイテムは?
-レギュラーカラーシャツは、ドレスシャツとカジュアルシャツの間というコンセプトを定め、パターンを含めてカジュアルな素材を美しい仕立てで品良く仕上げることにこだわった一枚です。

Phlannel / Light Suvin Cotton Long Sleeve T-shirt / 12,000+tax

比類なきジャージへの愛

以前に、ジャージ素材の企画が一番好きとおっしゃっていたので今回もおすすめはカットソーかと思いました。
-特にライトスビンシリーズは本当におすすめです。上品な光沢がありながら、洗濯してもヘタレない。私がPhlannelのスビン天竺で作ったTシャツに出会った時、何度洗濯しても型崩れしない丈夫さに感動しました。ジャージは、上質な素材=丈夫・長持ちという訳ではないので、上質ながら型崩れしにくいというものにはなかなか出会えません。

ジャージを愛してやまない理由は?
-ジャージの好きなところは、とにかく機能的だなあと常々感じさせてくれるところ。

自身の愛用しているBasic Itemは?
-Tシャツです。一年中、ずっと必要な定番アイテムで、素材やサイズ感、ネックの開きなどバランスを変えるだけでいろんな表情が作れて着るのも作るのも面白く奥が深い。ジャージやニット(横編みのもの)が常に好きということですね。

Phlannel / FA-188 / 18,000+tax

Basic Lineについて今後の展望があれば聞かせてください。
-Basic Lineはまだまだ発展途上なので、ラインナップを増やすというよりは、「最高のチノパン」「最高のシャツ」と自他共に認められるようなものを追求していきたいと思っています。研究や実験みたいな感じです。欲を言えばジャージのラインナップ、それこそ普遍的なアンダーウェアみたいな日常になくてはならないものを少しずつ増やしたいです。

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POSTALCOの魅力とは

POSTALCO / KETTLE ZIPPER WALLET SMALL / 36,000+tax

POSTALCOのオフィスに伺わせていただいた経験は、バイヤーの買い付けや商談に同行するようになった1年間の中でも一番印象的だったことのひとつです。揺るがぬものづくりへの拘りの姿勢を目の前に、焦燥感を抱いたのは初めての経験でした。

POSTALCOは一つのプロダクトを製作するために、紙で何度もプロトタイプを作成し、検証し、使い勝手や耐久性を納得のいくまで追求しています。その気の遠くなりそうな作業のストーリーを、デザイナーのマイクさんは本当にわくわくした表情で話してくださり、その誰にも持ち得ない卓越した探究心がPOSTALCOの原点なんだと感じさせられました。そしてとても印象に残っているのが「日本的」視点と「アメリカ的」視点の両者を第三者の目でしっかりと捉えていたこと。

・日本人として日本で生活をしていると「常識」として捉えられずにはいられないことに対して、「常識」と思わないこと。
・自分の感情を素直に感じ取れる感性を常にアップデートしていること。
それをいとも簡単にやってのける人の姿を目の当たりにし、日々を見つめる自分の視点や日常への向き合い方をなんだか問われたように思ったその一瞬が、忘れられません。私にとってPOSTALCOの魅力は、完璧なプロダクト「そのもの」ではなく、その裏に隠された「視点」です。(守屋)

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男性性と女性性について

Phlannel / Wool Linen German Sailor Jacket / 33,000+tax

凛々しさの中に僅かに漂う儚さや可憐さは、メンズウェアを女性が着用した際に逆説的に表れる「女性らしさ」。ただ単純な女性らしさではなく、そんな奥ゆかしく凛とした「女性らしさ」に憧れを抱く方は多いと思います。私もその一人で、そんなオーラを纏いたいという希望の思いと、到底たどり着けないという確認の思いを持ちながら、メンズウェアをよく着用しています。

Phlannelの服は男性性と女性性を巧みなバランス感覚で表現しているものが多く、上記の思いを実現させてくれるのに一役買ってくれる洋服の一つです。こちらのSailor Jacketも、メンズウェアとしてのご提案ではありますが、是非女性に袖を通していただきたい一品。落ち感のあるウールリネンの素材の持つナチュラルな表情と、程よく開いたネックラインは抜け感のある女性らしさを作り出し、それでいて元々は男性服ですので、凛とした強さもしっかりと併せ持っています。念のための追記になりますが、男性が着用するとご紹介したような女性性は表れません。逆説の要素がないと表れないその表情。だからこその魅力です。

先日、私の書いている文章を読んでくださっているというお客様と店頭にてお話しさせていただきましたが、男性が書いていると思われていたようで(非常に嬉しいお言葉でした。ありがとうございます。)、男性性や女性性の垣間見える瞬間について少し考えていました。そんな折の今回のご提案です。(守屋)

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MY STANDARD

KIJI / KACHI / 23,000+tax

デニムといったら真っ先に思い浮かぶのはLevi's。ワークウェアとして完成されたディティールや、経年により唯一無二のオーラを放つ縦落ちの抜群の表情は、図らずも世界中のファンを虜にしています。そんな私も所有しているほとんどのデニムがLevi'sで、一年を通して履き続けておりますが、それ以外のデニムもVintageやusedのデニムばかり。ただこれだけは、Vintageでは探せない逸品でして、久しぶりに満足の一本に出会えました。

その名は「KACHI」。デザインはユーロビンテージのトラウザーをベースとしたオーセンティックなシルエットで、広くとられたわたり幅と尾錠のディティールが目を引きます。デザイナーズブランドのように、いつか飽きてしまうような過剰なデザインはないものの、Levi'sの501のようにとにかくプレーンな1本とはまた違い、程よく個性を主張してくれます。クリーンな白シャツを合わせたコーディネートでも、主役としてしっかり活躍してくれる頼もしい存在。Vintage好きの玄人を納得させてくれるグリーンセルビッチを使用したディティールも一見の価値ありです。

今回、洗濯した私物を初めて撮影してみましたが、私らしい色落ちが進んでいるのを確認でき、より愛着が湧きました。まだまだ育てていきたいMY STANDARDの一品。しっかりと縦落ちの表情が見られるので、それぞれの表情をお楽しみください。つらつらと言葉を並べるよりも、こういったデニムは一度試して、自分自身との相性を測っていただきたく思いますので、是非お試しいただけると嬉しいです。欠品しておりましたラインナップが全て揃い、本日より再入荷しております。(守屋)

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冬の籠

dragon / TRIPLE JUMP SMALL / 34,000+tax

冬の寒い日に暖房のきいたあたたかな部屋でアイスを食べることの楽しさ。夏の暑い日に汗を流しながら辛いものを食べる気持ちよさ。そんな、一見すると時節に反するような行いが、なんとなく心地良さや幸福感をもたらしてくれることがあると思います。洋服の着こなしに関しても同じことが言え、冬のウールやカシミアに合わせて敢えてリネン素材を取り入れたり、寒さの中少しだけ素肌を見せるようなパンツの丈を思案したりする楽しさが、ファッションと向き合う上でより面白さを感じさせてくれる時ではないでしょうか。そんな思いからのご提案として、冬に籠。ですが普通の籠と違うのは、藤やラフィアではない革製であること。

重さのある着こなしに抜け感をもたらしてくれるような、籠バッグの軽快な印象はそのままに、「ニット製品を引っ掛けてしまわないか」という籠バッグへの一抹の不安は解消してくれる柔らかな革の素材。そして何より、使用を繰り返すことで、革製品特有の光沢感が生まれるとともに色の経年変化を楽しめるのも非常に嬉しいものです。

ハンドメイドだからこそ実現する軽さと、たっぷり取られたマチ幅が使い勝手もよく、年中愛用する方が多いのも頷けます。その美しい編模様に魅了され、気持ちまでもがあたたまるアイテムです。(守屋)

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永く愛用するための物差し

Phlannel / Wool Yak V-neck Knit / 36,000+tax

永く愛せるニット製品について考察すると、フィッシャーマンニットやアランニットが真っ先に頭に浮かびます。北風を最大限に防ぎ、寒さに耐えられるよう密に編み立てられたそれは、ヨーロッパの厳しい冬を越える上で必要不可欠なものである反面、日本の冬にはリアリティに欠ける過剰な要素を持ち合わせているように感じます。例えばその迫力のある重量であったり、獣の香りさえ漂う頑丈なウールの繊維であったり。果たして実生活においてその衣服の重さに耐える必要があるか。それを毎年楽しんで着用出来るか。そういった意味で、「丁度良さ」は「永く愛する」ものを選ぶ上での重要な物差しであるような気がします。

日本の冬を越えるに足る丁度良い防寒性、適度に軽い着心地。過度なデザインを削ぎ落とすも普通過ぎない洗練されたルックス。柔らかな着心地でいて毛玉になりにくい丈夫さを持つ素材。その総合的な「丁度良い」バランスの良さが、結果として毎年着たくなるような「永く愛せる」ものとなるのではないでしょうか。そうであるか否かは一度袖を通せば必ず分かります。そして私はこのニットに対してその確証を得ています。(守屋)

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【GIFT COLLECTION】Vol.3 アイコンとなるジュエリー

あなたにとっての「あなた」はもしかしたら最愛のパートナーかもしれませんし、自分自身かもしれません。Gift Collection Vol.3では、そんな「あなた」へ向けたギフトをご紹介させていただきます。テーマは「アイコンとなるジュエリー」。

Sun  34,000+tax / Rhythm 24,000+tax / Angel 140,000+tax / Hunter 222,000+tax

毎日身に付けるジュエリーは、その人の生活を表すように変化をし、その人自身を表すアイコンへと昇華していきます。そして今回ご紹介するAVMのジュエリーは、一目見て今回のテーマの通りの存在だと確信しました。

AVM / Bishop / 54,000+tax

というのも、AVMの展示会でデザイナーの古川氏が身に付けていた蝦夷鹿の角を用いたリングを見て、氏の存在の一部となったジュエリーの存在感に圧倒され、生活の全てやその人自身をここまで表現してくれるジュエリーがあるということに驚きを隠せませんでした。「釣りへ行っても平気で水に濡らすし、いつでも付けたままです」と教えてくださった古川氏の指にはめられた蝦夷鹿のリングは、真新しい白い表情とは全く異なる味わい深い淡黄色になり、美しい艶が生まれていました。

蝦夷鹿の角そのものが経年により変化を帯びていく素材ではありますが、太陽を浴びながら、または雨に打たれながら、どんなところへ行き、どんなものに触れたか。その経験は全てリングに染み込んで行きその表情を表していきます。手を洗うたびに肌から離し、丁寧に慈しんで時を経たひとつは、表情の変化の速度はゆったりとしたものになるかもしれません。反対により多くの経験を共にしたひとつは、あっという間に他と一線を画す個性を放っているかもしれません。それは、実際に「あなた」が共にしてみないと分からないものです。そんなジュエリーに私はロマンを感じずにはいられません。(守屋)

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【GIFT COLLECTION】Vol.2 一番身近な人へ

毎日使う生活の道具、最高の着心地と長く愛用できる普遍的なデザインの服、共に過ごすあたたかな時間。そんなギフトを一番身近な家族へ。GIFT COLLECTION Vol.2ではそんな思いを込めて商品をセレクトしてみました。

KIJI / Crew Sweat Shirt / 16,000+tax

BLOOM&BRANCHをご愛顧頂いているお客様には既知のブランドかと存じますが、17SSシーズンより「KIJI」という新たなレーベルが当店より立ち上がりました。オーセンティックなアイテムをベースに現代らしい遊び心やギミックを加えたKIJIのアイテムは、正に「日常にちょっとした楽しみを与えてくれる」、そんな服です。そして、着こなすその人の個性を最大限に活かしてくれることもKIJIの魅力。例えば小柄な体型の人が敢えて大きいサイズをチョイスしてたっぷりと着用したり、逆に男性がレディースサイズのパンツをびしっとジャストレングスで合わせたり、性別やサイズを問わない服の自由度という提案にKIJIの服を楽しむ醍醐味があるように思います。

ユニセックス展開ですが、女性らしさや男性らしさを良い意味で追求していないモノ寄りのデザインと、大きく着ても小さく着てもすんなりと落ち着く細部まで拘り抜かれたパターンやサイズバランスがそれを可能にする所以です。
「お母さんは綺麗な着こなしが好きだからジャストサイズのこのパンツにしよう。」
「妻は背が小さいからこのニットをたっぷりと着て欲しい。自分も兼用で着てしまおうかな。」
「息子は服に疎いけど、シンプルな服だからきっと着てくれるはず。」
思いを込めて選んだ服は、きっと贈る相手にも特別な思いを感じて頂けるはずです。

個人的に購入したKACHIのデニムも、少しゆったりとしたサイジングながら、小柄な私の体型でも着こなしやすいのですっかりマイスタンダードの一本になっています。こっそりと洋服に隠れた雉を見つけて、つい微笑む姿も想像出来るでしょう。
(守屋)

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【GIFT COLLECTION】Vol.1 自分自身を讃える

Vol.1「自分自身を讃える」
お世話になった方や大切な方への心添えとして何かを贈ることが多い師走。是非、1年間丁寧に日々に向き合った自分自身へも、贈り物を。
Vol.2「一番身近な人へ」
家族への感謝の気持ちは、近いからこそ表しづらいものです。日々の生活を豊かにしてくれるような上質なベーシックアイテムで労いの気持ち表現してみてはいかがでしょうか。
Vol.3「その人のアイコンとなるジュエリー」
お守りのように毎日身に付けるジュエリー。身に付けた人の日々の過ごし方により経年の変化は様々な表情を見せ、正にその人の人生を表すものとなります。そんなジュエリーを大切な方へ。

以上の3ステージにわたりBLOOM&BRANCHらしい永く愛せる逸品を誰かへの贈り物としてご紹介させていただきます。第一弾は、自分自身へ。所有すること、身につけることで日々丁寧に過ごせるようなアイテムは、これからの自分自身への贈り物として最適なように思います。そんな思いを込めておすすめしたいのはformeのシューズや革小物。以下は昨年の「forme -made to order-」開催時に自分だけのシューズを購入したスタッフの香村さんに聞いた、formeのシューズにまつわること。


forme / Bowling shoes / 54,000+tax〜

Q:所有している革靴はどんなものがありますか?
A:Paraboot、Church'sのGRAFTON、J.M WESTONのローファーとブーツ、そしてformeです。

Q:そんな中でのformeの特徴とは。
A:まずユーロビンテージのような素朴な雰囲気、独特の皺の入り方。美しく履くというよりは経年変化していく革の味わい深さを楽しむような、育てていくシューズという点。そして履き始めからすごく馴染みが良いので靴擦れもない。もう一つはウエストがくびれた特徴的なラストのためホールド感があり、捨て寸をたっぷりととってもすごく足にフィットし安定感があります。

Q:お手入れ方法のコツはありますか?
A:他のシューズと変わらず普通の手入れで、仕上げはワックスを全体に軽くのせる程度にしています。ピカピカにし過ぎないで素朴さを残すように。あとは、先ほど挙げたようにしっかりと入る皺が特徴なので、その部分が乾燥して割れてしまわないようまめに手入れをして綺麗に保つことは意識しています。

Q:どんなスタイリングがおすすめですか?
A:軍物のパンツとの相性が抜群です。たまにスラックスと合わせたりもしますが、僕はフレンチやワークテイストなどformeの世界観に合わせたスタイリングでまとめています。

Q:自分自身への贈り物、今年は何を買いたいですか?
A:THE INOUE BROTHERSの別注ストール。誰かにプレゼントするならBLOOM&BRANCH別注の新作のformeのウォレットがおすすめです。

本日より24金メッキの金具を使用した別注の革小物もリリースしております。素材の持つ力強い個性が際立つシンプルなデザインは男女を問わずにご使用いただけます。永く愛せるformeのアイテムを是非ご覧いただけましたら嬉しく思います。(守屋)

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季節の感じ方とファッションの楽しみ方

Khadi&Co / Stole / 16,000+tax
Phlannel / Knit / 29,000+tax
Needles / Baggy Pant / 29,000+tax

先日当店バイヤーの出張に同行し、山梨まで足を運びました。素敵な洋服との出会いはさることながら、澄み渡る空気と、間近に見る富士山の雪化粧。夕日とのコントラスト。東京での生活ではなかなか感じることが出来なかった冬の訪れをしっかりと五感で体感し、改めて四季の移ろい・日本的美意識を再考してみるきっかけとなりました。
日本に住む私たちには、春の陽だまり、夏の蝉の声、秋の紅葉、冬の木枯らしなど四季を愛でながらその季節にあった洋服を手に取り、めぐる季節をファッションとともに楽しむことが出来る特権があります。「衣替え」も世界的に見れば非常に珍しい習わしと言えるでしょう。そんな日本ならではの視点にフォーカスし、色を軸に季節を楽しんでみるのはどうだろう。今回個人的に思考した季節の感じ方とファッションの楽しみ方です。

KIJI / Knit / 30,000+tax
THE INOUE BROTHERS / Large Natural Stole Exclusively for BLOOM&BRANCH / 39,000+tax
Porter Classic / Fleece Shirt Jacket Exclusively for BLOOM&BRANCH / 38,000+tax

色づく紅葉の赤。雪が降るかもしれない寒空のグレイ。ふんわりとした素材でまとめると柔らかな雲を連想させます。

GALLEGO DESPORTES / Shirt / 28,000+tax
GALLEGO DESPORTES / Knit / 40,000+tax
Phlannel / Coat / 86,000+tax

乾いていてどこまでも抜けるような清らかな冬の空気はブルー。Phlannelのツイードコートに表れる生地のミックス感は、空気の中にある塵が光にあたり輝くようなイメージでしょうか。

m's braque / Jacket / 92,000+tax
Vintage / M-47 Fatigue / 15,000+tax

12月になると街中を埋め尽くし、季節の風物詩となるもみの木のグリーン。深みのある色合いが季節感をより高めます。雪景色の白や銀杏並木の黄色など、まだまだ沢山の季節の色はありますし、捉え方次第で様々な景色が広がります。
サイズ感、素材合わせ、ブランド。いつも頭に浮かぶ視点からは少し距離を置いてファッションを楽しんでみると、慣れ親しんだ洋服たちもある日突然新鮮に映るかもしれません。(守屋)

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慎ましさという個性

松原竜馬 / マグカップ各種 / 3,500 〜 4,000+tax

個人的な話ではありますが、もともと民藝への興味から器の魅力へと引き込まれていった私にとって、作家さんの作品を手にする機会があまりなく、自宅で実際に使っているのも民藝の器ばかりでした。民藝の無名性を好んでいたためか、作家の方の名前の通った作品をどのように日常で使えば良いのか分からず、抵抗感があったのも否めません。そんな私が初めて購入させていただいた作家さんの作品が、松原竜馬さんのスリップウェアでした。

別注カップアンドソーサー / 6,000+tax

民藝のような慎ましさと実用性のある佇まい。しかし民藝の器と異なるのは、決して大胆に描かれないその透き通るような絵柄。民藝を元に個性を出そうと試みた加飾の結果というよりは、松原さんのお人柄がそのまま現れたような控えめな個性で、きっとどんな食卓にもすっと馴染んでくれるだろうという安心感がありました。

黄釉マグカップ / 3,500+tax  黄釉面取りマグカップ / 3,800+tax

飴釉掛け分けマグカップ / 3,500+tax  灰釉茶色マグカップ / 3,500+tax  茶色マグカップ / 3,500+tax

日本民藝館が好きで良く足を運ぶのですが、そこで初めて英国のスリップウェアを実際に目にした際にすごく日本的だなと感じました。そしてそれと同じように、松原さんの作品を見た際にはすごく西洋的だなと感じたのも私にとっては新鮮な発見でした。実際に松原さんにお話を伺ったところ、古いフランスの食器にとても興味があり、そこからインスピレーションを受けて形を作り出すこともあるとのこと。和の土ものの温かみや渋さのある釉薬の色の中に、どこか西洋の雰囲気を感じたことに納得がいきました。英国の圧倒的な存在感を持つスリップウェアとはまた違う、ごく控えめな個性を持った松原さんの作品は、まさに現代の民藝品のようです。(守屋)

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Alpaca素材の底力

Large Natural Stole Exclusively for BLOOM&BRANCH / 39,000+tax

「繊維の宝石」と呼ばれるカシミヤは軽く、柔らかく、そして何より暖かい。冬の主役となる素材の一つではないでしょうか。そんなカシミヤに匹敵するほどの軽さと柔らかさを持ち合わせるアルパカ素材は、加えて独特のぬめっとした感触と美しい光沢が魅力です。カシミヤもアルパカも見る視点によってそのメリットは様々かと思いますが、個人的にはこのアルパカという素材がとても好きです。カシミヤほどに繊細に扱わなくても、水分油分をたっぷりと含むその素材はなかなか毛玉や皺ができにくく、デイリーに使いやすい丈夫さがあります。

そんなアルパカの中でも世界最高峰のクオリティのアイテムを提供するTHE INOUE BROTHERS。BLOOM&BRANCH別注のストールは、最上級ランクのアルパカ素材の中でも稀少な、ベイビーアルパカの無染色の糸を用いて仕上げた拘りの一品。昨年、個人的に購入したこのストールは、「頼りないアウターを着るよりも、これさえあれば安心」と思える抜群の温かさで、毎日のようにばさっと身に纏い愛用していました。一冬越え、先日久しぶりにクローゼットから取り出した際にその美しい経年変化に改めてはっとさせられました。適度に毛が抜けてふんわりと柔らかさを増した肌触りと、それでいて決してくたびれていることのない芯の強さ。毛玉が全くなかったことにも驚きです。使っていた冬の時期にはその変化に敏感に気がつけなかったのですが、今まで使ったどんなウールやアルパカ素材よりも温もりを増すような変化で、より一層の愛着が湧きました。

タフさが魅力のアルパカ素材ですが、是非気に留めた際に柔らかい豚毛のブラシでブラッシングをしてケアをして下さい。デリケートになる必要は無いけれど、手を掛けただけ柔らかく美しく風合いを増していきます。そうすることで、私自身も感じたように、育てた人にしか体感し得ない圧倒的な包容力をもたらしてくれるはずです。(守屋)

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ベーシック「じゃない」AURALEE

BEAVER MELTON SOUTEIN COLLAR COAT exclsive for BLOOM&BRANCH  / 85,000+tax

「ベーシックなのにどこか今の空気感を感じる」、「ベーシックだけど他のブランドとは一線を画す」、「ベーシックだけど独特のデザイン」。AURALEEの魅力について語る際、非常に多くの場合ベーシックという言葉が用いられますが、そのあとには必ずといって良いほど逆説の接続詞が続きます。ベーシック「だけど」ベーシック「じゃない」。

AURALEEがベーシックといわれる所以は削ぎ落とされたデザインのシンプルさ。対してベーシック「じゃない」所以は妥協なき素材への探究心とそこからインスピレーションを受けてデザインする圧倒的な感性の良さ。私はそう感じます。今までももちろんあったはずの素材やデザインに新鮮さをもたらすことが出来るのは、使う素材をどう料理したら最高の味を引き出せるのかをよく吟味した結果ではないでしょうか。素材があってはじめて成り立つ服としての魅力は、デザインをまず考えてから素材を当てはめるものづくりの工程からは生み出すことは難しく、素材をデザインとして考えるAURALEEだからこそなせる妙といえます。袖を通した際の着心地の良さはもちろんのこと、満足感もひとしおです。

ベーシック「だけど」ベーシック「じゃない」、AURALEEらしさの詰まったBEAVER MELTON素材はぎゅっとウエストを絞った際に生まれる生地のドレープの表情が魅力的です。美しい光沢が女性らしさを放ち、男性より女性が着用したときのほうがその素材の魅力は最大限に活かされるような気がします。そんなレディースサイズの展開は今シーズンはBLOOM&BRANCHのみ。今回特別に制作いただいた別注アイテムです。(守屋)

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この度、BLOOM&BRANCHの新コンテンツとして「WEB SHOP BLOG」が公開となります。

“永く付き添い、愛着を持って育てていく”という価値観をベースとし、一つひとつ丁寧にセレクトされたアイテム。その魅力をより多くの方に知って頂き、良きものを長く使用し育てることの楽しさを知るきっかけとなれば嬉しく思います。

普段は語られることのないセレクトの現場の裏側のこと、アイテムのことなど、様々な視点からご紹介していきたく思います。毎週土曜日の更新となりますので、どうぞよろしくお願いいたします。(守屋)

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