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高揚感も安心感も、そして希望も胸の中に

R.ALAGAN / VINE FICKLE BANGLE / 40,000+tax
R.ALAGAN / FICKLE VINE RING / silver 30,000+tax  gold 33,000+tax

金や銀が富の象徴だとするならば、それはつまり装飾することに他ならず、衣服を身に纏うという不可欠性を伴うことの意味とは少し外れたところに、ジュエリーは存在していたのだと思います。

その存在意義を過去のものとして認識したことの理由は、もちろん現在はそういった装飾的な意味合いのみに留まっていないと思っているからで、例えばお守りとしてジュエリーを手元においていたり、そこに誓いや願いを込めていたりと精神的な拠り所とする人が現代においてはすごく多いような気がしています。

殊更、近頃は衣服の意味合いすらも変わり始めていて、TPOにとらわれずに、派手でなく着飾る必要すらもないけれどただ単純に自分が快適で心地よくあれるもの、本当に素材の良いシンプルな物などを長く着るという考え方に傾倒する人も多いかと思います。そうして変化した衣服の存在意義に華を添える存在としても、ジュエリーの価値はあるのでしょう。

決して着飾るということだけでなく、例えば服を纏うことによる心の高揚感を捨てて、服を纏うことには安心感を求めたならば、その高揚感を担うものはきっとジュエリーになるのでしょう。心地よい服を身にまとい、腕や耳に決して派手ではない飾り物を施して、そこに未来への微かな希望や願いを込めて、そっとお守りとして心の中に閉じ込めておくものとして。(守屋)

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自分を映す鏡として

VINCENT JALBERT / LACE RAGLAN COAT / 92,000+tax

「相手は自分を映し出す鏡だ」というような言葉を耳にしたり実際に誰かに言われたことがありますか。相手にした行いはいずれは自分に返ってくるもだともされ、幼い頃、人に優しくしなさいとか、友達をいじめてはいけないのだと、教わったことが少なからぬ人に経験があるものではないでしょうか。自分のワードローブを見つめながらふと、そのことを思い出すに至りました。

というのも、自分に対峙する人間がそうであるのと同じように、自分に対峙する物も必ず自分の内面を反映しているはずなのです。とりわけそれが世の中に転がっているものではなくて自分自身が選択し、自分のものとして近くに置くことを望んだものであるならばその傾向はより一層強くなるはずです。人は1日に何度もの選択をして運命的とも言える1分、1日、1ヶ月そして一生を過ごすわけですが身なりを包み込むための自分のワードローブはその時々の自分の状況を反映させたものが並んでいて然るべき場所なのだとは思いませんか。

自由になりたい、個性を主張したい、誰かに認められたいと、社会とはいかなる場所なのか分からずにもがいていた若かりし頃に選んだ洋服たちはやはりどこか自分よがりで強い主張のものが多かったり、一方で高いも安いも関係なく、目立とうが目立たなかろうが気にすることもなく、ただ心地よいものだけを選びたい心情に置かれていた時に選んだ服たちはどこにも個性のかけらが見当たらないように見える奥ゆかしさをはらみながらも長くそこに留まっていてくれるような、安定感のあるものが多かったりします。

少し歳を重ねたり、出会う人々の種類が変わったり、例えば同年代の人と会うことが減って人生の先輩たちと会うことが多くなるフェーズにある人にとっては、少し背伸びをしながらも自分らしさは忘れず慎ましく、そして決して自分の価値を下げるようなものを手に取るまい強い心を持っているのではないでしょうか。そんな人生のフェーズにある人へ向けてとてもおすすめしたいなと思います。(守屋)

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「間」について

KIJI / COTTON NEP GATHER BLOUSE / 28,000+tax

「間」を心地よく、あるいは少しの緊張状態を持って意図的に作り出すというのは、感覚仕事を伴い、それなりの経験やスキルが必要とされるものです。混沌状態から単純にいくつかの要素を取っ払って間を作るだけのそれは、もしかするとただ「間抜け」な状態になってしまう危険性を孕んでいます。

例えば店舗空間を作り出す際にも、1本のラックに洋服が密着するほどたくさん掛けられているところを見るとどうしても美しいという感覚を感じることは少ないですが、それが少し間引かれて適度な緊張状態を保ったその時、そこに置かれている洋服が美しいと見えるようになり、手に取ってみたいと感じるようになるのだと思っています。

一方でそれが何の脈絡もなくただ数を少なくされたラックであったとすれば、それは単純にすかっと商品が足りていないような不足感を与えてしまい、そこにも美しさというのは表出しないはずです。どの程度の「間」を美しさとするかは人それぞれに委ねられてはいるものの、「間」への意識というのは日本人には無意識的に備わった感覚の一つのように思います。

店舗空間のみならずとも、茶室において「間」というのは非常に重要な意味合いを持っていたものでしょうし、それが今では寝室やリビングに取って代わったという話であって、あるいはコミュニケーションの場においても、会話と会話の間、発言のはじめに一呼吸おくその一瞬が、言葉の持つ説得力を補強したり場の雰囲気を変えてしまったりといった役割を果たすことがあるはずです。

洋服を着こなす、スタイリングを考える場合には、「白」という色の持つ「間」的な感覚がとても重要になるような気がします。白を足すことで抜けた感じが演出できることもあれば、白を足すことで窮屈な印象を与えてしまうこともあるでしょう。それぞれのフィールドにおいてセンスを光らせる人というのは、この「間」を操れるような人なのかもしれません。(守屋)

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安定と不安定の間に感じるもの

Phlannèl / Cotton Silk Viyella Skirt / 36,000+tax

人間は本質的に、自然界にある有機的なかたちを成すものに対して安らぎや心強さを感じる生き物であるはずです。不規則にやってくる波の音には、母の手に抱かれた子供が感じるそれのように温かな安堵を感じたり、木々が自然に自由に生い茂って出来た木漏れ日には独特の美しさを見出したりするものです。

また、地球上には角や直線を伴うものが存在していたとしても経年、風化によって角は取れ、究極的には球に近づいていきます。自然の中には球体に近いかたちのものが多いことから、私たちは円を成すものにも安定を感じることが多いはずです。

一度、それらの円形が揺らぎを見せたとき、例えば丸い湖の湖畔が波立ったときなど、その無作為的な動きに自然を見出し美しいと思うのか、あるいは安定の壊滅による不安感を抱くのかは、それぞれの人のその時の感情に依拠することも大きいのだろうと思います。長い梅雨を超えて束の間の夏に歓喜した人が多かったことも同様に、自然界が私たち人間に与える影響というのは非常に大きなものがあります。

ぽつりぽつりと小さなドットを描くように配された小紋柄の美しいスカートが揺らいでそのドットが曖昧な表情を見せたその時、私たちはそれらに何を感じるのでしょう。(守屋)

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オリジナルストーリーを大切に

Le Yucca's / Ghillie Shoes for womens / 118,000+tax

BLOOM&BRANCHのお店で働き始める前、別のお店で見て気になって、欲しくて欲しくてどうにか手にしたのがLe Yucca'sのギリーシューズとの出会いでした。その頃はまだ若くて他にもたくさん欲しいものがあって、そんな私にとってはなかなかに高価な買い物でした。

Le Yucca'sを履き始めて半年か一年くらい経った頃、BLOOM&BRANCHでも取り扱わせてもらえることになりました。自分の好きなものと、自分が好きで働いているお店の共通点がまた一つ増えたことがとてもとても嬉しくて誇らしくて、たくさんの人におすすめしていたのを覚えています。

Le Yucca's / U-Tip Shoes for men / 124,000+tax

希少でなかなか手に入らないという類のものはこの世界にはほとんどなくなりました。どれだけ遠く離れた国のものであっても大抵のものは日本にも輸入されていますし、されてなかろうと、インターネットで探して取り寄せるということも難しくない時代になりました。Le Yucca'sも今では取り扱う店舗も昔に比べれば多くなってきたのかなと思います。

「ここにしかないもの」からは少し遠くなったLe Yucca'sですが、「ここにしかないもの」を買うことで得られる特別感の代わりに、そんなものをどこで買うのかであったり、買った時にどんな経験をすることが出来たかという、新しい買い物の価値指標や楽しさのようなものが、このシューズにはついてまわるようになったと感じます。A店でもB店でもC店でも買えるLe Yucca'sをどこで買いたいか。それを考えた上で、C店でDさんから購入したからこそ、自分にしか得られないマイレユッカス・ストーリーみたいなものが得られるのであり、まさにそれこそ「ここにしかないもの」に違いないのではないでしょうか。

そこにしかなくて買った私のLe Yucca'sよりも、ある程度どこかにある可能性がある中において、買う場所から自分で選択していけるというのは本当に贅沢な体験で、手にするものの価値は変わらずとも付帯価値は格段に高騰するのでしょう。とはいえ、そうたくさん存在する靴ではないというのも悩ましいところではあります。偶然の出会いという可能性に掛けなければならない場面もたくさんあるはずです。だからこそ、こういった買い物は楽しいものでやめられないものなのかもしれません。(守屋)

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