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それぞれ

Phlannèl / UTO×Phlannèl FRANCE APRON / 15,000+tax

人の生活は千差万別なので、「こんな生活に馴染むように」、「こんなシーンで使ってもらえるように」と生み出される商品は、その目指す姿を消費者によって正しく達成されることはそうないことだと思います。良くも悪くも、予想だにしなかった姿をもって誰かの生活の中に存在していることの方が、きっと多いのでしょう。

陶器のコップはある人にとっては湯呑みであり、ある人にとってはカトラリースタンドとなるように。ランニング用のシューズがある人にとってはファッションアイテムとなるように。今回発売されたワークウェアとしてのエプロンは、もちろんキッチンで使う人もいれば工房で使う人もいるし、毎日洗って清潔に使う人もいれば、汚れるものとしてたくさん汚し、定期的にしか洗濯をしない人もいるでしょう。

腰紐をぎゅっと縛る人、そこにクロスを挟み込む人。胸前部分を折って腰下のエプロンとして使う人もいるでしょう。正解を押し付けるような商品に、否応なくその指定の型にはめ込まれるのが苦手な私にとって、そんなふうに手にした人それぞれが、思い思いの生活の知恵を付け足しながら、ものを生活に馴染ませていく姿を見れたことは非常に幸せなことでした。

SNSでそういった日常はいくらでも切り取られシェアされやすくなったため、その共有はありがたくもある一方で、それぞれの姿には囚われることなく、自分自身の生活に心地よい姿を見出せることができたら良いのではないかと思います。それこそがものの存在する意義であり、私たちがきっと心から幸福や満足を感じる方法でしょう。(守屋)

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服の寿命を考える

KIJI / SHU / 23,000+tax

ファッションが民衆化することによって、洋服の寿命というのは圧倒的に短くなりました。早く、安く生産して届けられるトレンドのアイテムは、言わずもがなトレンドと共に着倒されることもなく捨て去られていきます。トレンドはより瞬発的になり、熱狂はより短期間になり、買い物はますます衝動的になり、そして洋服の寿命はこれでもかと短くなっていきました。

まだデニムがファッションではなかった頃、それは労働者のものであったため、デニムが求められることはいかに長く着られるか、という耐久性でした。ここ数年までファッション産業において、長く着られるかどうか、というのはほとんど考えられておらず、一部のエシカル消費者が考えていたにすぎないことのように思います。長く着られるものである以前に、洋服には、ファッションには、トレンドが求められていたからです。

そんなデニムもファッションアイテムになり、トレンドの形というものが数年おきに切り替わるようになり、その生産には大量の汚染水を伴うことが指摘されていますが、数十年前のデニムを今でも「王道」として多くの人が求める様子はどうでしょう。デニムというアイテムが悪いのではなく、トレンドとして消費するためのファッションアイテムになることが悪いのであって、一着のその洋服が数十年着ることが叶うものなら、それはある意味では正しい姿なのではないでしょうか。(守屋)

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梅の花が咲く頃は

R&D.M.Co- / HICKORY FRONT OPEN DRESS / 72,000+tax

いつものように通り過ぎる公園の片隅で、梅の木がふくふくと膨らむ蕾を抱えており、これからやって来るであろう春の生き生きと希望に満ちた空気をその中にたっぷりと詰め込んでいるのだろうと思って眺めていました。

気がつけばそんな梅の木は見頃というべきほどに美しい花を咲かせており、行き交う人々は一様に足を止め、入国審査を通過するためにパスポートを取り出すかのごとく、皆ポケットからカメラを取り出して梅の木にそれを向けています。季節は平等にやっては来るものの、どうしても縮こまる冬からの開放と包み込むようなその温かさから、春は特別な季節として多くの人が待ちわびているものなのでしょう。

ただ忘れてはいけないことは、春は冬があるからこそこんなにも温かな気持ちにさせてくれるものなのであり、春があり夏が来て、秋を通過して冬が来るからこそ、春は春なのです。冬がなければ、夏も秋もなければ、春は春でもなく、ずっと続く365の連続でしかありません。

暦と実生活との季節の巡り方が乖離し始めて久しいですが、今一度、春たる春を考え、その季節をしっかりと享受したいものです。そのために、私たちができることは何なのでしょう。ただ春を待っているだけでは、いつかやってこなくなってしまうかもしれません。(守屋)

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観察しよう

Christian Wijnants / PARIA / 52,000+tax

商品をオンラインで閲覧したり情報をインターネットで収集したりした後に、そのまま実物を見ずに購買行動に至ることは悪いことでは決してないと私自身は思っています。今の世の中の情勢を踏まえてもなおのこと、出来るだけ人と対面しないことを社会的に求められているのであればそれに従いながら自身の用事を満たす最善の方法だとも思っています。

そんな中での実店舗の存在意義については、勿論議論されて然るべき問題だと思います。オンラインでは叶わない体験があるから。コミュニケーションが取れる、そして知識を教えてくれるスタッフがいるから。色々と店舗の優位性について挙げられますが、私は、店舗で実際にものを手に取ることはつまり、何かを「観察する」ということが出来るという価値を持ち合わせているような気がしています。

出かける時間がないからクイックに買い物ができることがオンラインショッピングにおける利点である反面、出かける時間すら削がれた生活の中で、ゆっくりものを観察するという時間は絶対に取れないでしょうし、そういった時間を大切なものだとも判断しないのでしょう。ものをじっくり観察することで初めて発見される自分自身の視点や、ものの価値はきっとあり、それに気付けることこそ新しい自分の発見や世界の発見や、そしてそれらによる買い物の満足度につながるのではないでしょうか。じっくり観察することで見えてくる新しい世界はきっとあるはずです。レオナルド・ダヴィンチが木を観察してフィボナッチ数列を発見したように。(守屋)

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