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アーバンとアウトドアを行き来する

KAPTAIN SUNSHINE / 43 Fatigue Denim Trousers / ¥38,500

都会でハイスペックなアウトドアウェアを着ている人を見るようになったのはいつ頃からでしょうか。スポーティーなムードがハイブランドのコレクションに見られるようになり、アーバンアウトドアウェアなる言葉も生まれ、都会的で洗練されていながら過酷な状況への耐性が充分に備わった洋服は、ファッションアイテムの一つとして市民権を得ていきました。

アーバンアウトドアウェアの持つ都会性は、それまでアウトドアウェアに多用されてきたカラーリングを排除し、シックなモノトーンやアースカラーで構築され、そして肝心な動きやすさは緩やかな可動域を考慮したパターンではなく伸縮性のある素材を使うことで担保されています。要するにアウトドアウェアらしい大きなシルエットではなく細身で、すっきりとした印象を持つものです。

KAPTAIN SUNSHINEの洋服にも、どこかアーバンとアウトドアを行き来するような、都会的な印象も自然やスポーティーな印象も感じるのですが、それは不思議と前出のアーバンアウトドアウェアとは異なるものです。その都会性は、古いアウトドアウェアやワークウェアのデザインを踏襲しているからこそ醸し出されるものであり、そしてアウトドアでは使わない上質な素材感によって表出するものです。アウトドアの要素はもちろんデザインから感じ取られるわけですが、それがどうしてか今っぽくなく、急いでいない時間の流れを感じるようで。それが特異な都会性とハイスペックなアウトドアウェアのちょうど中間をすり抜けるようなバランス感を持っています。

BLOOM&BRANCH JOURNALの取材の際に、クラシックアウトドア、古いものが好きと楽しそうに語っていたデザイナーの児島さんの作るものには、"かつてのアウトドアウェアらしさ"によって都会的な雰囲気が生み出されるという一見矛盾するような楽しさがふんだんに盛り込まれているのです。だからこそ、都会も似合うし、海や山も似合ってしまう、そんなバランスは新しいアーバンアウトドアウェアのようです。(守屋)

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慣れと距離を置く

Phlannèl / Cotton Silk Khadi Shirt Dress / ¥39,600

特に仕事において、慣れというのは最も危険で避けるべきだと私が考えているものです。どんな単純作業やルーティンワークであっても、慣れてしまい考えなくなった時、その仕事一つひとつの仕事の意味や自分がその仕事に関わっていること自体の意味さえもなくなっていくような気がしています。

毎日の通勤通学の道のりや、毎日のコーディネートや、パートナーや友人とのコミュニケーションも同じことで、慣れてしまうとその毎日がありふれたものに感じてしまうし、「またこれか」というその気持ちは日々楽しむことの活力さえ、自分自身で削いでいくことになりかねません。

また今日も同じスタイリングになってしまった、と思う中で、決して新しい洋服が必要な訳でも、一発逆転的な個性溢れる一着が必要な訳でもありません。それは単に自分の視点の問題なのです。ありふれた、着慣れた洋服一着でも、視点を変えて見ると今まで見落としていたその一着の魅力が見つかるかもしれない。

歩き慣れた帰り道をいつもと違う道に変えてみたり、いつもの帰り道の中でも普段目を向けない並木や道路や人々の行き交う姿に目を向けてみたり。ちょっとした視点の変化で日々の慣れから遠いところに自分を置いておきたいものですね。(守屋)

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たかがTシャツ1枚でも

NICENESS / BERNARD / NN Vintage T-Shirt / ¥19,800

Tシャツにデニムという一見シンプルなスタイルにこそ、その人らしさやセンスというのは滲み出るものです。無地のTシャツだったとしたらその色、サイズ、ウエストをタックインするか否か、あるいはスカーフや腕時計などのアクセサリーをどの程度つけるか。細かなセレクトの全てが全体のバランスを決定づけます。

もしそれがプリントTシャツだったとしても同じことで、さらに難しいのはプリントの配色と全体のカラーバランスがどうであるかであったり、あるいはそのTシャツがビンテージなのか新品なのかでも、全く異なる印象を与えるでしょう。ビンテージライクなプリントであったとしても、それが新品のカットソーであれば、素材特有のハリ感や洗練された雰囲気が全体をきれいにまとめ上げてくれるでしょう。

一方で本当のビンテージTシャツをきていたとすれば、経年がもたらすヤレた雰囲気や独特の抜け感、肌に馴染んでいる雰囲気は、他の人には全く同じ表現を許さない唯一無二のものとなります。Tシャツにデニムのスタイルだけでなく、セットアップスタイルのインナーに無地のカットソーを合わせるかビンテージTシャツを合わせるか、その選択でも出来上がるスタイルには雲泥の差が現れることは言うまでもありません。

その小さな選択の積み重ねがその人らしいセンスを凝縮した着こなしになりますし、その小さな選択を積み重ねて決まったその日の着こなしには、少なくとも自分だけは、心躍らされているはずです。やってくる毎日を当たり前の毎日にするのか、昨日とは少し違う1日にするのかは、そんな小さなチョイスが変えていくものなのでしょう。(守屋)

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好きなものの話

POOL BY CLASS / Arawak / ¥57,200

ファッション産業は大きなムーブメントを起こしやすいことが長所である反面、その大きなムーブメントは表層的なものに留まってしまうと、それは文化として根付くことはなく、一時の流行として風化してしまう、させてしまうという怖い側面を孕んでいます。どれだけ素晴らしいクリエイションであろうとも、どれだけ貴重なものであろうとも、トレンドという波に過ってのまれてしまったならば、あとは引くのを待つのみとなります。そんな恐ろしいほどの力を持つ「流行」というものは、多数の人の投票によって成り立っているのは言うまでもありません。

ただ、その「好き」という意思表示や投じる一票は、誰かが好きだから「私も好き」であるという類のものが多く、もしかすると「自分だけが好き」だと言い切れる人はほとんどいないのかもしれません。自分が好きだと思うものを列挙していき、その中には人が好きだと言わないものはどれだけあるでしょうか。

ファッションにおいてそのような選択肢があることは、時代遅れとして捉えられることがあるのですが、それはまさに誰にも邪魔されることのない、自分だけの波であり、それを心地良く乗りこなせるのも自分だけなのです。特別な波、そして自分だけの特別なサーフボードを手に入れたときの快感を是非味わってみたいものですね。(守屋)

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