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ある要素の新しい役割

Scye for BLOOM&BRANCH / Striped Cotton Popline Grandad Pullover H/S Shirt / ¥30,800

そもそもクレリックシャツというのは実用性から生まれたデザインであるそうなのですが、“ブルーストライプポプリン素材のクレリックシャツ”と聞くと、言葉だけで破壊力抜群の爽やかさを持ち合わせており、これこそ夏の一着だと思わせてくれます。

一見するとクラシックでトラッドな雰囲気の素材を用いていながら、サイジングと丈の長さによって生まれたアンバランスさがカジュアルで適度なリラックス感をもたらしてくれる不思議な一着です。クレリックシャツはカフスももちろん白地に切り替えられているものですが、5分袖の先には見えるはずの白が見えません。襟元だけに、その爽やかさを携えています。

以前に、『白いカットソーが襟元からのぞくことで抜け感というのは生まれる。シャツの襟元から素肌がのぞくことではそれは叶わない』といったことをディレクターがBLOOM&BRANCH JOURNAL内で語っていました。このシャツにおいて、クレリックの襟元はシャツ襟という役割ではなくて、そのインナーの白いカットソーのような役目を果たしてスタイリングを完成させてくれるのだと感じさせられました。

歴史的に見るこのシャツの成り立ちにおいても、素材においても縫製ももちろんどこにも抜け感の要素のない一着のシャツの襟元の、白という一つの色だけが、唯一の抜ける印象を作り出しています。元々そんな役割はさながらなかったはずなのですが、バランス一つで新しい役割を果たす要素がありました。視点を一つ変えるだけで、実はどこにでも、新しさは作り出せるのかもしれません。要素一つひとつを分解して解像度を上げてものごとを見つめて見るいいきっかけになりそうです。(守屋)

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刺激と感性

KIJI / MENS PULLOVER SHIRT / ¥22,000

若者がものを買わなくなったと言われて久しく、近頃はより一層、何か新しいものを一つ手に取りそれに代金を支払うその一つの行為に意味を求められるようになりました。それによって消費行動は以前にもまして消極的になったと言っても過言では無いかもしれません。

たくさん消費することを善とする考え方は資本主義経済においては避けては通れぬ思想であり背骨のような存在であるからこそ、これまで私たちはより多くのものを買い、それに代金を支払い、お金という概念を循環させることになんの疑いも持っていませんでした。今、より多くを消費する行為に疑問符がつけられる中、それでも世に生まれてくるものには、その横並びにある「いまあたらしく出てきたもの」以外の、この世に存在する全てのものと比較される土俵に上がることが必然になり、そこで軍配が上がらなければもちろん人々からの支持は受けることができません。

世にある全てのものの中でどれが最も美しいのか、どれが最も心地よいのか、どれが最も自分に必要なのか。大衆の意見に動かされる時代から自分の心の機微をいかに察知してものを選び取るかという選択のセンスが必要になっています。ものを買わなくなったからと言って人々の感性は落ち込むのではなく、そればかりかますますの鋭さを要するのです。

判断力を高めるため、そしてそれを鈍らせず常にセンサーを敏感に保っておくためには、日々考え続けること、そして日々新たな刺激を適度に取り込むことが必要です。それはもちろんお金を払ってものを買ってこそ磨かれるものもありますし、ただ多くのものに五感で触れることだけでも研ぎ澄まされることもあります。マンネリの上にあぐらをかくことをやめて自分の感性が喜ぶものを探しに行きませんか。(守屋)

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同じものを違うように

PHLANNÈL SOL / Light Suvin Cotton French-sleeve T-shirt / ¥12,100

一着の洋服を長く着続けることは一つの良識であり、変わらず同じものが好きでいられることは、変わらない信念や価値観を持った変わらない自分がいるということで、それもまた一つの美学があると言えます。お気に入りのシンプルなTシャツは、いつもどんな時も心を穏やかにしてくれ、つい手が伸びてしまうからこそ、去年買ったものを今年も買い足しておきたいと考える人は決して少なくないでしょう。

そしてずっと同じものを着続けていたいと思うと、そこには不思議とアンビバレントな感情が湧き上がってきませんか。去年同じTシャツを今年も着るのが楽しみな反面、去年それを着ていた自分とは少し変化していたいと、そうは思いませんか。変わらないことは善ですが、人は少なくとも生きている限り一つ歳を重ねますし、それによって体型も変化します。一年前の自分よりは確実に多くのことを経験しているからこそ、それによって目つき顔つきが変わることももちろんあります。

より大きな心をもち、より繊細な感性が育ち、より広い視野を得たからこその、去年とは違う今年らしさ、今の自分らしさがきっとあるはずですから、それを素直に身なりに落とし込みたいと思うのはともすればごく自然なことなのでしょう。それが出来てこそ、長くものを持つことでの楽しさも広がりますね。(守屋)

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ウィークエンド・バッグ

dragon / POMPOM DOUBLE JUMP / ¥28,600

大きなバッグが流行っていようと、小さなバッグを皆が持とうと、私は仕事の時にはパソコンや書類を常に持ち歩くので、否応なしに大きめのバッグが必須です。同じように、小さな子供と出かける母親は常に大きなバッグに子供の荷物を詰め込んでいる必要があるので、常に容量の大きなバッグが欠かせないパートナーになるのでしょう。

小さなバッグを片手に、サブバッグには大きい荷物を詰めて仕事に出ることもあります。小さなバッグは休みの日のためだけのものではありませんが、それでも、大きなバッグを持たずに、お財布や携帯やコンパクトなポーチと、簡単な文庫本だけをバッグに入れて出かけることができるのは大抵休日で、そんな日は現実的物質的にも、精神的にも解き放たれた自由さを感じさせられるものです。

リラックスして品良く着られるドレスをさらっと纏って、このバッグをさっと片手にサンダルで、オープンエアーな近所のカフェでコーヒーを飲んだり、公園に行って自然の香りの中読書をしたり、そして夕飯の買い出しをして帰路に着く。重いバッグから開放されただけで、そんな時間がより一層贅沢なものに感じられます。心の切替スイッチは人それぞれだと思いますが、私はそんな些細な小物の変化によって、ばちんと、より大きな音を立ててスイッチが切り替わっているのかもしれません。(守屋)

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ヒールシューズが履けないとか、スニーカーが好きじゃないとか

BEAUTIFUL SHOES / SHALLOW / ¥46,200

オフィスで働く女性はヒールシューズを履いていることがこれまでは多かったですが、その名残で、今でも女性はヒールを履いているべきだとされる声も多いのだと聞きました。女性らしさの象徴の一つともされるヒール靴は、足を美しく見せてくれる反面、やはりどうしても足を痛めてしまう原因にもなりますし、どうしても履けない、履きたくないと感じる女性も少なくはないでしょう。

もちろん、そんなシューズが好きな女性にとってはそれを履く自分が美しさを携えたようで気分が上がったり気持ちが引き締まったり、ヒールシューズを履くことと脱ぐことで仕事のオンオフを切り替えられたりもします。どちらが良い悪いではなく、それは全て好みの問題であり、選択の権限は全て着用者にありそれは全てが自由です。

いつどんな時でもスニーカーを履いていたい人、コンフォートな靴を選びたい人、子供の世代にも残せる作りのいい靴を修理しながら大切に履きたい人。靴選びの軸は実に様々で、それは時流や用途を超えたところにすら存在します。誰にでもちょうどいい靴というのはなかなかないのが現実です。

コンフォートな履き心地で見た目も美しく、着用者の足も美しく見せてくれ、精巧な作りで修理も出来て長持ちし、どんなスタイリングにも合う、そんな万能選手はどこかにいるでしょうか。そして、そんなバランスの取れた一足はどんな人に求められるのでしょうか。強い個性や要望のない多くの人の狭間で、そんな一足は、実は静かに存在し輝いて、求める誰かを待っています。(守屋)

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