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ハーフコートって便利

KIJI / WOOL×QUILTING REVERSIBLE COAT / ¥59,400

ロングコートは、中に何を着ていようともすっぽりとその洋服たちを隠してしまうものですが、そのすっきりとした見た目によってコートを着ている人はどこかスタイリッシュに見えるものです。インナーがスウェットでも、足元がスニーカーでも、品の良いコートをばさっと一枚羽織ってしまえばカジュアルさは軽減され一気にフォーマルな装いへと変身するようです。

一方でハーフコートはすっきりとした着丈によってボトムスから下のアイテムは顕になります。太いスラックスを履いているのか、スウェットパンツを履いているのか、ドラマチックなスカートを履いているのかで人の装いに対する印象は大きく左右されます。ロングコートはそれ自体が装いの印象を決定づける一方で、ハーフコートにはそれ以外のアイテムへの個性の発出の余地を残している懐の深さがあるようです。

そしてもちろん、コート自体も、ナイロン素材なのかウールなのか、スタンドカラーなのかラペルのついたジャケットのようなデザインなのかで印象は大きく変わります。“とりあえず羽織ってしまえばこっちのもの”なロングコートと違って、その日どこに出かけるのか、TPOに合わせたコーディネートにしておかないとあとで後悔することにもなりかねないちょっとした煩わしさもあるからこそ、一辺倒になりがちな冬の装いの幅が広がるスタイリングを考える楽しさがあるような気がしています。

仕事仲間と会うとき、ディナーに出かけるときにはウールの表情がドレッシーな面を表にして革靴を合わせて。自転車に乗って友達とカフェに出かける時や家族とドライブに行くときにはナイロンの面を表にして天気にも左右されない安心感を携えながらチノパンやワイドトラウザーでリラックスしたスタイルにしたり。ハーフコートならではの楽しさ、便利さを体感してみませんか。(守屋)

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らしさとは?

PHLANNÈL SOL / Wool Yak Turtleneck Knit / ¥33,000

長く愛用できる良質な素材を使うことや、出自の分かる素材を使うことは現代のものづくりにおいてはさほど珍しいアプローチではなくなりました。それどころか、洋服を買うときの最低限の条件として消費者自身がそれを大きく掲げているほどに無視することのできない必須項目にすらなっているようです。

それゆえ、単にいい素材を用いていることはものづくりをする側、ブランド側からは声を大にしてアピールしたとてさほどの希少性もなくなりました。それ以上に、その素材を“なぜ”選んだのか、そうして選んだ素材を“どういった方法で”洋服作りに活かしているか、どのようなデザインに落とし込んでいるか、という独自のアプローチをみせることが必要になっているような気がしています。

そのアプローチも、突飛な手法を用いた希少性が面白がられる場合もあれば、いかに素材の良さを最大限に高められるかを考えたありふれたアプローチだったとしてもそれがブランドらしい選択だったならば広く消費者に受け入れられる場合もあります。要は、素材に対してもものづくりに対しても、ブランドに対しても消費者に対しても、真摯に向き合い素直な表現をすることが、結果的には多くの人との対話のきっかけを作ることになるのではないでしょうか。(守屋)

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無意識的と意識的

STUDIO NICHOLSON / FELLINI - ELEVATED PANTS WITH TAB DETAIL / ¥58,300

子供ながらに、生まれながらの本能に沿っておそらく私たちは小さい頃からお米の美味しさを知っていて、更に意識はせずとも新米の美味しさ奥深さを舌は先祖からの積み重ねによって認識しているのか、秋の食は多くの人を魅了しています。なぜだか秋になると食欲が湧いてあれもこれもと美味しい食材に目移りするのは何も意識の問題だけではなく、単に食材自体の旨味が凝縮される季節であることの必然でもあるのですが。

ただ、幼き頃からなんとなく新米の美味しさを認識していたとしても、その美味しさや素晴らしさを本当に心から噛み締めることができるのはやはり大人になり、様々な食べ物の味を知り、春夏秋冬を数多繰り返してきてこそのものなのではないでしょうか。私も、小さなころからなめこのお味噌汁は美味しいものだと感じてはいたももも、真空パックにされていない新鮮ななめこの食感や芳醇な香り、そしてお味噌の味、お出汁味全てを一緒に味わってそのどれもを本当に美味しいと感じられるようになったのはつい最近のことです。

ファッションの文脈に置き換えるには荒々しいことになりますが、チノトラウザー、デニム、カシミヤのニット、ポプリンの白シャツなど、若い頃からそれらを着る機会がある定番のアイテムの真の素晴らしさやブランド毎の個性や趣のようなものは、きっと経験を重ねた大人にならないと、ものの奥の奥に潜む魅力に気がつくことは難しいように思います。メンズファッションよろしき端正でスマートな印象のシルエットや素材使い。飾り気のないデザインの醸し出すトラディショナルな空気。言葉にすればありふれていますが、このトラウザーの持つ“礼儀正しさ”が真に善であることは、世の中のあれこれを知り始めた大人だからこそわかるものではないでしょうか。(守屋)

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人の第一印象にこの服はどれほど作用するのだろう

blurhms / Reversible Hospital Jacket / ¥71,500

人はなにを見て、その人を認識し識別するのでしょう。初めてあったその人と再び出会うとき、なにを持ってかつてあったことのあるその人だと認識するのでしょう。髪型、眼鏡、特徴的な目や印象的な鼻。背格好。おおよそその記憶の経路を辿る鍵となるのは顔やそのまわりのパーツと全体的なバランスかと思います。

どんな服装をしていたかを記憶に留められる人は意外と少ないのではないでしょうか。初めて出会ったその時に“面白いデザインの服を着ている人だな”という印象を持ったとしても、それが記憶の中では時を経るごとにどんどんと曖昧になり、“面白いデザイン”がどんなであるかなどはさっぱり忘却され、そしてそのあとで勝手な自分のイメージによって作り出された架空の人物とその人の着こなしというものが頭の中で残り、記憶として定着していくのでしょう。

自分に馴染みのあるブランドの服をもし初めて出会ったその人が着ていたならば、それはその人を記憶する重大な鍵となりますが、それ以外の場合においては、誰がどんな服を着ていたか、ということに関しての記憶はほとんどつかみどころのない霧のようにうつろげです。すごく上質そうなカシミヤのニットを着ていたなとか、目の覚めるようなブルーのシャツを着ていたなとか、上質そうなジャケットをカジュアルに着こなしていたバランスの人だったなとか、もし記憶にとどまっていたとしても洋服に関するヒントはそれくらいなのではないでしょうか。

blurhmsの服は特に、例えば初めて出会った人がどんな服を着ていたかを思い出す時に記憶に残らない類の、すごく控えめで主張がなく、一瞬で万人の目を引くデザインがあるわけでもない普通の服です。ただ、その服を長年着続けたならば、それはその無個性を脱してその人そのものを映し出すほど個人的な香りをまとうものになります。第一印象ではない、第五、第六印象のときに、重要なパーツになる存在の服。自分を印象付けるわけではなく、自分の印象を吸い込んでくれるような、そんな服です。(守屋)

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無計画による胸の高鳴り

m's braque / SMOKING JACKET Tweed / ¥85,800

SALEの時期が必要以上に早まったり、先行予約で商品を買うとお買い得だったり、アパレル業界特有のシーズンの波に乗ると本当に必要なときに必要にかられて洋服を買うということが少なくなっていきます。夏にダウンコートを予約し、本当にそれが必要な冬がやっきたときにはもう春のシャツを予約している、そんな現象が起こります。

欲しいものは早く買わないとなくなってしまう、予約しないと完売してしまう、という理由で買い物を効率化しお財布の計画を立てて必要な洋服を揃えていくこと。それ自体は理にかなっており何も悪いことはないのですが、ふと、予定していた打ち合わせの前に時間があいたとして、近くにあったお店になんの気もなく立ち寄ってみたらみたことがないジャケットが置いてあり、衝撃の出会いのようにびびっときてしまう、なんてことももちろんあり得るでしょう。

予定になかった買い物に、お財布計画はくるうばかりで、その後の予定の変更すら必要になるかもしれないのですが、だったら最初から予定なんて立てずに、計画的にお買い物をせずに、出会いと直感だけでそのシーズンに必要なものを揃えてみるのも、決して悪くないことです。計画のうちにある商品が発送されて自宅に到着した時と、計画になかった洋服とであってなぜか片手にショップバッグを持って帰ったその時と、どちらが胸の高鳴りを感じるでしょうか。(守屋)

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