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どこにも、誰とでも、どんなときも

Barbour for BLOOM&BRANCH / Stand Collar Jacket / ¥72,600

冬の空気がぴりりと緊張感があるからなのか、気温が下がり本格的な冬の到来を感じると何故だか身なりをしっかり整えていつもより少しぴしっと決めたくなるときがありませんか。特段、誰かと食事にいく予定や、大事な商談があるわけもない普通の日常の中のありふれた1日でも、何故だかふと、今日はちゃんとした服装をしたいな、と思うのは、夏より圧倒的に冬が多い気がします。

アウターを着なければ寒いし、コートというアイテムはどこかフォーマルな印象があるからそういった思いつきが自然発生してしまうのかもしれません。あるいは、年の瀬に向けて今年1年の自分を振り返って来たる1年を迎えられるようけじめの気持ちがあるのかもしれません。

外出の機会が減り、着飾る機会も今までよりは少なくなって、誰と会うわけでもない日に“丁度いい”服を求める傾向がより一層強まった中で、日常にも“丁度いい”し、着飾りたいときにももってこいの、そんな万能なアイテムなんてあれば最高なのにと思って見渡してみると、思ったほど理想に当てはまるものは多くありません。

歴史あるBarbourだからこその質実剛健な面構えと、どんな天候にも対応し得るスペックを備えた素材使い。スタイリングによってマフラーや革の手袋を足して革靴を合わせれば大抵のところには胸を張って出かけられるし、デニムにスニーカーでアウトドアアクティビティにも似合ってしまうし、ちょっと近所まで買い物に出かけるにも、おおよその洋服にはばっちりとはまる。中にニットも着込めるしインナーダウンなんてあれば真冬もへっちゃらで…と、地味なようでいいところを挙げればキリがない一着です。良い年の瀬をお迎えください。(守屋)

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白いコート

NICENESS / CRMSO / ¥248,600

冬の空はどこまでも高く高く私たちから遠ざかりながら雲の姿をどこかに追いやって究極まで澄み渡り、そして空と私たちとの間には果てしなく澄み切った空気が広がります。冬の晴れ間は、夏のそれのようにエネルギーを放出するような晴れ間ではないものの、どこまでもじんわりと、幸せという見えないオーラのようなものを地上まで届けてくれる静かな包容力があります。

陽光は、限りなく透明の空気を通過して白く柔らかく降り注ぎます。緑から茶色に変化した木々、落ち葉が積もったコンクリート、あるいは雪が積もっているところもあるでしょうが、徐々に彩度を落としていく街の中で、真っ白のコートはそこに広がる空気と合わさり、混じり、そしてそこに溶けこんでいくのでしょう。色彩を欠いた世界では、ものは白か黒かのどちらかに近づいていくもので、黒は暗さを、白は明るい光を含みます。

明るい光の満ちた白の安心感と温かさは大きく腕を広げて私たちを包み込んでくれるようです。その頼りがいある姿に、私たちはきっと、つい身を委ねてしまうことでしょう。どんな色を纏っていても、どんなところに向かおうとも、あるいはどんなに心が暗くても、安心できる頼もしい相棒が一人いれば、きっと大丈夫だと、そう思えるような存在です。

白のコートには、黒のコートにはないそんな魅力が詰まっています。どんな素材でできていて、どんな形をしていても、白のコートは白のコートとしての不思議な力を持っているはずです。そして何より、色を持たない白は、ここからどんな色にも染まりどんな色にも変化し、どんな色とも仲良く手を取り合うことができます。(守屋)

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人間的な時間を意識することで見えるもの

Phlannèl / Arles Wool Tweed Gown Coat / ¥96,800

ギリシャ語において、時間を表す単語にはクロノスChronosとカイロスKairosという2つの単語が存在するのだということを私は最近知りました。クロノスとは一定の速度で一方向にのみ進んでいく、いわゆる時計的な時間を指します。一方でカイロスとは、出来事の連続性や重なりによる時間、主観的な時間を指します。

例えば、明るい時間から楽しく友人とお酒を飲み交わしていると一瞬で夜がやってきてしまうことや、退屈な講義が永遠に長く感じられる時間のことです。カイロス時間は人間時間であり、その長さは感じる人によって自由に伸び縮みします。

私たちは主に仕事において、人によっては生活全体において非常に効率を好んで現代を生きています。いかに一定時間にたくさんのタスクをこなせるか、いかに無駄を省いて必要なことに専念できるか、ということを常に考えて生活しています。かと思えば自分以外のことには非効率をとても好む側面もあります。一針一針丁寧に縫われた手仕事の生きる洋服に価値を見出し、工場生産ではない、顔のわかる誰かが作った温かい料理に幸せを噛み締めながらお腹を満たします。

どちらが良い、悪いの問題ではありませんが、無意識に生きていると世の中はクロノス的時間軸で進んでいき、本当に自分が豊に感じられることや幸せを見出すきっかけを失いかねません。意識的に目を向けるべきはカイロス的時間。バスケットボールの試合中、シュートをするために飛び上がった一瞬は、本人にとっては全てがスローモーションに見え、相手の動きも、ボールの動きも、そして自分の体もコマ送りに見えるときがありますが、そんな一瞬を見るように、私たちの生活を囲む環境の一つ一つをゆっくり見つめてみることも、時には大切なのではないでしょうか。(守屋)

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快適以上

COMOLI / Sheep Skin Flight Jacket / ¥264,000

近年のファッションの潮流としては快適性、機能性を追求したデザインや素材使いが主としてあるのではないでしょうか。それだけが全てではなく、快適でなおかつ美しく見えるとか、心地良くてなおかつオケージョンにも対応できるデザインであるなどアプローチは数多あれどものごとの軸足として強く存在している価値観かと思います。

快適以上のものが存在するでしょうか。心地よさを突き詰めた服以上に“良い服”というのはあるでしょうか。袖を通した時、手に触れた時に気持ち良さを感じる服がもたらす幸福度はおそらく、着ることで気分が高まるような類の洋服以上に生理的な階層においての、人間のかなり根本的な心地よさへと繋がるものだと感じます。

着心地さえよければ通念スウェットでいいのかといえばもちろんそんなことはなく、季節に応じた素材使いの洋服を、作りのいいものや作り手の理念のある洋服を着たいものですが、それでもやはり快適性には抗いきれません。COMOLIのシープスキンジャケットにひとたび手を伸ばしたならば、私たちは心の底から、身体の軸のさらに芯の部分から湧き上がる幸福感を感じることができます。

ひとたびそれに体を預けたならば、幸福感は身体中に満ち満ちていくでしょう。なんとも言いえないじんわりとたしかな暖かさを肌に感じながら、快適性に勝るものはないのだと、つい口から言葉がもれてしまうはずです。(守屋)

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