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両極端の間の話

NICENESS / ADAMS KHADI SILK PRINT SHIRT / ¥45,100

現代において仕事と呼ばれるものの幅はぐんと広がりを増しており、新しい肩書きを作って新しい仕事の形を創出し、自分の役割を言語化している人も少なくはありません。あるいは、二足の草鞋、ないし三足、四足の草鞋を履いて現代に既にある仕事を並列させて小商的に仕事をこなす人もいるでしょう。

デザイナーをしながら書き物をしたり、企業PRをしながらインフルエンサーであったり、販売員をしながらスタイリストであり、かつイラストレーターでもありカメラマンでもあったり。様々な仕事や専門分野(と呼ばれるものがあるとしたら)の領域の間で左に右に、ときには斜めに移動しながら自分の役割を全うしている人を見ると、実に柔軟に世の中に適応しているなと感嘆します。

他方、やはり専門的に一つのことをこなす人ももちろん重要で、ものごとが両極端から発生するとしたらそれこそが専門領域と呼ばれるものなのではないでしょうか。そこがあるからこそ、両極端のバランサーとしての役割が発生し、自由に左右へと往来できる人がそこに仕事という自分自身の役割を見出せるにすぎないのでしょう。

ファッションにおいても同様で、両極端的プロフェッショナル、秀でたクリエイションの間で、バランスをとるように生み出される洋服の役割も十分にあります.NICENESSはきっと両極を担っているブランドの一つであることは否めませんが、端と端をつなぎ合わせるようなブランドの洋服を取り入れたり、間を取り持つ役割を着用者自身が担うなどして、自分らしくスタイルを表現するのは実に心躍るものですね。(守屋)

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Sight

Phlannèl / Summer Twist Wool UK Ceremony Trousers (Check) / ¥50,600

Phlannèlの22SSコレクションのテーマカラーとなる青。毎日見上げる空は青く広がっていて、そこには海の青が反射されているかのようです。空はなぜ青いのか、というのは多くの子どもたちが一度は思い浮かべる疑問のひとつでしょう。太陽の光によって私たちの目に青が届くという事実は、大人になったいまでも、それを思い返すことで世界を見る目を一度リフレッシュさせてくれるような気がします。

青は、空や海を想起させるためか、緩やかにたゆたう自由さを感じさせてくれます。これがネイビーに近くなればなるほど、ユニフォームや正装のイメージが強くなっていき、その自由さは少し減退するのではないでしょうか。芯の強さや統率力を意識させる強い青とはまた違う、自由な青。

そこにトラッドな要素やワークウェア の要素が加われば、意識していた青とはまた違った表情をもった洋服たちが顔を覗かせます。色彩による私たちの心理変化や、洋服のデザインがもたらす印象操作というものの不思議さを改めて感じさせてくれるでしょう。そしてPhlannèlの洋服はそこに正解を示さず、理解を着用者に完全に委ねてくれますし、理解したあとの表現についても、完全に私たちの自由意思に委ねられています。

Phlannèlの世界について、写真とテキストで表現されるコンテンツ、「Sight」がPhlannèl HPにて隔週更新されています。ぜひこちらも見て、ブランドの世界を広く体感していただけましたら幸いです。(守屋)

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知性と個性

PHLANNÈL SOL / Stand Collar Pullover Shirt / ¥23,100

日本古来の言語意識の一つに、「縦には正しさを、横には不正をみる」考え方があるようです。正誤という判断とは異なるにしろ、確かにストライプは正装の場でも着用を許させることがある一方でボーダーはカジュアル着として認識されることが大半です。そういった意識が影響しているわけではないにせよ、ストライプのシャツはどこか着る人を端正に、そして知的に魅せてくれる力があるように感じます。

知性を漂わせるストライプシャツはおそらくその多くが寒色系で、そして織りなす線は細くしなやかさを携えていることが多いのではないでしょうか。これは完全な私見ですが、細いストライプの知性の一方で、太いストライプ模様の大胆さは、着る人の意思の強さや芯の太さを感じさせ、とてもファッショナブルに見え気がしています。

PHLANNÈL SOLのストライプシャツの面白いところのひとつが、その細さと太さ、要するに知性と個性を両方持ち合わせていることです。遠目にこのシャツを着ている人を見てみたとき、淡い白とブルーのストライプの柄を認識しますが、その人に近いてみるとその淡い白の間には繊細なブルーが顔を表します。

知的で繊細で個性もあり、意志の強さをも感じさせる人がもしいたとしたら、きっと魅力的な人に違いない、とこのシャツを眺めながら感じ入るとともに、そんな人物への羨望の気持ちもあってこのシャツを是非自分のクローゼットへ迎え入れたいと思うのです。(守屋)

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一つの楔

PHLANNÈL SOL / Motorcycle Pants / ¥35,200

OUTILの宇多氏に素材開発を依頼した特別なモーターサイクルコートとモーターサイクルパンツ。ものづくりにおける姿勢についてはJOURNALでご紹介しておりますが、そこにおいて印象的だったことは、作る場所による土地の個性や空気は必ず出来上がったものに表れるということです。

東北で生産されることの多いPhlannèlの作るものは、たとえ同じ生地を使って作ったとしても多くを西日本やフランスで作っているOUTILのそれとは保つ空気が全く違うのです。もちろん、肌感覚ではそれを身に着ける私たち自身にも伝わっているものなのでしょうが、言語化されて初めてその空気の違いを認識することができ、洋服に対するとても新鮮な視点を得ることができたように思っています。

だからと言ってもちろんのこと、「フランスで作られるものが好き」とか「新潟で作られるものが肌に合う」などと言ったことには決してならず(そうした判断は正しさからはずれているとも思います)、誰がどのように考えてどのようなものをどのようなアプローチで生み出したのかという過程全てを無意識下で感じた上でただ好きか嫌いか、心が動くか動かないかでものを選択することがファッションの楽しみ方の全てであることには変わりはありません。

そのものづくりの過程に打たれた楔のようなものの一つがただ生産する場所であるだけなのですが、ただ、その楔の一つを知っていることと知らないことで見える世界の彩度の違いは、きっとあるのではないでしょうか。是非多くの人に、直接見て触れて感じて、そのあと見える世界の違いを楽しんでみていただきたいと思っています。(守屋)

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違和感を大切に感じること

PADMORE&BARNES×KAPTAIN SUNSHINE for BLOOM&BRANCH / Arran Exclusive / ¥46,200

外へ外へと放出される人間の気持ちや興味関心が、様々な制限のおかげで内へと向かうことが多くなった昨年だったように思います。“内向的”という意味ではなく、“内省”するような視座を、少なからざる人々がこれまでの人生経験において最高潮に持ち合わせたのではないでしょうか。

人と違う服を着たいと思う人が個性的なファッションスタイルを確立していたり、あるいはトレンドから逃れまいとする人がファッショントレンドを支えていたこれまでの流れから一転し、内側へと向かう人々の視座により、他者と比較するのではなく、「自分にとってどうであるか」という価値観でものは選択されるようになりました。

自分が好きかどうか、自分の生活スタイルに合っているかどうかが、他者との違いよりも大事な要素になりました。ただそれは決して自分の周辺環境への興味がなくなったということではないと私個人は感じています。これまで知らなかったような自己の深い感性を自分でよく理解してこそ初めて、他者との違いを正確にと言いますかより高い解像度で認識できるようになることだと思っています。

だからこそ、今の自分は他者に対してどのようなスタンスを取っているのか、違いは、オリジナリティは何なのかを、おそらくですがより深く考え、理解することができるようになった人が多いのだと思っています。そうなってきたときにまたファッションはより一層、自分のものさしで考え表現でき、より一層、楽しいものになると思っています。(守屋)

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