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春のニットへの憧れはいつのまにか

NICENESS / SERGE / SVR-BORO CARDIGAN / ¥94,600

“品の良い大人たちはみんなニットをうまく着ているな、それも春に。”
それは男女問わず共通することで、パワフルな女性も、シックな男性も、エレガントなあの人もみんな春先には上質なニットをとても心地良さそうに素肌に近いところで着ていました。そんなことを、20代も終わりのカウントダウンを始める頃にふと思ったことがありました。それからというもの、春先に街中でコットンやシルク、その他上質そうなニットを着ている人を無条件に探してしまう自分がいます。

おそらく過去にもニットを着る大人への憧れについて書いたことがあったように記憶していますが、その気持ちは自分が歳を重ねるにつれ、憧れの気持ちからだんだんとパーソナルな悩みや嗜好に近いものへと変容していったように思います。今の私は、薄汚い古着のカットソーやスウェットに目がない反面、着るならどう着るべきか?ということをTPOを含め考えずにはいられなくなり、『この歳にもなって…』と誰かから注がれる冷ややかな視線をどうやって掻い潜ろうかを考えたりもしてしまうのです。

自分のファッションといいますか、自分らしさは壊したくないし、いわゆる30代相応の着こなしというものに興味があるわけではないものの、歳とともに出会う人の幅も広がり、自分が似合う服も変わっていきました。その変化の中で、ボロボロのスウェットを着るときは首元にパールのネックレスをあしらうようになったり、ボロボロのスウェットの代わりにニットを着て、ボロボロのデニムを履いてバランスをとったり、あるいは品の良いシャツにスラックスのスタイリングではシャツにアイロンをかけずにラフに着てみたり。

アイテム同士の相性が、一瞬で判断できるようになってきたことも歳を重ね経験を積んだことに起因するメリットでもあります。そんなこと全てを活かしながら、ぼろい古着も綺麗なドレスシャツもジャケットも、アンティークウォッチもジュエリーも、そしてヘアメイクも、その日その日を大切にしながら、楽しんで自分らしく選び取っていきたいと改めて感じた3月の終わりでした。(守屋)

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選ぶ基準は自分の中に

KIJI / KUWA / ¥27,500

最新のBLOOM&BRANCH JOURNALでは、Phlannèlデザイナーの浅川とKIJIのデザイナーでもあるディレクターの中出がデニムについての個人的見解を示しながら、今欲しいデニム、自分に必要なデニムについて話しています。常に時代を反映した素材や形や履きこなしがあり常にトレンドアイテムとして存在し続けるデニムは、同時にオーセンティックで普遍的なワークウェアでもあり続けます。

デニムを履きたい動機としては、単純にその時のスタイリングに抜けを出したり、色として、素材としてのデニムを取り入れたいというファッションの純粋欲求としてが一つありますが、あるいは子供と遊ぶ日だったり作業が多い仕事の日だったり、アウトドアアクティビティを予定している日に手に取るという実用の動機も存在するはずです。

動きやすさ、履きやすさ、耐久性、そしてなにより今回のJOURNALで二人のデザイナーが述べていたように、「自分の体型にいかに合うか」、「デニムというアイテムをいかに野暮ったくならずに自然に無理なく格好良く履けるか」という見た目の問題が、やはりファッションアイテムである以上無視できないものであることが再認識されました。どれだけトレンドの形があろうとも、サイジングがあろうとも、自分が格好良く履けないならばそれはいつかは箪笥の肥やしになるのみで、ずっと長く愛せないならばそれこそがサスティナビリティとは無縁の悪きファッションの姿を見せてしまうのみなのです。

デニムというのは衣服の中でも特にオーセンティックなアイテムだからこそ、選ぶ幅も広く種類も豊富です。だからこそ、いかに自分のニーズを満たすことができるものかを見定める力と、自分の体型や生活週間に対する高解像度の目を持つことが大切になるのでしょう。(守屋)

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春の日に

Phlannèl / Linen Cotton Guernsey Cardigan / ¥33,000

カーディガンは、とりわけ春先には様々な用途で活躍してくれる万能なアイテムの一つです。例えばジャケットのように、あるいはシャツのように。そしてニットとして防寒アイテムにもなり、シャツのように軽快に羽織れるものとして。冬のニットのそれと異なるのは、季節柄防寒性を強く意識する必要がないためでしょう。

ジャケットほどにかしこまる必要がなければ、シャツのようにアイロンがけもいらずに手軽で、暑くなったら折りたたんでバッグにしまうこともできるし、肩に掛けるだけにしてスタイリングのアクセントとして使ってもいい、そして肌寒くなったらそのニットに袖を通すこともできる。利便性だけが洋服の全ての意義ではないですが、やはり一枚で出来るだけたくさんの用途を含んでいるもののほうが手元にあって安心するものではないでしょうか。

ただ一方で、ネイビーでもベージュでもグレーでも、何にでも合わせやすい究極の万能服が想定されますがそこには少しだけ個性や、キャッチーな明るさや、着ることの楽しさが感じられるものが心の充足度は高まるようにも思います。真っ白のシャツにぱきっとジャストサイズのデニムを合わせて、ネイビーのカーディガンを上品に羽織ることも素敵ですが、そこに柔らかなブルーのニットを合わせたならば、春のあたたかな光もより一層暖かく感じることができたり、ただの白いシャツが一層白さを増して見えたりすることもあるかもしれません。

ウールからコットンへ、そしてリネンへと、季節とともに移ろう素材軸も楽しみながら、毎日がなんてことのない日々であるよう願うのみです。何事もないいつもの毎日にささやかな幸せを見つけましょう。(守屋)

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旅の行き先はそれぞれ

Cristaseya / OVERSIZED CLASSIC COLLAR SHIRT / ¥77,000

人工的な新しさや刺激的を欲していた時期ももちろんあったはずなのに、最近はもっぱら自然的な色彩やテクスチャー、プロポーションのものを無意識に好むようになりました。時代性がその感覚にさせているのだろうと考えると合点がいきます。不安定であらゆる情報の波にのまれながら、何かに裏切られ、何も信用できないような気持ちになるとき、ずっとそこにある自然的なものに心を惹かれ信仰心にも似た安息を求めているのでしょう。

柔らかな陽光のようなイエローや砂を連想させるライトベージュ、土の色、空の色、草の色、海の色。自然には限りないほどたくさんの色彩であふれていますが、そのどれもが目に優しく自然な速度で私たちの目に吸い込まれるようにじんわりと歩み寄ってきます。Cristaseyaのコレクションは常に旅をインスピレーション源としているからか、広大な大地や海を見渡したときのようなおおらかさで包み込まれるような景色を見せてくれるようです。

一見刺激的に思われるようなグリーンやはっとするブルーや人工的な印象を受けるパープルやその他鮮やかな色彩たちは、よくよく見るとどこかで見覚えのあるような温もりある情景を連想させ、それでいてどこか新しく、まだ行ったことのない土地をあてもなく歩いて彷徨っているようなわくわくどきどきした気持ちを感じさせてくれるようでもあります。例えばこのグリーンは、もしかしたら青さが深まった真夏のどこかの木々の色かもしれません。それは決して春のうららかな気候に見る草原の緑とは異なります。

私たちが見慣れた花の色と違い少しの毒々しさを携えたピンクやパープルは、厳しい環境の中で必死に生きた花たちの花弁の色かもしれないし、ぎらぎらと燃えて今にも溶けて無くなってしまいそうな夕日に染まった街の景色かもしれません。どこにいてもどこへでも旅をさせてくれる新しい切符がまた、手に入りそうです。(守屋)

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