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夏に木のうつわ

蝶野秀紀 / 栃挽きたて浅鉢 / ¥11,000

伝統的な漆器と違い、薄く薄く漆を塗布し、さらにそれを丁寧に拭き上げ、さらにまた塗り重ねていくという工程を踏んだ蝶野さんの作品は、ろくろのひきめや木本来の表情が美しい陰影を生み出す作品です。木の器、あるいは漆の器はガラスや陶磁器に比べてハードルが高い印象で、どんなシーンで使えばいいのか用途に困ってなかなか手が出せないというお声を聞くことも多いです。

そんな中で蝶野さんの作品をはじめ木のうつわのとても素晴らしいことの一つに、化粧された陶磁器に比べて皿に載せた食品の湿気を適度に吸い込んでくれることがあります。かりっと焼いた食パン、パウンドケーキ、季節外れですがお餅や、その他のものを載せておくと皿に水滴がついてしなっとなってしまうことも多いところ、木の器ではそういったことが起こらず美味しい状態をキープして食事を楽しめます。

木地そのままではなく漆を塗布しているからこそのお手入れのしやすさももちろん、あとは落として欠けてしまう心配が少しだけ少ない(とはいえ大きく落としたりぶつけたら割れますが)ことも嬉しいです。
オンラインショップで改めてうつわのお取り扱いが始まりました。蝶野秀紀さんの作品以外にも、今後展開数を増やして掲載していく予定です。また、一部商品は店舗と共有の在庫となっておりますため在庫の確定および発送までお時間を頂戴する場合がございますがご了承下さい。(守屋)

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質感を伴う直感を

Phlannèl / Linen Anonymouse Shirt / ¥24,200

買い物をするときに大切な指標の一つとなるのが直感です。よくよく吟味して自分のクローゼットの中を何度も反芻しながらスタイリングを練り上げてコストパフォーマンスを十分に計算した上での買い物の間違いなさも確かにあるでしょうが、その一方でなんの躊躇いもなく直感で手にした一着の持つマジカルな強さは誰しもが経験していることでしょう。

とは言いながらも、直感で選んだものが結果とんでもない失敗の一着となって苦い思い出になるということも往々にしてあるかと思います。一口に直感と言っても、確かな直感と危うい直感の間には目に見えないながらも大きな隔たりがあることは明確なのです。ではその違いとはなんでしょうか。

私個人の意見としてそれは質感を伴った直感であるかどうかの差であると考えます。世の中の流れや既視のもののイメージ、固定観念などが無意識化に働いた直感には、自分自身の中で確立された根拠を立証する術がありません。反対に、日々積み重ねてきた自分の生活の質感を伴った直感であれば、自分自身でしっかりとその直感を信じきれる、裏付けのようなものが存在しているように思います。

「暑い日は半袖」「今年はグリーン」「サイズは大きめがいいはずだ」という無根拠の直感ではなくて、「自転車に乗っているときに長袖のシャツからこぼれる風が気持ちよかった」「シャツはいつまでも捨てずに取っておける、いつかまた時期が来たら着られる」という生活の質感をともなう直感であれば、自分が自分を信用するに足る根拠になるでしょう。もし万が一失敗しても、それはその時。楽しい思い出に変えましょう。(守屋)

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ポジティブな服

CASEY CASEY / FABIANO SHIRT / ¥71,500

いかにも今っぽいというものでもなく、もちろんBLOOM&BRANCHとして、「これは今っぽい!」と思って仕入れをしたり提案をしたりしているわけでもないのですが、なんとなく今の気分というものにしっくりとくるものってやっぱり多くの人に共通してあるように思います。

ここ最近では明らかにポジティブさを感じるものがそれにあたるように思います。完全に個人の感覚ではあるのですが、色であったり柄の付け方であったりデザインの持っていきかたというのでしょうか、ものが漂わせる「なんか元気もらえそう」という雰囲気が、どうしてもやはり多くの人を惹きつけているように感じてなりません。

これまでだったら、オーセンティックで長く愛用できてスタイリングに困らない汎用性があって合理的なものが席巻していた市場にきらりとひかるそれらの個性あふれる面々が出てきて、街の景色を明るくしていると思うと、そうやって活気付く街を見ているだけで元気も湧いてくるものです。ネイビーやブラックやグレーで、無地のものあるいは出来るだけ無地に見えるような細かな柄物から、大振りで一目で印象に残るような、かと言って一線を超えているわけではない絶妙なカラーや柄の組み立て方。そんなCASEY CASEYのシャツが入荷しています。

茶色がベースにありながら同系色でまとめられ、赤と白で構成されたストライプが目を引きます。単純な太ピッチだと結構なインパクトを与えるところ、それが細かいストライプに細分化されているところも、なんだか高圧的なだけではない柔らかさと誠実さが感じられ、安心して心を預けられるような気持ちがしていきます。見ているだけでだんだん、明るい気持ちになってきませんか。(守屋)

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むずかしいは面白い

Le Yucca's / Celluloid Buckle Belt / ¥42,900

以前の記事でも、別注に関する個人的な感想や、ともにお取り組みをしてくださるブランドの方から聞いたことを書いた記憶がありますが、ここ数年、どんなセレクトショップでも“エクスクルーシブ”なものが溢れかえり、それらは逆に同一のカテゴリーの中に内包されてはいないかと思うことが増えました。単なるオプションの一つにすぎないものといえばいいのでしょうか。

素材を変える、形を変える、そうしてより多くのお客様の心に響かせ、欲求を掻き立て、実際に販売してより多くの人に届ける-もちろん、多くの人に支持されるということは一つの価値であり、大きな成功であると言って差し支えないでしょう。ただ、それだけではなく、わたしは一消費者として、導かれたり新たな価値観を認識できたり、試されたりされるようなものに惹かれるし、そうしたものに対価を支払いたいと思うのです。

「今のわたしはこんなものが格好良いと思っているけれど、理解できますか?」「こんな工夫を凝らすとこんな新しい現象が起こりますよ」「このアイテムは従来こんな着こなしが普通だけどこうしてみたらどうですか?」などなど、自身の内側からは生まれえなかった何かが得られるとき、素直に心は感動し、うすぼんやりとしか開かれていなかった目ははっきりと見開かれるような気持ちがするのです。そういう体験をした時、純粋な嬉しさがあり、もの以上の価値を感じることが多々あります。

あるショップのエクスクルーシブというのはそういった価値観が反映されてしかるべきものであるからこそ、もっとこちら側(消費者)を挑発するようであっても良いなと思います。評論家の小林秀雄は『人間の建設』の中で学問について『むずかしければむずかしいほど面白いということは、だれにでもわかることですよ』と述べていましたが、難しいことに面白さを感じることはきっと人間の本質のようにも思います。そして、この直感に正しさはありませんが、Le Yucca'sのこのベルトに対して、作り手のエゴや独自の価値観を感じ、挑戦的な姿勢を感じ、とても惹かれたのです。(守屋)

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皆を虜にする青

KIJI / HINOKI / ¥26,400

大学生の頃に古着にどっぷりはまり、アルバイトをしながらちょっとずついろんな年代のものを買い集めてきたのがデニムで、リーバイスもビンテージだけが全てではなく、ユーロリーバイスが全盛期を迎えたかと思えば90'sの青いMade in USAがフィーチャーされ、シルバータブが日の目をみたりと時代の変遷によって評価されるデニムという立ち位置は常に面白く人々の興味の対象であり続けるでしょう。

ユーロリーバイスが流行り始めた頃、ありとあらゆる古着屋をまわり、自分にジャストサイズの、尚且つしっかり色が残った綺麗な一本を求めてしつこく試着をしまくっていたのが思い出されます。その時同行していた友人は、どのお店で試着をしても店員さんに「すごくきれいに履きこなしますね」と言われており、どんなサイズやどの国のものを選んだとて素敵に履きこなせていただろうに、一方で私はどのサイズもどの国のものもしっくりこず、その頃から自分の身体にはリーバイスが似合わないのだとレッテルを貼るようになりました。

アパレル業に従事する中で様々なブランドから出るデニムの個性あふれる品々を目にし、足を通し、“リーバイスこそ全て”という偏見が薄れ、本当に自分に似合うデニムにいくつか出会うことができるようになりました。ルーズなシルエットのものも、スタイリッシュなものも、フェミニンに見えるものも、どんなジャンルだろうと必ずどこかには自分に似合う一本がある、デニムの懐の深さをだんだんと知り、ますます魅力に取り憑かれています。皆それぞれに、デニムにまつわるストーリーがたくさんあるのではないでしょうか。(守屋)

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