denis colomb / HORO BLANKET NOMAD / 140,000+tax
夜の静けさは人々の眠りや街の眠りそのものであり、朝の微かな温かさは、目覚めと共に温度を上げていく人々の体温そのものであるように感じることがあります。そして柔らかな朝の陽光に包まれて私たちはそれぞれの新しい1日を始めます。
まだ子供の元気な声や誰かが通り過ぎる足音が聞こえない静かな朝の時間というのは、空気の揺れ動くようなエネルギーを感じることが少なく、ぴんと糸を張ったような緊張感すら感じることがあります。一方で同じように空を桃色に染める夕日やその時間の空気は、1日を懸命に生きた人々のエネルギーを吸い込んで大きな振動を起こしているように感じます。
その揺れ動く空気を肌で感じながら、私たちはまた来る新しい夜を、迎えます。冬は日が短く長い夜がありますが、そんな冬の夜には夏とは違った「夜の新しさ」や「何かの始まりの夜」の存在に気づかされます。
新しい夜が始まると、私たちは思い思いの音楽を聴きながら物思いに耽ったり、誰かと食卓を囲んだり、会話を楽しんだり、昨日とは違う自分になれるような本を読んだり映画を観たり、泣いたり笑ったりするのです。光に照らされてきらきらと光る空気や、ぼんやりと浮かび上がる星空の美しさが一層際立つ冬がやってきますね。(守屋)