児玉美重 露華 52,000+tax / 露華 白 32,000+tax
昨年はこれまでになく、家での食事を意識することを余儀なくされ、更に言うと生活空間そのものを見つめ直すのに絶好の機会を与えられたように思います。空間に花を活けることが新しいルーティンとして日常に加わり、身の周りを整えることがいかに自分の心の整理になるかを改めて認識することになりました。
花を活けることは空間を設えることではなく、花を活けるという行為をもって自身の心を整え、空間に向き合う視点を新しいものにセットし直し、そこに居ることを快く引き受けるための準備をするようなものでしょうか。
食卓に並べる器を選ぶのも同じことでしょう。お世辞にも美味しいとは言えない自分の手料理を少なからず良きものに見せる、見立てるための器としてではなく、その皿を用いて供する食事の場を整えるということへの自分自身の意識づけや、食事を少しでも美味しく楽しいものにしたいという自分自身の向き合い方をセットするようなものではないでしょうか。
水垣 千悦 / ウズ福皿 / 3,000+tax
そんなに難しく考えずとも、自分の感性に引っかかった気に入りの皿や心がときめいた花器や、それに活けるための好みのお花など、心地よいと思えるものに囲まれた空間を用意することは、自分の感覚が常に穏やかに整うための環境整備であり、ささやかなことに美しさを見出す視点を常にフレッシュに保つことができる重要なチューニングのようなものなのではないでしょうか。去年得た新しい感性は忘れず今年も持ち続け、慎ましやかに毎日を過ごしていきたいものです。(守屋)