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KIJI / Cotton Tencel Denim / 21AW New Collection / Terashima

意思疎通において言葉だけで伝えるというのは完全ではありません。当たり前のことかもしれませんが、意外とこれに気付くのが難しかったりします。伝達者の感情や間合い、空気感や時にはアイコンタクトなんかの情報を組み入れ、伝えようとしないと伝わらない時が多々あります。もちろんその情報を享受される側にも重要なファクターが様々あることは周知の事実です。我々の仕事というのはお客様の求めているもの、その需要に合うものを色々な情報を引き出したうえでご提案する事です。いつまでたってもこれが非常に難しく、且つ醍醐味の一つであることは言うまでもありません。その中で私が非常に苦労するのは口頭で生地の質感をお伝えすること。硬いのか柔らかいのか、風合いや経年後の着心地の変化までをすべてお伝えするのが容易ではないのです。綿素材をはじめ麻やウールにカシミア、シルク…と並べるときりがないのですが、今ではそれぞれにクオリティのピラミッドが存在し、その一つ一つを紐解いていくと、それはもう膨大な情報量です。"コットンテンセル"は、文字通りの綿素材とテンセル素材の混紡糸です。この素材が持つポテンシャルを口頭でお伝えすることがいかに難しいか、これは私だけが感じていることではないと思います。実際に手に取っていただくのが一番手っ取り早いのですが、今の情勢ではなかなか店舗でご購入することが難しい方もいらっしゃいます。そういう方にも何とか伝えたいという気持ちで、今回は私なりのコーディネートを付加価値としてKIJI 21AW New Collection、新型のSUSUと定番OUDOとの比較とともに、新型パンツMAKIをご紹介したいと思います。

まずはじめに、素材の記述をします。テンセルとは、木材パルプを再利用し紡績された原料。世界で今最もエコな製法で作られたサスティナブル素材を代表する繊維です。そしてその混紡糸、"コットンテンセル"は私の感覚値ではありますが、"言葉だけでは伝えきれないほどの滑らかな風合い"を表現する素材で、リネン素材のプルプルとした感覚とはまた違って、洗いこむことでシルクのようなトロっとした質感になり、独特のドレープ感を生み出します。14オンスというしっかりとした重量感を感じないほどに柔らかくなり、バキッとしたデニム特有の硬さはなく、全くの新感覚とおっしゃる方も多い素材です。

Jacket / KIJI / SUSU / 3 / 30,800
Shirt / Phlannèl / Suvin Cotton Wide Collar Dress Shirt / 2 / 28,600
HEIGHT / 173cm

1940年代のエンジニアジャケットをベースにブランドのフィルターを通して焼き直した新型のSUSU。ベースはワークウェアですが、身幅がゆったりとしたシルエットで袖つきがラグランスリーブ、且つ衿をなくした仕様はシャツやニットを中に着込みアウターとして使えるだけでなく、コートのインナーとして着用出来るようサイズ設定がされています。つまりは着回しが抜群です。

私は、一年を通してシャツを着用することが多くワークウェアやミリタリーアイテムを身に付けることが極端に少ないので、今回コーディネートを組むにあたり両者に馴染みが無い方にも手に取っていただきやすいよう、いい塩梅のオールド感やクラシックな装いを意識しました。イメージは70,80年代の雰囲気です。そしてシャツだけでなく、タートルニットを着合わせるなどして、季節感の演出が容易だと感じました。

そして細かい部分ではありますが、注目したポイントが袖裾のステッチワーク。SUSUはインナーでもアウターでも着用可能であるため、後述する定番のデニムジャケットOUDOと比較して袖丈がやや長めに。袖を折りやすいよう肩側に向かってVステッチを施しています。これは一種の気遣いです。例えば、女性がメンズサイズをオーバーに着用してもこのステッチワークがあるのとないのとでは、着用時のストレスが全く異なります。力を入れて折るというより畳む感覚です。

Pants / KIJI / MAKI / 3 / 27,500
Shoes / Le Yucca's / U-Tip Shoes / 39 / 143,000

SUSUと同じ1940年代を舞台として台頭した、US NAVY SAILOR PANTSをベースにした新型のMAKI。定番で展開のあるペインターパンツ・SHIMAと比較して、ワタリが少し狭いもののサイドシームが無い分肌あたりのストレスがより少なく、軽い履き心地となります。通称、巻きパンツの特徴を良くとらえ、高温多湿の日本特有の気候でも快適に着用できる一本です。

Jacket / KIJI / OUDO / 3 / 33,000

長く定番としてご好評を頂いているOUDOはデニムジャケットとしての体裁がSUSUよりも強く、そのディテールも様々です。大きく異なる点に、襟があることと脇線のポケットが挙げられます。襟があることでアウターとしての見え方、上品な面持ちとなりカジュアル過ぎない点が着る人を選ばず提案できます。また、ボタンを全開にしバサッと羽織るだけでも様になりますので、カチッとしたデニムジャケットが苦手な方にも是非お勧めしたい一着です。

時の流れは感じ方が人それぞれなのですが、私は後ろに伸びる影の長さに季節の進みを感じます。いよいよ来たかと、現状猛暑の真っ只中ではありますが、店頭には早くも秋の便りが続々と届いております。春物・秋物は通年お召しいただけるものばかりです。今回ご紹介いたしました、KIJIのコットンテンセルデニムシリーズはどれをとっても今からでも着用いただけるものばかりです。今に目を向け着実に夏を楽しむのも一興ですが、少し先に目をやって新作を見るのも洋服好きの一つの楽しみでもあるのかと思います。今後も皆様の手がスッと伸びるようなご提案をさせていただきたいと思っておりますので、是非店頭に遊びにいらしてください。併せて、私が着用しておりますLe Yucca'sのリストック分が店頭に到着しております。定番で最も支持されているU-Tip / Ghillie ShoesのBlack。既にサイズ欠けもございますのでこちらもお早めにご覧いただけると幸いです。(KYOTO 寺島)

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