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ふるまい

COMOLI / Silk Stripe Pullover Shirt / ¥52,800

特定の物質の性質、あるいはその物質が何者であるかを特定する実験の方法の一つとして、物質の「ふるまい」を調べるというものがあるということを最近読んだ本で知りました。目標のとある物質を抽出して100%純化してそれ自体を調べることが難しい状況である場合に、例えばそれが純度70%含まれた状態のものと90%含まれた状態のものを用意して、それぞれの状況での物質の「ふるまい」を探り、その結果との相関関係から物質それ自体の性質を探るというようなことだったと記憶しています。

「ふるまい」という言葉それ自体は日常生活においては「人」がかかる名詞や動詞活用であるので、その実験過程での物質の「ふるまい」を定量化して探るという感覚がとても新鮮で頭に焼きつきました。違和感を感じると同時に、何か・誰かの「ふるまい」にはその主体の本質が明確に表れやすいのだとも感じました。誰かがある状況でどうふるまうか、という態度には、確かにその人らしさの核がありありと表出するように感じます。

目の前の人が困っている時、会議で危機的なほどに無言になったとき、美しい空を見た時-
その場その場での人々のふるまいは本当に千差万別で、だからこそそこに個性が出るのです。そんなことを考えながら、そこにいてふるまう誰かのことを頭の中で考えた時、その人はどんな服を着ているだろうかと想像を巡らせました。先ほどの言葉と矛盾しますが、人は、どんな服を着るかによって、きっとふるまい方は変わるのではないでしょうか。逆にいうと、人のふるまいに変化をもたらすほどに、着るものというのは人の心理状況にダイレクトに影響を与えるものです。

心地良い服を着ているとき、人のふるまいは少しばかりいつもに比べ穏やかになるでしょう。洋服の中で身体が踊るように動き回るとき、人のふるまいはアクティブになりながらもストレスを感じず楽しげに見えるでしょう。背筋が伸びるようなタイトな服に身に纏ったり、行動を制限するようなドレスに身を包んでいるときには、指先まで神経が集中してふるまいはしずやかで冷たさを伴うかも知れない。
どんな服を着るかで、人の心も、そしてふるまいも変われば、その周りにいる人に与える影響も変わり、自分と自分の心の間の摩擦がなくなったり、自分と誰かの間の溝が消えて行ったり、そんなことまで影響するからこそ、やはり着るものを選ぶという行為は難しさを伴うけれど楽しくもあり、とても大切なことであり、大きく言えば生き方そのものにすら関わるのだろうと思いました。ちなみにCOMOLIの服に身を固めている時の私自身のふるまいはおそらく、心から風や光や湿度や香りを楽しみ、おおらかで自然で飾らずにあるような気がしています。

そして今月を持ちまして、私が担当するWEB SHOP BLOGを終了する運びとなりました。今後はWEB SHOPの運営スタッフがそれぞれの視点で、より明確に素敵な洋服の魅力をご紹介させていただくコンテンツになるかと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。(守屋)

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金銭ではかれないものの価値

NICENESS / RICHARD / ¥75,900

昔、高校の卒業祝いに母親が何か欲しいものをプレゼントしてくれるということで、19歳の私は熟考に熟考を重ね、当時流行っていたセレクトショップでレザーのバッグを買ってもらうことにしました。「きちんとした大人」は、ブランドものの財布か、それなりに高価な本革のバッグを皆一つずつくらいは持っているだろうという勝手なイメージと、そのイメージに近づくための一歩として、私は本革のバッグを選びました。

イタリア製のブラウンレザーのバッグで、その言葉の響きだけで心は高鳴っていたことを思い出します。すごく気に入って使っていましたが、それ自体の質やなめしの方法にまで気をとめるほどに知識のなかった私はその後、使っているうちにそのレザーがなんだかタイヤのようなゴムのような匂いを放つことに違和感を感じでだんだんと使わずクローゼットに引っ掛けたままになることが増えました。

結果としてそれなりに使った後はじっとクローゼットに潜んでいることが多かったですが、その後気がついたときには変な匂いが消えていたことと、また気分が巡ってきたこともあって相当長い間使いこんだことを覚えています。それは、今考えると決して上質なレザーのバッグではなかったかもしれず、そしてその程度の価格帯のものだったようにも感じますが、私にとってそのバッグはつけられた金額の何倍もの価値を持っていました。それは長く使ったが故のコストパフォーマンスの高さなどでも全くなく、ただただ母親に買ってもらったことと、初めてのレザーのちゃんとしたバッグだったこと、記念の一品だったことなど様々な要素を含んだ私だけの価値でした。

上質なレザーを使い、職人がハンドメイドで手間と時間を惜しみなく注ぎ込んだバッグは100万200万の価値を一時的に付与されるものにはなるでしょうが、それは便宜的に市場経済のシステムに組み込まれるためにつけられた数字でしかなく、本来的にはものそれ自体の価値は作った人と、それを受け取り使う人の間でしか測ることができないものなのではないかということを、ふと思い出させてくれたバッグでした。自分の目で、手で、心で、ものの価値を決め、それに見合うようものを使い、使い終わったものたちを見届ける。その一連の流れに自分はずっとずっと主体的でありたいと思います。(守屋)

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絵画を身にまとう

Cristian Wijnants / PALI / ¥81,400

印象的な色使いで織りなされるCristian Wijnantsのテキスタイルは毎シーズン眺めるのが楽しみになるアイテムの一つです。新作コレクションのトラウザーは、モネの睡蓮を思わせるような美しい花が描かれた上品なシルエットの一本。薄紫の花々に、緑が少し青みがかったような色合いの葉や茎が連続していて、儚い印象の中にリズミカルな要素をプラスしてくれています。

モネの睡蓮画は、水面に漂う花、その水面に映る木々、そして水面の下にある水中の世界を同時に描き出しています。それを観る私たちの視線は、水面を漂い、そのうちに水の中へと潜り、かと思えば風にそよぐ木々の方へと流れていったりと自由に行き来することでしょう。どこにも視点があっているようでいて、どこにも合わない視点。風景全体に渡る目線。そんな印象をこのトラウザーから感じました。

あるいは、これは水に滲む水彩絵具の色のあとのようにも見えるでしょうか。もしかすると、実物の花々にカメラを向け、ピントを合わせている最中に見える景色かもしれません。それも暗い場所であるがゆえ、私たちが実際に肉眼で目にする世界とは違ったものをカメラのレンズ越しに見ているときかもしれません。捉え方はさまざま、そんな抽象性させ感じます。

とはいえ私は芸術に造詣が深いわけでもなく、興味関心が高いわけでもないので、これはほんの個人の感想に過ぎませんが、絵画を身に纏うような高貴さを感じさせてくれるこの洋服たちは、日常に美しさを見出すことの大切さを常に着る人に感じさせてくれるようです。(守屋)

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夢のはなし

R.ALAGAN / HORSE RING Silver ¥44,000 / HORSE RING Gold / ¥49,500

突然ですが、寝ているときに夢はみますか?朝目覚めたとき、その夢を覚えているでしょうか?夢には様々な暗示が潜んでいるといいます。夢の中に現れる人物やもの、現象によってその時の自分自身の心理状態を表すものと考えられてもいるでしょう。夢占いというものも存在しています。

先日朝目が覚めたときに朧げに記憶している夢を逆再生で辿ってみると何故だか自分の生活には全く馴染みのない馬がでてきました。聡明で儚く、全てを見通しているかのような馬の透き通るような瞳が印象的な夢でした。以前メゾン・エルメスの展示で観たベゾアール(結石)のことを思い出し、その神秘性について思いを馳せました。

夢の中に出てくる馬は、強いパワーを手に入れること、運を運ぶ存在としての意味が含まれているそうです。そして、馬を飼ったり手なずけることは馬が象徴するそれらのパワーや運を手に入れることを示唆しているもののようです。だとすると、そんな思いを込めて、自分の指に一つ、馬のリングを差してみることは、運を手に入れることやパワーを自分自身の内側にみなぎらせておくためのおまじないとなるでしょうか。

幸運はときに、突然に空から降ってくるように私たちのもとに起こったりするものですが、それはきっと偶然でも突発的なものでもなく、日々こつこつと何かを願い、希望、小さな努力を繰り返している人のもとにやってくる必然のもののように思います。そんな小さな日々について、願い続けることについて、忘れないようにいさせてくれる馬のリングかもしれません。(守屋)

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夏に木のうつわ

蝶野秀紀 / 栃挽きたて浅鉢 / ¥11,000

伝統的な漆器と違い、薄く薄く漆を塗布し、さらにそれを丁寧に拭き上げ、さらにまた塗り重ねていくという工程を踏んだ蝶野さんの作品は、ろくろのひきめや木本来の表情が美しい陰影を生み出す作品です。木の器、あるいは漆の器はガラスや陶磁器に比べてハードルが高い印象で、どんなシーンで使えばいいのか用途に困ってなかなか手が出せないというお声を聞くことも多いです。

そんな中で蝶野さんの作品をはじめ木のうつわのとても素晴らしいことの一つに、化粧された陶磁器に比べて皿に載せた食品の湿気を適度に吸い込んでくれることがあります。かりっと焼いた食パン、パウンドケーキ、季節外れですがお餅や、その他のものを載せておくと皿に水滴がついてしなっとなってしまうことも多いところ、木の器ではそういったことが起こらず美味しい状態をキープして食事を楽しめます。

木地そのままではなく漆を塗布しているからこそのお手入れのしやすさももちろん、あとは落として欠けてしまう心配が少しだけ少ない(とはいえ大きく落としたりぶつけたら割れますが)ことも嬉しいです。
オンラインショップで改めてうつわのお取り扱いが始まりました。蝶野秀紀さんの作品以外にも、今後展開数を増やして掲載していく予定です。また、一部商品は店舗と共有の在庫となっておりますため在庫の確定および発送までお時間を頂戴する場合がございますがご了承下さい。(守屋)

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質感を伴う直感を

Phlannèl / Linen Anonymouse Shirt / ¥24,200

買い物をするときに大切な指標の一つとなるのが直感です。よくよく吟味して自分のクローゼットの中を何度も反芻しながらスタイリングを練り上げてコストパフォーマンスを十分に計算した上での買い物の間違いなさも確かにあるでしょうが、その一方でなんの躊躇いもなく直感で手にした一着の持つマジカルな強さは誰しもが経験していることでしょう。

とは言いながらも、直感で選んだものが結果とんでもない失敗の一着となって苦い思い出になるということも往々にしてあるかと思います。一口に直感と言っても、確かな直感と危うい直感の間には目に見えないながらも大きな隔たりがあることは明確なのです。ではその違いとはなんでしょうか。

私個人の意見としてそれは質感を伴った直感であるかどうかの差であると考えます。世の中の流れや既視のもののイメージ、固定観念などが無意識化に働いた直感には、自分自身の中で確立された根拠を立証する術がありません。反対に、日々積み重ねてきた自分の生活の質感を伴った直感であれば、自分自身でしっかりとその直感を信じきれる、裏付けのようなものが存在しているように思います。

「暑い日は半袖」「今年はグリーン」「サイズは大きめがいいはずだ」という無根拠の直感ではなくて、「自転車に乗っているときに長袖のシャツからこぼれる風が気持ちよかった」「シャツはいつまでも捨てずに取っておける、いつかまた時期が来たら着られる」という生活の質感をともなう直感であれば、自分が自分を信用するに足る根拠になるでしょう。もし万が一失敗しても、それはその時。楽しい思い出に変えましょう。(守屋)

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ポジティブな服

CASEY CASEY / FABIANO SHIRT / ¥71,500

いかにも今っぽいというものでもなく、もちろんBLOOM&BRANCHとして、「これは今っぽい!」と思って仕入れをしたり提案をしたりしているわけでもないのですが、なんとなく今の気分というものにしっくりとくるものってやっぱり多くの人に共通してあるように思います。

ここ最近では明らかにポジティブさを感じるものがそれにあたるように思います。完全に個人の感覚ではあるのですが、色であったり柄の付け方であったりデザインの持っていきかたというのでしょうか、ものが漂わせる「なんか元気もらえそう」という雰囲気が、どうしてもやはり多くの人を惹きつけているように感じてなりません。

これまでだったら、オーセンティックで長く愛用できてスタイリングに困らない汎用性があって合理的なものが席巻していた市場にきらりとひかるそれらの個性あふれる面々が出てきて、街の景色を明るくしていると思うと、そうやって活気付く街を見ているだけで元気も湧いてくるものです。ネイビーやブラックやグレーで、無地のものあるいは出来るだけ無地に見えるような細かな柄物から、大振りで一目で印象に残るような、かと言って一線を超えているわけではない絶妙なカラーや柄の組み立て方。そんなCASEY CASEYのシャツが入荷しています。

茶色がベースにありながら同系色でまとめられ、赤と白で構成されたストライプが目を引きます。単純な太ピッチだと結構なインパクトを与えるところ、それが細かいストライプに細分化されているところも、なんだか高圧的なだけではない柔らかさと誠実さが感じられ、安心して心を預けられるような気持ちがしていきます。見ているだけでだんだん、明るい気持ちになってきませんか。(守屋)

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むずかしいは面白い

Le Yucca's / Celluloid Buckle Belt / ¥42,900

以前の記事でも、別注に関する個人的な感想や、ともにお取り組みをしてくださるブランドの方から聞いたことを書いた記憶がありますが、ここ数年、どんなセレクトショップでも“エクスクルーシブ”なものが溢れかえり、それらは逆に同一のカテゴリーの中に内包されてはいないかと思うことが増えました。単なるオプションの一つにすぎないものといえばいいのでしょうか。

素材を変える、形を変える、そうしてより多くのお客様の心に響かせ、欲求を掻き立て、実際に販売してより多くの人に届ける-もちろん、多くの人に支持されるということは一つの価値であり、大きな成功であると言って差し支えないでしょう。ただ、それだけではなく、わたしは一消費者として、導かれたり新たな価値観を認識できたり、試されたりされるようなものに惹かれるし、そうしたものに対価を支払いたいと思うのです。

「今のわたしはこんなものが格好良いと思っているけれど、理解できますか?」「こんな工夫を凝らすとこんな新しい現象が起こりますよ」「このアイテムは従来こんな着こなしが普通だけどこうしてみたらどうですか?」などなど、自身の内側からは生まれえなかった何かが得られるとき、素直に心は感動し、うすぼんやりとしか開かれていなかった目ははっきりと見開かれるような気持ちがするのです。そういう体験をした時、純粋な嬉しさがあり、もの以上の価値を感じることが多々あります。

あるショップのエクスクルーシブというのはそういった価値観が反映されてしかるべきものであるからこそ、もっとこちら側(消費者)を挑発するようであっても良いなと思います。評論家の小林秀雄は『人間の建設』の中で学問について『むずかしければむずかしいほど面白いということは、だれにでもわかることですよ』と述べていましたが、難しいことに面白さを感じることはきっと人間の本質のようにも思います。そして、この直感に正しさはありませんが、Le Yucca'sのこのベルトに対して、作り手のエゴや独自の価値観を感じ、挑戦的な姿勢を感じ、とても惹かれたのです。(守屋)

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皆を虜にする青

KIJI / HINOKI / ¥26,400

大学生の頃に古着にどっぷりはまり、アルバイトをしながらちょっとずついろんな年代のものを買い集めてきたのがデニムで、リーバイスもビンテージだけが全てではなく、ユーロリーバイスが全盛期を迎えたかと思えば90'sの青いMade in USAがフィーチャーされ、シルバータブが日の目をみたりと時代の変遷によって評価されるデニムという立ち位置は常に面白く人々の興味の対象であり続けるでしょう。

ユーロリーバイスが流行り始めた頃、ありとあらゆる古着屋をまわり、自分にジャストサイズの、尚且つしっかり色が残った綺麗な一本を求めてしつこく試着をしまくっていたのが思い出されます。その時同行していた友人は、どのお店で試着をしても店員さんに「すごくきれいに履きこなしますね」と言われており、どんなサイズやどの国のものを選んだとて素敵に履きこなせていただろうに、一方で私はどのサイズもどの国のものもしっくりこず、その頃から自分の身体にはリーバイスが似合わないのだとレッテルを貼るようになりました。

アパレル業に従事する中で様々なブランドから出るデニムの個性あふれる品々を目にし、足を通し、“リーバイスこそ全て”という偏見が薄れ、本当に自分に似合うデニムにいくつか出会うことができるようになりました。ルーズなシルエットのものも、スタイリッシュなものも、フェミニンに見えるものも、どんなジャンルだろうと必ずどこかには自分に似合う一本がある、デニムの懐の深さをだんだんと知り、ますます魅力に取り憑かれています。皆それぞれに、デニムにまつわるストーリーがたくさんあるのではないでしょうか。(守屋)

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隠れたヒーロー

POSTALCO / Carry ALL Proof Line Nylon / ¥29,150

特に目立つタイプではないけれど皆が一目置いていて、友達といつも楽しそうに遊んでいるわりに勉強ができて、スポーツも万能。誰も気がつかないようなところにさりげなく気づいてサポートをしてくれ、優しさに溢れ、とびぬけた個性はないものの静かに気品あるオーラを纏っているような、そんな人がクラスに一人いませんでしたか。誰も近づけないほどの存在ではないけれど、やっぱり皆がすごいと認めているような、そんな隠れたヒーローのような存在。

学校のクラスメイトでないにせよ、職場にも、あるいは取引先や同じプロジェクトメンバーの中などにも、ひょっとするとそんな存在がいるのではないでしょうか。POSTALCOってどんな存在だろう?と考えた時に浮かんだのはそんな人物像でした。決していつもふざけたり冗談を言ったりするタイプではないのですが、どこかユーモラスでウィットに富んでいて、でも持ち合わせる知性は決して冷たいものではなく人間らしい温かさがあり、困った時につい声をかけて頼りたくなってしまうような、そんな存在です。

いい意味で流行に敏感でないからこそ、どんなときにもどんなシーンにも、生活の中にすっと馴染み、悪目立ちせず、そして細かいところに気が利いていて、それらのギミックは押し付けがましさは全くなく、使い手の自由に委ねられている—だからこそ、これを旅で持ってもいいし、自転車に乗って近所に出かける時にもいい、通勤の際のサブバックにもいいし、週末のアウトドアにだって最適。とても失礼な表現ですが、誰も声高にPOSTALCOがすごいと褒めないのだけれど、密かに好きな人はずっとPOSTALCOを愛用し、心は強固な信頼関係で結ばれているのです。私自身もその一人です。会う人会う人全員にPOSTALCOが素晴らしいとは言わないけれど、きっと手にした誰もがすごいと感じるだろうなといつも強く思っています。今日はそれを声高らかに宣言したいと思います。POSTALCOってすごいのです。(守屋)

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朝の一杯のコーヒーのような存在に

KIJI / SCARF TIE BLOUSE / ¥28,600

BLOOM&BRANCH WEB SHOPやオフィシャルインスタグラムでもご案内させていただいておりますが、6月23日をもちましてBLOOM&BRANCH WEB SHOPはPAL CLOSET内ショップに完全移行する運びとなりました。BLOOM&BRANCH創業以来オンラインで商品をご案内しておりました旧WEB SHOPではたくさんのお客様にご愛顧いただき、個人的なご連絡も多数いただき私たち運営スタッフの日々の大きな励みとなっておりました。実際にお客様に対面し、商品を説明し、生地を触っていただきサイズを確認していただきながら、ご要望やご用途に合わせて商品を提案することが叶う実店舗とは勝手の違うオンラインというつながりの中にあって、このように深くお客様と関われたことは当ショップの大変大きな財産となっていることは言うまでもありません。

実際にご来店が叶わないお客様に対しても、いかに実店舗と同様のサービスを提供できるか、ご納得いただきご満足いただける商品をご提供できるか、その後のお客様の生活に商品や私たちBLOOM&BRANCHの伝えたい価値観がどれだけ馴染みかけがえのないものとなっていけるか—。システムの利便性も含め至らないことが多くあった中でも、そのように私たちのフィルターを通して伝えられるものを懸命に伝えていこうと日々取り組んでおりました。オンラインというつながりは物理的距離をゼロにでき、時間的制約も振り払うことができる便利さをはらみながらも、いつもそこには奥行きがないと感じていました。パソコンでもスマートフォンでも、ただ光を発する四角いものの中にあって、洋服という物も奥行きある魅力を伝えることは非常に困難なことであると感じています。

さらにいうならば、ショップとして伝えたい「今」を、実店舗ではディスプレイや季節の花を用いた設や空間全体を通して伝えることができる反面、オンラインでは商品を横に並べていくことはできますがどこまでも縦か横へと広がるばかりで、そこにはやはり奥がないのです。写真や言葉や実際のお客様とのやりとりを通して、その奥行きを丁寧に見せることができるようにと常々考えていました。奥行きとはつまり人の温度のことに近しいのではと感じますが、プロダクトの作り手の温度や届け手の温度を、余すことなく届けることで、きっとものたちは長く愛を持って誰かの生活に馴染み寄り添い続けるものになるのだと信じています。

プラットフォームが変化していきますが、私たちがどんな場所あれ伝えたいものは常に温かなひだまりのようなもので、それは普遍的なものです。そしてプラットフォームが変わることで今までとはまた違った多くのお客様との出会いもきっとあるのだろうと信じています。そのことはとても楽しみなことの一つです。一人でも多くの方が、私たちの伝えたい素晴らしい洋服や文化や価値観に対して何かを感じてもらえるよう、これからも努めていきたいと考えています。(守屋)

*6月23日よりWEB SHOPはパルクローゼット内ショップへ完全移行いたします

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常備したいトラウザーは夏のそうめんのようなもの

Phlannèl / Wool Tropical Easy Trousers / ¥33,000

食欲が減退する真夏にとりあえず口に運べるものにそうめんがあります。幼い頃から、夏に食欲がないお昼ご飯にはきんと冷えたそうめんを出されることが多かったように記憶しています。逆に、あまりによくそうめんを食べていたものですからとりわけ好きになれなかったのも事実。自分で食べるものを選べるようになった今でも好んで手を伸ばしていた記憶はありませんでした。

ところが夏の暑さが年々厳しくなりあまりに食べ物が喉を通らない日が続くとどうしても思い浮かぶのはそうめんで、そしてたまたま知ったそうめんが、きちんと素材が美味しく手作りのもので、それはこれまで食べたものとは別物に美味しかったことを発見し、それ以来私のそうめんに対する信頼はめきめきと回復し、今となっては家に常備するほどにまでなりました。

きちんと素材が吟味されたものであることは条件として、そうめんのいいところはそのシンプルさゆえに様々な薬味で好みの味に仕上げられるところでしょう。そしてつけるつゆも、出汁が濃く甘いものだったり、塩味が強くがつんとしたものだったり、気分によって何でも合わせることが可能です。定番のごまやねぎや茗荷や大葉だけではなく、例えばレモンをぎゅっと絞ったりしても爽やかな香りが鼻を抜けなんとも心地良いもの。色が白いところもとても良く、合わせる器と、薬味の色とでの食卓のスタイリングも美しく映えます。

夏のうっとうしさを思い、どんな服を備えておけばいいか考え、このパンツの便利さを思い出したところに同時に脳裏をよぎったのがそうめんの盛られたざると透き通るガラスの器でした。それ自体がもちろんしっかりと味を持って美味しく、どんなエッセンスをも受け取ってくれ、どんな色にも合わせやすく爽やかな様子を見せてくれ、なにより心地よくとりあえず常備しておきたいもの。ふざけたようなテキストですが本当に心から便りにしている存在の話です。(守屋)

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未来へ

AL / / ¥17,600

今日という日は昨日からみた未来であり、明日の過去でもあり、明日はいつかは今日になり、そして昨日へと流れていきます。多くの国では時間というのは一本道のような、流れる川のようなイメージで、常に未来は先にありそれがどんどんと今を生きる私たちの方へと流れてくると考えられています。

インドなど一部の国では、時間は円のような考え方をされていて、今日を起点とし、明日と昨日は同じ円周上にある時の輪のようなものと認識されるのだそうです。一昨年は、2年後の未来と同じ円周上にある時の輪にあるもの、50年前は50年後と同じ輪、といった形です。

過去のそれに代わる新しい何か、例えば素材やテクノロジーや価値観や視点。オルタナティブという言葉を文字通り読み取り考えた時、どうしてもそのように過去を置き去りに、新しいもので塗り替え刷新していこうとするような思いがありそうな気配がしますが、果たしてそれだけがオルタナティブという考え方でしょうか。

過去を見つめ、その過ちや欠陥を繕い、過去のそれらを活かしながら新しい要素を付加したり、あるいは過去のそれを削ぎ落とす形で新しさのある何かを生み出したり、そういった過去をも全て包括して考える新しいオルタナティブという考え方もあってよいのではないか、そんなことをこのバッグは提案してくれているように思います。(守屋)

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私にとっても、誰かにとっても快適なもの

PHLANNÈL SOL / American Sea Island Linen Pullover Shirt / ¥27,500

毎年7月か8月になると、「去年もこんなに暑かったんだっけ?」ということばが口をついて出るようになったのはここ数年のうちだったように思います。少し前までは、もちろん日本の夏は湿度も高くじめじめと厳しい季節ではありますが、その中で日を浴びる幸福や、海に身を委ねる快感や、夜風に吹かれる心地良さをもっと強く感じていたような気がしてなりません。

今年はどうなるのかまだ予想はできませんが、快適ではない日々がやってくることを想像するのは決して難しいことではないでしょう。その中でもどうにか心地よくあれる洋服を身に纏い、その場を凌ぐことはともすると自分のためにはとても大切なことのように思います。ただ、自分さえよければということが通用しなくなってきたのはいうまでもなく、その場さえしのげればまた来年も同じことを繰り返していいのかと問われると、首を縦には触れないほどの状況になりました。

選べるのならば、もちろん自分が快適であれるもの、心から高揚しささやかな幸せを感じられるもので身を包みたいです。そしてさらに選べるのならば、それはこれ以上地球を汚さないものであったらいいし、あるいはそれを選ぶことが誰かを助けることにつながるものであればいいなと思いませんか。100%それが叶わなかったとしても、少しでもその希望に近い方を手に取ることは、おそらくそんなに難しいことではありません。

近年の夏の日差しは、肌を晒している方が余計に暑く感じられるほどの鋭角さで私たちを捉えますが、それを避け、風を通し、そして長く着ることで風合いが増すシーアイランドコット×リネンのシャツは私の夏には欠かせない素材の一つとなりました。今年になり、そんなシーアイランドコットンが育つ土地の姿、働く人々の状況を知ることになり(JOURNAL参照)、より一層の感謝と愛情をもってこのシャツを手に出かけようと心に決めています。(守屋)

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壊れても捨てない、買い替えない

Tukir / Day Dress Khadi Cotton / ¥44,000

部屋着と外着の境目はどんどんと曖昧になり、ワンマイルウェアという言葉も生まれて久しい中、その多くが“外にも着て行ける見た目(デザイン)の部屋着”というアプローチがほとんどであったでしょう。その中に“外着に匹敵するクオリティの部屋着”ともいえるような立ち位置の洋服は稀有な存在であるように思います。

美しい手織りカディの柔らかな肌あたりはどんなシチュエーションにおいても私たちを心の底からのリラックスへと誘い、ビーツ染色の力強い色彩は着る人だけでなく地球全体を暖かく見守ってくれるようです。インドの伝統衣装から着想したデザインは男女という垣根を超えて誰もが自由に袖を通し包まれることを受け入れてくれる寛大さをもっています。

“長く愛用できるもの”としてタイムレスでノームコアなデザインや、上質素材を使うことが主流になる世の中において、そこから一歩進んだ“着るごとに風合いを増していく素材”というパースペクティブを持ったTukirというプロジェクト。誰にでも普遍的に、誰にでも容易に手に取り着こなすことができる洋服ではないかもしれませんが、手にとった人の人生への深いコミットメントが約束されているかのような一着です。

長く愛用することで風合いが増すというのは、より綺麗に見えてくる素材ともいえるかもしれませんが、そうではなく、毛羽立ち、ほつれや裂けがおきたときにも、繕ってまだまだ使いたいと思える思考をも育ててくれる素材である、という方がより正しいかもしれません。壊れたら捨てる、買い替えるという概念を取り払った世界を生み出してくれる、そんな洋服ではないでしょうか。(守屋)

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ロマンス

molli / ROMANCE / ¥63,800

ロマンスという言葉から連想させるものは叙情的なストーリー、恋物語。そこから派生するロマンティックという言葉には、どこか夢想的で可愛げのある少女のような印象があるからか、ロマンティックな洋服などと形容される場合には、やや強引ではあるものの可愛らしいものや繊細なもの、柔らかな印象のものを指し示す場合が多いような気がしています。

かつての価値観で認識されるロマンティックという言葉の形容に慣れてしまっていることが現代において窮屈さを伴うものであることはあるにせよ、ロマンスという名がついたニットのスカートは繊細な編み地で表現された少女やお花やどこか牧歌的な家々の様子が物語の世界のようでロマンティックという言葉はぴったり馴染んでいるように思えます。ただそれがモノトーンで表現されていることが、その意味を適度に排除し、ストイックな表情を浮かべながら、モノクロ映画のような幅をも与えてくれているように思います。

例えばこのスカートの下にブラックデニムを重ねて履いたり、トップスにはずるずるのビンテージのTシャツだったり、相反する要素を重ね合わせて新しい意味を付加できるような、そんな幅広さがこのスカートにはあります。そうしたときに、新しいロマンスの意味が生まれるかもしれません。(守屋)

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日々を問い続けること

UNION LAUNCH for BLOOM&BRANCH / SAILOR SHIRT / ¥27,500

先日出会った、とあるショップを営むオーナーの方が話の途中でさらりと話していたことには、「私は考え続けるということがわりあい好きだから、いつでもこのグラスをいつ差し出したらお客様が喜ぶだろうとか、どういう料理にしたらもっと喜んでもらえるかとか、なんという一言をかけてあげたら心地よくなるだろうとか、常に考えているんです」ということでした。

毎日ルーティンのように行われる、自分の仕事について、慣れれば慣れるほど無考えにも言い慣れた言葉が口をついて出てくることもあれば、汚れた店内を見ると自然と掃除をすることができたりする反面、そのとき頭では何も考えていないという事実にすら気付くことができないでいるということは少なからずあるのではないでしょうか。これは何も現場仕事に限らず、デスクワークや商談や、フィールドワークにおいても同様のことが言えるはずです。

ファッションの世界には当たり前にシーズンという2つに区切られたシステムがあり、その2つのどちらかに入り込めるような洋服をデザインするものであるということは、ファッション業界に身を置く人間にとってはもう何の疑問も持たずに飲み込める事実である反面、その意味を問い、考え、自分やカスタマーや地球やありとあらゆることを包括的に吟味し、その2つに区切られたシステムに乗ることは果たして正しいことなのかを考えるという姿勢は、必ずしも多くの人が持ちうるものではないのでしょう。

あるいは、売れるためのデザインや、自己表現としてのデザインがある一方で、作り手が作りやすいことや機能・技術に見合うデザインをすることなど、180度方向転換された視線も往々にしてこの世には珍しいもののように感じます。日々に疑問を感じ続けること、誰かにではなく、自分自身に問い続けること、そして考え続けることの大切さというような、生きる上での本質を垣間見ることができる一着です。(守屋)

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波間を思う

i am dork / Wide BD Shirt / ¥53,900

それぞれの時代を生きてきたそれぞれの人が通る、それぞれのカルチャーが私たちの中にそれぞれ必ず存在します。海を隔てた遠く知らない国で起こっている出来事にキャッチアップする術を持ち合わせなかった時代を生きた人にとって、それが日本へと伝来してきたときの衝撃たるや今の時代とは比にならないものであったのでしょう。

大きな波はじわじわと情報の中心地から文字通り波及していき、その速度は緩やかで、ただしかし勢い故の影響範囲の広さはあったはずです。ムーブメント、カルチャーの発出する波間が短くなった今は、それぞれの持ち合わせるエネルギーというのはきっとかつてのそれよりは弱まっていると実感しています。容易に手に入る情報は、便利である反面その希少さは薄れていくのでしょう。

若者だれもが熱狂し、その波が日本に押し寄せ、そして日本でも同様に多くの若者が熱狂したスケートカルチャー。遅れてやってくる雑誌を破けるまで繰り、あれこれと友達と談議し、あれが欲しいこれが見たいと熱望し、そしてできる限りそこに映し出される“格好いい”同世代の少年少女を恋い焦がれて真似する行為—そこには、知らないからこそ自分なりの空想の世界を繰り広げながら自分が信じる世界を生きる熱い思いがあったはずです。

全てを理解し、知り尽くすことは優れた人間になるためにはあるいは必要なことなのかもしれませんが、知らないことがあること、そしてそれを知るために想像・空想を繰り返すこと、目の前に見えないものへ心を寄せることは、私たちが少なからず忘却している視座であり、失ってはならないものである気がしています。(守屋)

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洗濯機としわくちゃのシャツ

CASEY CASEY / VERGER BIS BOWLING SHIRT / ¥52,800

CASEY CASEYのシャツやジャケット、そのほか全てのアイテムについて、どんな瞬間が一番CASEY CASEYらしくあるだろう?と考えたことはあるでしょうか。春らしい暖かな太陽が降り注ぐ気持ちの良い朝、自分が所有しているシャツを洗濯機で洗ってくしゃくしゃになったそれを明るい太陽の下にさらそうとするとき、そのくしゃくしゃになったシャツを見て、私はそんなことを考えました。

CASEY CASEYらしさのひとつとも言えるペーパーライクな張りのある素材感は自然なシワの表情を携えています。それらは、かつてデザイナー自身が染めたり、洗いをかけたりという作業を全て手作業で行っていたときから続くチャームポイントであり、そしてデザイナーは使っているドイツ製の洗濯機の全てに固有の名前をつけて愛を持って接していたのだといいます。自由な創造と愛ある作業によって生まれたアイテムたちは、ひとつひとつが他にない個性をもったものになるのは必然でしょう。

そんなストーリーをかつて見聞きしたことがあったからか、やはり洗濯機に自分の持っているCASEY CASEYのシャツを放り込むときも、洗ったシャツを干すときも、なんだかあるべき場所にそのシャツが戻っていくような、そしてまた新たにさっぱりすっきりした清々しい表情で太陽の下にやってきてくれるような、そんなことを感じさせてくれます。(守屋)

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自分に似合うものはどこにある?

STUDIO NICHOLSON /  PEACHED COTTON TWILL PANTS - DEEP PLEAT WRAP FRONT / ¥49,500

自分に合うボトムスを探して果たしてどれくらいの金額を使い、失敗し、自分の身体作りに励んだり、あるいは諦めて“こんなもんだろう”というフィット感のパンツをお直しして履いてきたのでしょう。リラックスシルエットがトレンドになりはじめ、ある程度ゆるっとしたシルエットだったらそれなりに見えることを見つけてしまった途端、そんな努力はどこかへと追いやられ、なんとなく自分の好みに合うものを取捨選択して楽しむようになりました。

ウエストをなおさないで履けるパンツなど存在しないかのように思い込み、ベストパートナーと出会おうとする努力を怠って数年の月日が経ちました。何事も努力をしないと劣化していくもので、自分の体型への認識だったり、どんなものが“本当に自分に似合うのか”という判断力はその間にどんどんと鈍くなったと言っても過言ではありません。そんなときに頼りになるのが他者の声で、誰かが格好良く履いていたりすると自分もそうあれるのではないかと思い込み、同じものを買ってみては“こんなものだろう”というなんとも歯切れの悪い納得感で自分を満たしていました。

ある日ふと、こんなことではいけないような気がしてきて、パッと目が覚めたような感覚があり、再び自分に本当に似合う洋服探しを、自分の身体と二人三脚で繰り広げることになった結果、ようやく出会ったのがSTUDIO NICHOLSONのパンツでした。ウエスト詰めも、丈詰めもしなくていい。きちんとクリエイションの伴った洋服の中でそんな一着に出会えたことが嬉しく、そし着る当事者である自分をしっかり見つめることと、似合うを探し続ける努力があってこそ、洋服というのは素敵に着こなせるものなのだと再認識した出来事でした。

だからといって全ての人にこのブランドの洋服がおすすめなわけではもちろんありませんが、私が今まで決して似合わないだろうと思い込み試着も憚られていたブランドの洋服がぴったりきたような出来事が、他の誰かにも訪れることを願っています。そのためにはどれだけ現実に見える手のひらの中の世界よりも、非現実的に見える目の前の世界のほうが、実は本当に現実なのだということも知っておく必要があるかもしれません。(守屋)

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出会いのときめき

POOL by CLASS / CCAA16UNI / BIG WAFFLE / ¥86,900

なるべく長く一つのものを使い続けようと考える時、ことファッションに限って言えば私たちはなぜだか『長く使える物=流行に流されない物=シンプルなもの』という流れを組んでしまうことが多いようにも思います。私自身、出来るだけ長く愛用しようと考えた時、目の前にある2つの服のどちらかを選べと問われたらおそらく“無難な”色やデザインの方を選び取ってしまうような気がしています。

その考えに一石を投じるような意見をもらえたことをきっかけに以前にも似たような記事を書きましたが、シンプルすぎるものは結局飽きが来てしまうから、いかに作り手の個性をひっそりと汲み取れるような洋服であるか、そして出会ったときのときめきを忘れずにあれるか、ということが私たちがものをいざ使ったり捨てようと思い至った時の、最後の砦となるような気がしています。

自分の所有物のなかで、手にとってときめかないものは容赦無く捨ててしまえばすっきりと片付き幸せな生活が待っているということも言われてきた世の中ですが、“今”ときめきがもし仮になかったとしても、“出会った時”のときめきを今も忘れずにあれるのであれば、決して捨てる必要なんてないし、そういったときめきを絶やさないであろうものを買うこと、そしてその気持ちを大切に育てる姿勢も、同時に大切なように思います。

前回の記事もそうですが、そんなことがふと頭によぎるのはなぜか決まってPOOL by CLASSの洋服を見た時なのです。個性が強すぎるわけでもなく、かといって私がずっと憧れるほど追いかけているブランドでも正直ないのですが、やはりそこに滲み出るデザイナーの意思や、洋服としてまとめあげられたときの完成度の高さに感服の思いは抱かずにはいられないのです。そして、この出会いのときめきは、きっと十数年後に自分のクローゼットの中でこの服と目を合わせたときには絶対に思い出すであろうと確信することができるのです。(守屋)

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春のニットへの憧れはいつのまにか

NICENESS / SERGE / SVR-BORO CARDIGAN / ¥94,600

“品の良い大人たちはみんなニットをうまく着ているな、それも春に。”
それは男女問わず共通することで、パワフルな女性も、シックな男性も、エレガントなあの人もみんな春先には上質なニットをとても心地良さそうに素肌に近いところで着ていました。そんなことを、20代も終わりのカウントダウンを始める頃にふと思ったことがありました。それからというもの、春先に街中でコットンやシルク、その他上質そうなニットを着ている人を無条件に探してしまう自分がいます。

おそらく過去にもニットを着る大人への憧れについて書いたことがあったように記憶していますが、その気持ちは自分が歳を重ねるにつれ、憧れの気持ちからだんだんとパーソナルな悩みや嗜好に近いものへと変容していったように思います。今の私は、薄汚い古着のカットソーやスウェットに目がない反面、着るならどう着るべきか?ということをTPOを含め考えずにはいられなくなり、『この歳にもなって…』と誰かから注がれる冷ややかな視線をどうやって掻い潜ろうかを考えたりもしてしまうのです。

自分のファッションといいますか、自分らしさは壊したくないし、いわゆる30代相応の着こなしというものに興味があるわけではないものの、歳とともに出会う人の幅も広がり、自分が似合う服も変わっていきました。その変化の中で、ボロボロのスウェットを着るときは首元にパールのネックレスをあしらうようになったり、ボロボロのスウェットの代わりにニットを着て、ボロボロのデニムを履いてバランスをとったり、あるいは品の良いシャツにスラックスのスタイリングではシャツにアイロンをかけずにラフに着てみたり。

アイテム同士の相性が、一瞬で判断できるようになってきたことも歳を重ね経験を積んだことに起因するメリットでもあります。そんなこと全てを活かしながら、ぼろい古着も綺麗なドレスシャツもジャケットも、アンティークウォッチもジュエリーも、そしてヘアメイクも、その日その日を大切にしながら、楽しんで自分らしく選び取っていきたいと改めて感じた3月の終わりでした。(守屋)

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選ぶ基準は自分の中に

KIJI / KUWA / ¥27,500

最新のBLOOM&BRANCH JOURNALでは、Phlannèlデザイナーの浅川とKIJIのデザイナーでもあるディレクターの中出がデニムについての個人的見解を示しながら、今欲しいデニム、自分に必要なデニムについて話しています。常に時代を反映した素材や形や履きこなしがあり常にトレンドアイテムとして存在し続けるデニムは、同時にオーセンティックで普遍的なワークウェアでもあり続けます。

デニムを履きたい動機としては、単純にその時のスタイリングに抜けを出したり、色として、素材としてのデニムを取り入れたいというファッションの純粋欲求としてが一つありますが、あるいは子供と遊ぶ日だったり作業が多い仕事の日だったり、アウトドアアクティビティを予定している日に手に取るという実用の動機も存在するはずです。

動きやすさ、履きやすさ、耐久性、そしてなにより今回のJOURNALで二人のデザイナーが述べていたように、「自分の体型にいかに合うか」、「デニムというアイテムをいかに野暮ったくならずに自然に無理なく格好良く履けるか」という見た目の問題が、やはりファッションアイテムである以上無視できないものであることが再認識されました。どれだけトレンドの形があろうとも、サイジングがあろうとも、自分が格好良く履けないならばそれはいつかは箪笥の肥やしになるのみで、ずっと長く愛せないならばそれこそがサスティナビリティとは無縁の悪きファッションの姿を見せてしまうのみなのです。

デニムというのは衣服の中でも特にオーセンティックなアイテムだからこそ、選ぶ幅も広く種類も豊富です。だからこそ、いかに自分のニーズを満たすことができるものかを見定める力と、自分の体型や生活週間に対する高解像度の目を持つことが大切になるのでしょう。(守屋)

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春の日に

Phlannèl / Linen Cotton Guernsey Cardigan / ¥33,000

カーディガンは、とりわけ春先には様々な用途で活躍してくれる万能なアイテムの一つです。例えばジャケットのように、あるいはシャツのように。そしてニットとして防寒アイテムにもなり、シャツのように軽快に羽織れるものとして。冬のニットのそれと異なるのは、季節柄防寒性を強く意識する必要がないためでしょう。

ジャケットほどにかしこまる必要がなければ、シャツのようにアイロンがけもいらずに手軽で、暑くなったら折りたたんでバッグにしまうこともできるし、肩に掛けるだけにしてスタイリングのアクセントとして使ってもいい、そして肌寒くなったらそのニットに袖を通すこともできる。利便性だけが洋服の全ての意義ではないですが、やはり一枚で出来るだけたくさんの用途を含んでいるもののほうが手元にあって安心するものではないでしょうか。

ただ一方で、ネイビーでもベージュでもグレーでも、何にでも合わせやすい究極の万能服が想定されますがそこには少しだけ個性や、キャッチーな明るさや、着ることの楽しさが感じられるものが心の充足度は高まるようにも思います。真っ白のシャツにぱきっとジャストサイズのデニムを合わせて、ネイビーのカーディガンを上品に羽織ることも素敵ですが、そこに柔らかなブルーのニットを合わせたならば、春のあたたかな光もより一層暖かく感じることができたり、ただの白いシャツが一層白さを増して見えたりすることもあるかもしれません。

ウールからコットンへ、そしてリネンへと、季節とともに移ろう素材軸も楽しみながら、毎日がなんてことのない日々であるよう願うのみです。何事もないいつもの毎日にささやかな幸せを見つけましょう。(守屋)

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旅の行き先はそれぞれ

Cristaseya / OVERSIZED CLASSIC COLLAR SHIRT / ¥77,000

人工的な新しさや刺激的を欲していた時期ももちろんあったはずなのに、最近はもっぱら自然的な色彩やテクスチャー、プロポーションのものを無意識に好むようになりました。時代性がその感覚にさせているのだろうと考えると合点がいきます。不安定であらゆる情報の波にのまれながら、何かに裏切られ、何も信用できないような気持ちになるとき、ずっとそこにある自然的なものに心を惹かれ信仰心にも似た安息を求めているのでしょう。

柔らかな陽光のようなイエローや砂を連想させるライトベージュ、土の色、空の色、草の色、海の色。自然には限りないほどたくさんの色彩であふれていますが、そのどれもが目に優しく自然な速度で私たちの目に吸い込まれるようにじんわりと歩み寄ってきます。Cristaseyaのコレクションは常に旅をインスピレーション源としているからか、広大な大地や海を見渡したときのようなおおらかさで包み込まれるような景色を見せてくれるようです。

一見刺激的に思われるようなグリーンやはっとするブルーや人工的な印象を受けるパープルやその他鮮やかな色彩たちは、よくよく見るとどこかで見覚えのあるような温もりある情景を連想させ、それでいてどこか新しく、まだ行ったことのない土地をあてもなく歩いて彷徨っているようなわくわくどきどきした気持ちを感じさせてくれるようでもあります。例えばこのグリーンは、もしかしたら青さが深まった真夏のどこかの木々の色かもしれません。それは決して春のうららかな気候に見る草原の緑とは異なります。

私たちが見慣れた花の色と違い少しの毒々しさを携えたピンクやパープルは、厳しい環境の中で必死に生きた花たちの花弁の色かもしれないし、ぎらぎらと燃えて今にも溶けて無くなってしまいそうな夕日に染まった街の景色かもしれません。どこにいてもどこへでも旅をさせてくれる新しい切符がまた、手に入りそうです。(守屋)

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永続するファッションの楽しさ

JOHN SMEDLEY / C BOBBY / ¥35,200

洋服を着ることの楽しさ、ファッションの醍醐味の一つが着る人の心に働きかける作用。それはどういったときに発動するのだろうとじっくり考えてみると、例えば憧れの一着を買ってそれに袖を通すことによる高揚感、一歩大人になった自分への祝福の気持ちがその一つでしょう。あるいは、上質素材の洋服に身を包まれるときの言いようのない安心感。または、その洋服を着ることによって自分自身が普段よりも一層エネルギーに満ちて見えたり明るく美しく見えたりする洋服自体が持つデザイン的な作用もあるでしょうか。

洋服一つひとつにあたったフォーカスをもう少し拡大してスタイリングとしてみてみると、着こなしが一見難しそうな一着を自分にどうしたら似合うか思考を凝らしてオリジナリティなアイディアをぶつけてスタイリングが完成したとき、そしてその姿がまさに自分のなりたい姿だった時はきっとこれ以上なくエンパワーされた自分に気づくでしょう。

いつものシャツに合わせていたカシミヤのニットをシアーなウールのニットに切り替えたり、ウールのコートを脱いでコットンのアウターに袖を通した時、何気なく合わせていた10年もののデニムの良さにまた気づき、「持っててよかった私だけのデニム」に育っていることに気付ける喜びは、素材と素材の無限の組み合わせの中に見える発見の一つです。

コットンのシャツに合わせたコットンのチノパンと、リネンのシャツに合わせたコットンのチノパンとでは全くそのものが違って見え、合わせる素材を変えたがために見慣れたコットンのチノパンの新しい魅力に気付けること。それもファッションの楽しさの一つであり、そしてその楽しさは無限の組み合わせによって起こるものだから、尽きることなく感じ続けることができる楽しさとも言えます。(守屋)

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春を纏うには

R&D.M.Co- /  BLUSHED BACK BORDER CARDIGAN / ¥31,900

東京でも、2月も半分を過ぎた頃から朝日の昇る角度や日中に届く日差しの中に隠された匂い、温度の中に春を感じるようになりました。冷え込み手が悴む朝晩の厳しい冬の名残がありながらも、確実に時間は周りまわってまた次の季節へと足を踏み入れているのだと感じます。

体感として寒さを感じながらも、その中にあたたかな春を感じるちょうど今の季節は、心だけは先へ先へと急ぎ足で、毎朝のクローゼットとのにらめっこの中でついつい春の洋服に手をかけたくなってしまったりするものです。でも実際にそれを着て出かけた先を想像してまたウールのニットを選んだりもするのですが、ちょっとばかり残念というか寂しい気持ちにさせられるのはなぜなのでしょう。ウールのそのニットだってお気に入りなはずなのに、先に見えてきた季節への期待によって超えてきた季節が霞みはじめるようです。

冬の服も、春の服も両方を合わせたレイヤードにしたり、冬の服の中でも春の色を感じるカラーパレットでまとめたり、コットンやリネンの着こなしの下に、暖かなウールのインナーを仕込んでみたり、今の季節には今の季節にしかできない春のまとい方というのがあるのです。一見からりと春らしい、あるいはマリンで夏らしさすら感じるボーダーだって、裏起毛やレイヤードで今だから楽しめるアイテムに変わるのです。(守屋)

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m's braqueのジャケット

m's braque / S1B NO COLLER CARDIGAN JACKET / ¥75,900

ジャケットは、正装のための衣服としての歴史が長くありますが、それ以外にも多くの役割を持ち人々の装いを機能的に、かつ精神的にエンパワーする存在として支えてきました。一言にジャケットと言ってもテーラードジャケットのようなものからワークジャケット、MA-1、シャツジャケットまで、“羽織る”という機能を持った衣服の総称として実に多くのデザインを指し示します。

タキシードはいわゆる紳士の正装のジャケットですが、燕尾服よりはカジュアルなものとして着用されていたのだそうです。あるいは労働者の作業着としてワークジャケットがあり、それは人々の作業を損なわないためのタフな素材や、道具の収納などの機能を併せ持ったものになり、どこで着用するのかという以上に、何をするために着るのかということの方が重要視されるジャケットです。

ミリタリージャケットも同様のことが言えますが、またもう一つ、それはユニフォームとしての役割も果たしていたことは否めません。そして私たちがより個人の生活を自由に楽しむようになった時代に、会社に属して働く人たちがスーツを着用し出したことから日常にジャケットという存在が持ち込まれました。それがカジュアルになればシャツジャケットやカーディガンジャケットになり、仕事というオケージョンからは離れ、リラックスした休日の衣服として広まっていったのでしょう。

m's braqueのジャケットは紳士服の起源的な様相を呈したジャケットから、人々のデイリーユースに叶うような日常のジャケットまで幅広くデザインを手掛けており、毎シーズン必ず豊富なジャケットが揃い、そしてその素材もデッドストックを使用したりなど決して毎年同じものがあるとは限りません。フォーマルにもカジュアルにも、去年にも来年にも、その先10年後にでもきっと着るシーンがあり時代性も感じさせない、時間を超えたジャケットという新しいカテゴリーのジャケットを作っているブランドではないかと思います。(守屋)

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捉え方を変えてみよう

KIJI / HINOKI (SLIM HEMP DENIM) / ¥24,600

ヘンプは栽培過程において他の植物に比べ灌漑をほとんど必要とせず、少ない栄養の中でもよく育つ植物とされています。リネンやラミーが洋服に使われる一方でヘンプがなかなか繊維として使用されてこなかった理由としてはおそらく、その素材の短さによる紡績の難しさや、出来上がった糸を織り上げ生地にすることの難しさが障壁になっていたからなのでしょう。

ネップも多く表情が滑らかとは言えない糸で、さらに織り上げには強い力を加えると糸が切れてしまう扱いの難しさがあると知りました。一方で、その他の植物繊維にも言えることですが水を通すことで強度を増していくという特徴もあります。そしてぽつぽつと見えてくるネップの表情は、デニムにした時にはビンテージのような雰囲気を醸し出し、着用すればするほどこのネップがいい味わいを見せてくれるようになるのでしょう。

ものごとの短所を見ること、そしてその同側面で長所を捉えること。短所の反対側に長所があると考えがちな中で、“どう捉えるか?”という視点の変換だけをもってものの価値を変えることができるのだと、このデニムの仕上がりを見て感じました。

サスティナブルであるとか、より原初的なものづくりに立ち返ったとか、そういった言い方もできるかもしれませんが、そういった謳い文句的な魅力ではなく、その視点の変化にこそ私たちは注目し、思考の一端を私たちのうちにも手に入れるべきなのではないでしょうか。(守屋)

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両極端の間の話

NICENESS / ADAMS KHADI SILK PRINT SHIRT / ¥45,100

現代において仕事と呼ばれるものの幅はぐんと広がりを増しており、新しい肩書きを作って新しい仕事の形を創出し、自分の役割を言語化している人も少なくはありません。あるいは、二足の草鞋、ないし三足、四足の草鞋を履いて現代に既にある仕事を並列させて小商的に仕事をこなす人もいるでしょう。

デザイナーをしながら書き物をしたり、企業PRをしながらインフルエンサーであったり、販売員をしながらスタイリストであり、かつイラストレーターでもありカメラマンでもあったり。様々な仕事や専門分野(と呼ばれるものがあるとしたら)の領域の間で左に右に、ときには斜めに移動しながら自分の役割を全うしている人を見ると、実に柔軟に世の中に適応しているなと感嘆します。

他方、やはり専門的に一つのことをこなす人ももちろん重要で、ものごとが両極端から発生するとしたらそれこそが専門領域と呼ばれるものなのではないでしょうか。そこがあるからこそ、両極端のバランサーとしての役割が発生し、自由に左右へと往来できる人がそこに仕事という自分自身の役割を見出せるにすぎないのでしょう。

ファッションにおいても同様で、両極端的プロフェッショナル、秀でたクリエイションの間で、バランスをとるように生み出される洋服の役割も十分にあります.NICENESSはきっと両極を担っているブランドの一つであることは否めませんが、端と端をつなぎ合わせるようなブランドの洋服を取り入れたり、間を取り持つ役割を着用者自身が担うなどして、自分らしくスタイルを表現するのは実に心躍るものですね。(守屋)

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