JOURNAL

リラクシーなムードも上品さも併せ持つ一着を
- cantate

経年変化が美しい洋服は、新品の状態が一番美しいわけではなく、その本当の美しさは時間と共に見えてくるものです。一方で経年変化によって素材の良さが損なわれてしまう洋服は、新品の状態が一番美しい。今も美しく、そしてずっと美しい洋服と出会うことはなかなか難しいものですが、中出が素材作りに絶大な信頼を寄せるcantateには、そんな魔法のような素材で作られたカットソーがあります。中出自身も愛用するそのカットソー素材を用いて、今回は別注のドレスを2型制作いただきました。

 

 

 

 

他にはないcantateの素材の魅力

 

 

cantateの洋服は、新しい状態でとても美しい素材でありながら、経年によって美しさが保たれたり、より一層美しく変化していくというなんとも不思議な素材で作られています。展示会に足を運ぶたび、『これは着てみたい!』と思わされるアイテムがいつも並んでいるのだと中出は話します。

 

「cantateのデザイナーの松島さんは、素材をディレクションしたり開発したりといった活動もされているほどで、私にとっては素材作りにおいて絶対的に信頼できるデザイナーのお一人。今回別注をお願いしたカットソードレスも、そんな素材に魅了されてお願いしたという経緯があります。もともとcantateではずっと取り扱っている素材の一つなのですが、ギザコットンを使った度詰めで光沢のある素材感が上品で見た目が本当に美しいです。度詰めのカットソーって一般的にはタフでカジュアルな印象のものが多いはずなのに、それとは全く違う美しさがあります。それでいて、経年と共にこの美しさが続くというのは、他では絶対に探せない素材だと思います。第一印象がきれいなカットソーは、その時点が一番美しく、洗濯をすると経年によって劣化していくというものがほとんどだと思うのですが、そうではなくて、この光沢感が長く続き、へたることがない素材というのが、cantateにしか、松島さんにしか出せない強みなのだと感じます」

 

 

「昨年もインラインで展開していたカットソードレスと、今シーズンの新作デザインのドレスを、着丈を長くしてもらうことでより一枚でも着やすいデザインにしてもらいました。そしてベージュは昨年のカラーの復刻、ブラックはBLOOM&BRANCHのために完全オリジナルでお願いした別注色です。どちらも光沢感が美しく一枚で着ても様になるし、レイヤードもしやすい丈、そして色だと思います」

 

 

 

 

着心地の良いカットソーは
身に纏うだけで
リラックスした休日を楽しめる

 

 

今回はお休みの日、そして仕事の日に合わせた自分なりのスタイリングを紹介してもらいました。
休日は気持ちの面でも自分をリラックスさせるため、着心地の良いカットソー素材を選んだり、ドレススタイルを選ぶことが多いのだそうです。

 

 

「仕事の日はどうしても、サンプルを試着するために着替えたりすることも多く、実務的な観点からパンツスタイルの方が多いので、その反動で休みの日はリラックスできるドレススタイルが多くなりますね。ドレスは一枚で様になるのでコーディネートが楽ちんではありますが、一辺倒にはならないように帽子やサングラスなどの小物で遊びを加えることも多いです。休日はほとんど外出していたのですが、最近は家で過ごす休日というのも増えました。そんな日でももちろん部屋着で過ごすのではなく、着心地の良いカットソーやシャツにデニムを合わせるだけのスタイリングだったとしても、お気に入りの洋服に着替えます。着込んで風合いが出た肌馴染みのいいTシャツやシャツは昔から好きで、気分を高めてくれる一方で心地良さを与えてくれます」

 

 

「外出する日は着心地も良く扱いのしやすいコットンのドレスにヒールのないサンダルなどで適度なカジュアルさと上品さのあるスタイルが多いです。cantateの新作のカフタンのような形のドレスは、平面的なデザインで出張や旅行にも畳んで持ち運びしやすく、リラックスしながらも上品なスタイルがかなうというのが気に入っているポイントです。今回はゆるく編まれた麻のつば広ハットやレースアップのシューズをワントーンで合わせ、モロッコのような乾いた砂漠のイメージでスタイリングしました。バッグはあえて籠バックではなくスウェードの鞄にして、少しスタイリングを引き締めるように意識しました」

 

 

 

 

自分らしい小物使いやレイヤードで

 

 

 

「月曜は一週間の予定を確認し、時間に空きがあれば商談を追加したり会議のスケジュールを調整をしたりと、週全体のスケジュールの組み立てをしてから仕事に取り掛かります。火曜、水曜は会社のミーティングや、自分のブランドの企画会議などオフィスワークが多いですし、展示会シーズンはほとんど外出というときもあります。木曜、金曜はメーカーや生地屋さんと企画を詰めていくための商談をしたり、あるいは別注アイテムの商談などお取引先様とお会いすることが多いです。その日のスケジュールによって動きやすさを重視したり、反対にきれいめなスタイリングにしたりなど、TPOに合わせるよう意識はするものの、基本的には自分が着たい気分のものを着るということを一番大切にしています。基本的にはお休みの日曜に、次の週の気温と予定を踏まえて、なんとなくこれを着たいなというアイテムを決めておきます。あとはその当日に、『今日はこれだ!』というものを直感で決めることがほとんどですね」

 

 

「お店に出る日もあるので、そういった日は動きやすさなどよりは、自分が着たいものを着よう、というマインドをより一層大切にすることが多いかもしれません。カットソードレスのブラックには、今シーズンから仕入れているchristian wijnantsの得意とするバティック柄が印象的なパンツを合わせています。そしてPorter Classicのシルクスカーフをターバンのように巻いてアフリカンを意識したスタイリングでまとめました。アクセサリーはほとんどがR.ALAGANです」

 

 

「2型別注したドレスのうちノースリーブデザインの方は、着丈を長くはしたものの、パンツやスカートなどを合わせたレイヤードスタイルも楽しめたり、シューズのバランスをいろいろ合わせて楽しめるような丈を意識しています。シンプルなドレスのスタイリングは、レイヤードにも、そしてアクセサリー使いにも気分が反映できてコーディネートが楽しいですし、とてもワクワクした気持ちになれます」

 

 

 

 

仕事はいつでも楽しさと学びを

 

 

 

商談の日などは少しかっちりとした印象のスタイリングを意識したい、けれどカットソーのワンピースというとどうしてもカジュアルになりがち。そんな時にはノーカラージャケットのインナー使いでコーディネートすることで、リラックス感のあるオフィススタイルにも対応できます。

 

「カットソードレスのベージュに合わせて淡いワントーンのスタイリングにしました。合わせたジャケットはPhlannèl、丈の長さを楽しむようにレイヤードしたパンツはKIJIのデニムです。長さの調節できるSIRI SIRIのガラスネックレスを合わせて淡いトーンのスタイリングを邪魔しすぎないようにしながら、ポイントにしました。度詰めの素材はくしゃくしゃになりづらいですし立ったり座ったりと忙しない日にも綺麗に着ていられるのがとても助かります」

 

 

「自分のブランドの次のシーズンのムードや世界観、デザインしたいアイテムの方向性など、紙に起こして練っていきます。バイイングでもやることは同じで、自分の頭の中にあるものを可視化しながらまとめていく作業は、自分と黙々と向き合う時間です。そんな中で、別注のアイテムは『このブランドはこんなアイテムが得意だから、BLOOM&BRANCHらしくこんな素材でお願いしてみたいな』と考えたり、展示会に行って初めて見るとても素敵なものを見て閃いたり、きっかけは様々ですがいつも新鮮な発見があります。そうして良いものができたときの嬉しさはひとしおです」

 

 

「私にとって、仕事はずっと学び続けられるようなものであるべきだと思っています。そしていつでも自分は楽しんでいたい。もちろん、やりたい仕事だけではなくて、その周りに付随する苦手な仕事もありますが、どうしたら自分がやりたい仕事を楽しんでやっていけるかな、と考えて行動することは忘れないようにしています。仕事に慣れて学びがなくなってきたりしたら、新しいことに挑戦したり、自分でまた学びを得られる環境を作ったり。そうして楽しんでいることが私の仕事のやりがいです。その楽しさはきっとものづくりにおいても、店作りにおいてもお客様にも伝わるものなのかなと思うので、楽しんでいられることが、何より大事です」

 

 

 

 

photo : Ryuhei Komura

text : Yukina Moriya