JOURNAL

自分たちの理念を表現する革靴
- Le Yucca's

革靴は、BLOOM&BRANCHのスタイルを構築する上で欠かすことのできないキーアイテム。不可欠な役割を担うLe Yucca’sのシューズは、何気ないスタイリングをまとめ上げてくれ、さりげない品格を添えてくれます。今回エクスクルーシブカラーとしてオーダーしたCobalt NavyとNaturalは、“育てていく”という、BLOOM&BRANCHの根底にある理念をこれまで以上に反映しています。足を守り、たくさんの場所に私たちを連れて行ってくれる。そして、愛着を持って育て、次世代までつなげていくことの出来る靴。そんなものを丁寧にセレクトする視点と、それを用いて作り出すスタイルについて、ディレクター柿本が話します。

 

 

 

 

奥行きのあるCobalt Navyは
今まさに気分の色

 

 

 

「まずLe Yucca’sの植物タンニンなめしのレザーについてですが、これは市場に出回っているものではなく、村瀬さん(Le Yucca’sデザイナー)が懇意にしているイタリアのなめし職人に一つひとつオーダーして別注で作っているものなんです。だからこれはどこにもない、“Le Yucca’sの植タン”。その中でも展示会でオーダーがつくのはやっぱり大半が黒なんだそう。もちろん僕自身も黒のギリーシューズの使いやすさは分かっているし、つい頼っちゃうシューズなんだけど、それとは違う新しい試みとして、ネイビーを今回作りたいなと思い、村瀬さんに相談しました。最近ずっと言っているんですがネイビーワントーンのスタイリングが自分の中でずっと気になっていて、色として気分が続いているんですよね」

 

今履きたい気分の靴がネイビーなのだと村瀬さんに相談したところ、『そうだよね、今ネイビーがいいよね』と意見がばっちり一致したのだそうです。

 

「村瀬さんから『ちょうどトラッドな気分も出てきたよね、だからネイビーはぴったりだし、濃いネイビーがいいよね』とまさに自分が思っていたことと同じ意見をもらえました。このCobalt Navyは黒に近くは見えるんですが、黒と並べるとしっかりネイビーの青さが出ています。そして黒っぽい色の中にはうっすらとネイビーの青が隠れていて、その奥深さがなんとも言えない魅力なんです。スタイリングの中で、黒のシューズだとどうしてもパリッとしすぎてしまうところにネイビーを合わせると、着こなしによってはカジュアルにまとめられたり、デニムに合わせやすかったりといった振り幅を感じます。あとは何より、植物タンニンなめしなので、これが深みのある色に近づいていくわけなんですが、クロムの革と比べて光沢がどんどん出ていくので、育て甲斐もあるのかなと思います」

 

 

「ギリーシューズに関しては、パーフォレーションが多いデザインの靴なので、革の断面の部分にネイビーの青さが際立つんですよ。外側が経年で黒に近づいていってもそこは黒くはならないので、靴全体に強弱がつくというか。そういった楽しさもあります。U-Tipはまさにトラッドを正統派でいく感じです」

 

 

 

 

BLOOM&BRANCHらしさ
“育てていく”ということを表す一足として

 

 

 

もう一つのエクスクルーシブカラーであるNaturalには、BLOOM&BRANCHがずっと根幹に持っている理念が最も反映されています。村瀬さんの私物のバッグの写真を見ながら、これは完全にエイジング勝負なのだと柿本が話すレザーの経年変化は、手をかけずにいても自然に表れる素材の美しさです。

 

「このレザー、本当にすごいんです。めちゃくちゃ格好良い。このヌメみたいな薄い色のレザーは1年でこうなるんですよ。これは村瀬さんのバッグで、同じレザーを使って作られています。1年間、全く手入れせずに使ったのだそう。だから2年、3年と使っていくともっと色が深くなっていく。これは、僕たちがずっと根幹に持っている“育てていく”という感覚値が一番近いレザーです」

 

「玄人向きの色ではあるんですが、個人的にはめちゃくちゃ一押しです。ぱっと見るとどうしてもスタイリング難しそうって見えますよね、肌色みたいに見えますし。でもその先がこういう変化をしていくって分かっていれば、使っていく楽しさもあるし、最初の薄い色のスタイリングと、濃くなった後のスタイリングとでは合わせる服ももちろん変化していくと思うので、そういったこともこのレザーを楽しめるポイントの一つなんじゃないでしょうか。最近は僕自身は白のパンツとかが気分で、そこに合わせたいのは薄い色の靴だと思っていて。そんな時のスタイリングにはぴったりだし、あとはこの色の状態ならペールトーンの淡い色のデニムは相性がいいんじゃないでしょうか。反対に、エイジングして濃くなった色の場合は濃紺のデニムが合うと思います」

 

 

「茶系の靴って敬遠されがちなんですが、僕自身は以前に取り扱っていたLe Yucca'sのクロコ素材の茶色のU-Tipは本当に合わせやすくていつも履いているんですよ。ダークトーンに合わせてもぱっと抜けた感じになりますし、カジュアルなデニムやカーゴにも合う、そういうところがいいなと思ってついついそればかり履いています。このNaturalカラーはLe Yucca’sの靴の中ではおそらく一番カジュアルに見える色だと思うんですが、だからこそ合わせられるスタイルがあると思っているので、色んなスタイルで楽しんでもらえたらと思っています」

 

 

 

 

 

“育てていく”ための準備

 

 

柿本だけでなくLe Yucca'sを愛用する店舗のスタッフも多く在籍しているBLOOM&BRANCHとして、この靴の良さをより多くの人にご体感いただくための方法を模索し、今回はこのスペシャルピースを青山店(5月12日から16日)、京都店(5月19日から23日)、WEB SHOP(5月12日から23日)各店にてサイズオーダーを承ることに。実際にシューズを日常的に愛用しているスタッフには、どんなことを相談したら良いのでしょうか。

 

「自分が普段履いている革靴のブランド、モデル名、サイズ、そしてそれをどんなフィッティングで履いているのかを把握してもらい、スタッフにそのサイズを伝えてフィッティングの相談をしてもらいたいです。ここまで伸びる靴はないって言っている人もいるくらい、履いていくと馴染んで変化していく靴なので、緩めに合わせることはせず、ちゃんとジャストサイズを選んでもらいたいなと思っています。スニーカーに慣れている人はどうしても大きいサイズを履いてジャストサイズだと思ってしまいがちなんですが、そうすると綺麗に履けないし変なシワもついてしまうので、仮にちょっときついのであれば、薄手のソックスから合わせてもらい、徐々に慣れたらソックスに厚さを持たせるとか、そういった調整の仕方をしてみて欲しいなと思います。シューズの慣らし方についても、フィッティング具合についても、実際に持っているスタッフがいるからこそのリアルなお話を届けられるのかなと思います。なので何でも、聞いてみて欲しいです。僕もお伝えしたいことがたくさんあるので、オーダーイベントの初日には店舗に在店する予定です」

 

 

「ギリーシューズもU-Tipも、ラストは同じKARENAラストで作っているのですが、数ミリの厚さのタンの有無でフィッティングが全然変わってきます。ギリーシューズの方がタンのない分ゆるさを感じやすく甲に締め付けがないので、甲高の人は足に絶対フィットすると思います。シューレースも思いっきり締められるので、デザインだけではなく、機能面で足をサポートしてくれますよ。あとギリーシューズはこの開いたデザインがあることで自分の好みで足元をカスタマイズできます。ある時はこれにカラーソックスを合わせてポイントにしたり、違う時は真っ黒のソックスを合わせたり、今だったら素足で履きたいなとか。ファッションとして気分を反映できるのがギリーシューズのいいところです。U-Tipは、同じラストでもこのトゥのモカ縫いがあるからか、足先がシュッとして見えるんですよね。より上品さが出るしエッジが効いた印象になります。野暮ったいスタイリングの時、このシューズはいつも全体のバランスを整えてくれるので僕にとっては欠かせない一足です」

 

 

「今回こうしてサイズやモデルを選んでオーダーできることの楽しさというかメリットは、妥協せずに自分のベストなものが選べる条件が揃っているということ。例えばこれまでは日本のマーケットに合ったサイズしか国内展開がなくて諦めていた方や、無理してインソールを合わせたりして履いていた方が、自分にぴったり合うサイズをオーダーできて確実に手に出来る。あとは今回、オーダーできる13サイズにあわせたシューツリーも同時にオーダーできるようになっているので、靴をより長くきれいに履くための環境を同時に揃えられるのがメリットです」

 

 

「シューツリーは、イタリアのラストメーカーとLe Yucca’sが協業で作っているものです。靴を作るための無垢材から作ったラストがありますよね、それに革を沿わせて作っていくわけなんですが、その木型をベースとして作っているのがこのシューツリーなんです。だから同じサイズでオーダーすれば靴にぴったりと合う。もちろん、他社のシューツリーが悪いわけではないのですが、それでは補えない部分までを補うことができます。意外と知られていないのが、革靴って長期保管をしていると、硬くなって縮むんです。だから、ジャストサイズで買った靴を大切にそのまま保管しておくと、久しぶりに履こうとしたときにきつくなっていて履けなくなります。そういった靴の変形をなくしてくれ、形をキープしてくれるものとして本当に大切な存在です。ブナの無垢材の無塗装なので湿気もしっかりと吸ってくれます」

 

さらにBLOOM&BRANCHでは、シューシャインから靴のトータルケアまで請け負うBrift Hの力をお借りして革靴のメンテナンスやケアを行っています。そんな背景があるからこそ、今回のプレオーダーの際にはプレメンテナンスを是非おすすめしています。

 

「ハーフラバーは絶対に付けてもらいたいです。あと僕は履いているとハーフラバーがトゥの方からどうしても剥がれてきてしまうのもあり、トゥスチールも可能であれば付けてもらうことをおすすめします。トゥスチールはその人の歩き方の癖なども反映して最初は摩擦で割と早く削れていきますが、ある時からぴたっと削れが止まります。そうすれば1年くらい何もしなくても十分履けると思います。磨きに関しては、基本的にはCobalt NavyもNaturalも無色のクリームでのメンテナンスでいいと思います。どちらも自然とダークトーンになっていくという特徴があるので、深さは自然と出ていきますよ。補色としてネイビーや黒を使うのもいいとは思います。ただ、Naturalの色に関しては村瀬さんも、『手入れをしていいけれど色を入れないで欲しい』とは言っていました。早くブラウンにしたいからブラウンの色を入れたいなと思う方もいるかもしれないですが、正直手入れをしなくても焼けて色が変わっていくので、やる必要がないのかなとは思います。もちろん、好みなので色の入れ方は自由ですし、トゥにだけ濃いブラウンを入れて立体感を出していくなど、玄人ですがそんな色の入れ方もテクニックとしてはありだと思います。あと、シューレースですが、Naturalの方はステッチ色に合わせて、そして経年後の革の色に合わせてブラウンのシューレースを付けています。ただ、色が薄い段階ではベージュのシューレースでワントーンになっている方が格好良いのかな、とも悩んでいて、そういった考えがある人は、Brift Hでシューレースをオーダーしていただいたりも出来ますし、自分の好みにカスタマイズしていくのも今回のオーダーの楽しさですよね」

 

 

 

 

photo : Ryuhei Komura

text : Yukina Moriya