JOURNAL

身に付けられるアートピース- SIRI SIRI

自分自身の個性をより一層輝かせてくれる力がSIRI SIRIのジュエリーには備わっていると話すディレクター中出。 BLOOM&BRANCHがスタートした当時から長くお付き合いのあるそんなブランドのPOP UP STOREが、7月31日から8月9日までBLOOM&BRANCH横浜店で開催されます。イベントに先駆け到着したSIRI SIRIのアイテムを並べながら、他のジュエリーにはないSIRI SIRIの魅力や、自分の個性を際立たせてくれるような“自分に似合うアートピース”の選び方を探ります。

 

 

 

 

 

アートピースを身につけるような感覚で

 

 

意外性のあるマテリアルを用いたSIRI SIRIのブランド表現は、数多あるジュエリーブランドの中でも一際異彩を放っています。それはまるで身に付けられるアートピースのようだと中出は話します。

 

「もともとジュエリーは何かの記念に贈られたり、刻印、紋章が備わり意味を背負う存在であるものが多いですよね。ベビーリング、マリッジリングは今でも多くの人がそうして身に付けていますし、シグネットリングなどもそうですね。それらには素材も純金が用いられていたり石が埋め込まれていたりとそのもの自体にも価値があるので、それを今ではゴールドの形や石の形を変えたりして母から子へ受け継いだりもしていますし。一方でSIRI SIRIのジュエリーはやっぱりそれとはどこか違って、成り立ちとして金属アレルギーの方でも身に付けられるようにということを考えられているということもありますが、籐、ガラス、水引や螺鈿など素材使いが他のブランドとは違います。その素材感もデザイン性も含め、まるでアートピースを買うようなものだなと。そしてそのアート性が、誰にでも似合うというわけでもなく、その人その人に似合うものが違ってくるので、それをつけること自体がその人の個性をさらに際立たせてくれるようになるのだと思っています。というのも、BLOOM&BRANCHのスタッフでもみんなそれぞれに似合うものをつけていて、ガラスをつける子もいればアクリルを愛用している子もいたり、様々ですが、それがその子らしさをすごく表しているなと、見ていて感じるんです。そしてその人に似合うものであれば、スタイルは比較的どんなスタイルにつけても可愛いんだなというのも感じました」

 

自身では似合うと感じるものや、好きだけど似合わないなと感じるもの、あるいは好まなかったのにすごく自分にしっくりきたものなどがあったのでしょうか。

 

「例えばガラスのピアス一つとっても、ドットと波だけの違いでも印象が全く変わります。私はドットの方が、ものとして見ていて好きだなと感じたんですが、耳に近づけると意外と自分には波が似合うなとか。あとはこの新作のシリーズも、水色がすごく素敵な色だなと思う一方、自分はつけないかなって思ったのが第一印象でした。私はどちらかというと色が白いので、こういう色をつけると血色が悪いような見え方になってしまうことが多かったので。でも実際につけてみるとそんなことは全然なくて、透き通るような水色をしたガラスのテクスチャーが意外と自分にも馴染むことを発見できました」

 

 

アートピースを買う——そう思うと、普段ジュエリーを買うのとは別の感覚を使い、好きだと感じるものを選ぶことができそうです。

 

「自分の好きなスタイルにはめこむ、というのとはまた違って、本当に似合うものを探してみようとか、直感的に美しいと感じるものはどれだろうと対峙してみるとか、選び方や視点が変わって面白いと思います。でも、BLOOM&BRANCHの洋服とはどれもすごく相性がいいなと思っていて、シンプルな洋服にエッセンスを加えてくれます。洋服の良さ、身につける人の個性を引き立ててくれる大切な存在です」

 

 

 

 

 

家具デザイナーと家具職人のような関係性
SIRI SIRIのものづくりの背景に感じること

 

 

「水引や藤はずっと昔からコレクションで用いられている素材、さらにこのARABESQUEコレクションのバングルは慶事などに用いられるあわじ結びをモチーフにしています。そして螺鈿などは比較的新しいコレクションだと思いますが、どれも日本的な素材使いであるにも関わらずその日本らしさが表に出過ぎてこない、言われればそうだなというくらいの存在感ですよね。民藝品のように見えすぎないバランスがとても素敵だし取り入れやすいなと感じます。それはきっとデザイナーの岡本さんが、これらの技術や文化を伝承したいという思いよりも、金属じゃないものを用いてこういうデザインのものを作りたいというクリエイティビティのほうが先にあって、ものづくりへと反映されている順序だからなのかなと個人的には感じています」

 

作りたいデザインのため、そしてプロダクトの継続のために、SIRI SIRIでは職人の育成にも取り組まれているそうです。作りたいものを追求するものづくりの姿勢や、デザインの考え方はそのまま技術伝承の場を育むことにも繋がっていきます。

 

「特にKIRIKOのバングルやリングは職人さんの高齢化や、技術ある職人の不足によってしばらくオーダーができない時期がありました。ここ数シーズンは、『オーダーがストップしないよう、若い職人さんの育成や技術継承を進めており、もうすぐでオーダーできるようになります』ということもご案内いただいたりしていて、技術を絶やさないためにそういったものを作っているのではなく、作りたいものを途絶えさせないために必要な技術継承があるならばそれをブランドとしてもしっかりとその役目を担いながらものづくりをされているのだなと感じました。ガラスのDOTS Earringsを制作している工房を以前見学させていただいたんですが、そこは普段は薬品の瓶や試験管をつくる工房なのだそうで、ジュエリー制作などは全く行っていないのだそうです。でも、SIRI SIRIのデザインしたものに対して必要になってくる、『棒状のガラスをバーナーを用いて加工していく』という加工ができる技術を持った工房を探したところ、そこに行きついたのだそう。その時にも、やはりSIRI SIRIとして作りたいデザインと、それを可能にする背景を選択したり育てたりするという関係性のうえでプロダクトが作られているのだなと感じました。それはすごく家具デザイナーと職人という関係性にも似ているなと感じます。“使えるアートピース”を買うという行為それ自体も、なんだか私にとってはビンテージの椅子を買うような行為との親和性を感じます」

 

 

 

 

 

自分に合うピースを探すイベントに

 

 

POP UPでも並ぶSIRI SIRIの新作は、現在デザイナーの岡本さんが留学されているスイスから着想を得たコレクションです。

 

「スイスって内陸の国なので、住んでいる人は海じゃなくて川に入るみたいですね。日常的に、例えば昼間にちょっと川入ってくる、と言って川に入りに出かけるくらい気軽なものだそうで。そんな川の中でもスイスにあるアーレ川という川の水面をイメージして今回のコレクションが完成したそうです。透き通るブルーだったり、気泡が入ってたり、フレーク状のものがついて水しぶきを表現されているものだったり。いつもは、『今回はガラスの新作です』とか、『今回は螺鈿を使いました』という素材を区切ったようなコレクションが多い印象だったので、今回のような風景ベースのコレクションはあまりなかったように思い、私自身とても新鮮に感じました。展示会では写真も見せていただいたんですが、話を聞くだけでも開放的なコレクションで、頭の中に浮かんでくるスイスの情景に想いを馳せていました。そしてこの7月からSIRI SIRIの赤坂のショップの3周年として作られたピンクが発売になっています。ちょうどオープンが季節的には春だったようで、桜の花弁などがイメージのベースになっているそうです」

 

 

今回のPOP UPではこれまでBLOOM&BRANCHでは展開のなかったSIRI SIRIのウェアアイテムも並びます。

 

「洋服で用いられている綿麻の手しぼの反物ですが、私もちょうどこういった手しぼの夏着物を持っているんですよ。手もみによって作られたしぼは身体と布を適度に離してくれるので涼しく快適に過ごせるという昔ながらの知恵です。 SIRI SIRIの洋服には『遠州しぼ』という素材が使われていて、身体にまとわりつかず、風通しが良い一着です。快適さもさることながら、やっぱり SIRI SIRIのアクセサリーがとても映えるなと感じます」

 

 

「和装のようなすっきりした縦のシルエットですが、腰についているリボンを後ろで結んでも前で結んでアクセントにしてもいいですし、もう少し絞るとややAラインのようになるので雰囲気を変えて楽しめると思います。洋服やスカーフ、そして人気の籐のバッグ、もちろんジュエリーも幅広く並びますので、ご自身に合うアートピースをじっくり選んでもらえるイベントになれば思います」

 

アイテムそれぞれに個性が溢れるSIRI SIRIのジュエリー。ガラスは特に夏を想起させるアイテムですが、軽やかな素材の存在感は冬のスタイルにもアクセントとなってくれます。

 

 

「ガラスは特に、冬のニットのスタイルにも是非つけていただきたいです。モヘアのような毛足の長いもの、Phlannèlでも冬の定番になりつつあるヤクニットを今年もリリース予定なのですが、そのタートルニットを着て、耳元にガラスのピアスが輝くとすごく素敵だと思います。バングルやネックレスも、ニットの上にのせるようにつけても可愛いです」

 

その他、定番のシリーズや新作を用いたスタリングイメージを聞きました。

 

「今日SIRI SIRIの洋服に合わせていたのはCOMPOSITIONコレクションのアクリルのイヤカフですが、このアクリルのものは本当にスタイルを問わず合わせすく、構築的でどんなスタイルも少しモダンな印象に変えてくれます。KIJIでリリースしたコットンネップのブラックドレスなどに合わせてシックな装いもいいですし、PhlannèlのCoton Silkのカフタンドレスの真紅に合わせても素敵ですよ」

 

 

「少し前に雑誌で日本の手仕事の特集記事が掲載されていて、その時にSIRI SIRIのジュエリーとAURALEEのアイテムをスタイリングしていたのを拝見しました。どちらも日本のブランドだからでしょうか、すごく淡い柔らかなトーンがマッチするなと思い、私もそんなスタイルを着てみたいなと。AURALEEのドレスにARABESQUEシリーズを揃えてピアスとバッグを合わせてみました。夏にも軽快ですし、秋に移り変わり街の色彩が落ち着いてきた季節にもしっくりと馴染みそうです」

 

 

「新作のHOTORIの透き通るブルーは、これ自体がとても素敵な色彩でポイントにしたいなというものなので、私はシンプルにカットソーとデニム、カットソーとチノパン、のようなスタイルにアクセント使いしたいなと思います。綺麗に日焼けした方が身に付けるとそれはそれできっと少し海のような見え方になるのだろうなと、すごく付けている姿を見てみたい気持ちになります。それほど、その人その人の個性を引き立ててくれるものですから」

 

 

 

 

photo : Ryuhei Komura

text : Yukina Moriya