JOURNAL

アメリカとイギリス
国境を超えて、いいもの vol.2
- Barbour

防水・防風・防寒機能を備えたBarbourのジャケットを現代の雨具のように時代にフィットさせて作ること。
イギリスの老舗ブランドであるBarbourの力を借りて、デザインはアメリカの名品を再現し、そして日本の生産背景を使うこと。
Filsonの名品を再現した第一弾の新色とともに、第二弾が待望のリリースとなります。今回もディレクターの柿本・中出の二人がその製作過程や両モデルの特徴をご案内します。

 

 

 

 

Filsonを買った20代
その時他には何を着ていた?

 

 

「去年ようやく実現したBarbourとの別注企画では、王道のアメカジアイテムをBarbourに日本製でつくってもらいたいということで、自分が20歳の頃買ったFILSONをベースに作らせてもらいました。オイルドジャケットといったらBarbourだろうと思っていた自分がFILSONを買うことになった話は前回しているけれど、そのFILSONとセットで自分の記憶にあるジャケットがあったんですよね」(柿本)

 

 

当時、マウンテンパーカーを買いに地元・熊本のセレクトショップに訪れた柿本はまたしても出端を挫かれたのだそうです。

 

「FILSONを買ったその店に今度はマウンテンパーカーが欲しいなって思って買い物に行ったんですよね。そしたらまた例のオーナーが、マウンテンパーカーなんてみんな着てるんだからパナミントジャケットを買えって(笑)。思ってたものとまた違うものを購入した経験が、自然とFILSONとリンクしている思い出のアイテムなんですよね。だから前回の取り組みがお客様にも好評だった時、今度はこれかなって、頭に浮かびました」(柿本)

 

「当時はきっとGジャンのようにジャストサイズで着ていたんでしょうね。会議のときに実物を持ってきていただいて、結構コンパクトなサイズ感だった印象で、そこから現代だったらどうやって着たいかというところでバランス調整が始まりましたよね」(中出)

 

 

「そうだね。ディティールは残しながら別物のようになったかと思います。当時のXXLよりも大きいサイズというか、3サイズ4サイズアップくらいのサイズ感だと思います。それでも今着ると丁度良いシルエットになりましたね」(柿本)

 

「ちょうどコーデュロイの襟も使っていて、Barbourとも親和性がありますよね。いくらアメカジの名品を再現しようとしても、普通のマウンテンパーカーを作ってしまうとフードのデザインにもなりますし、それをBarbourで作る意味も見出すのが難しくなりますけれど、このパナミントジャケットのオリジナルの襟デザインとかはちょうどBarbourらしさを象徴するポイントとの相性がよくて、これをBarbourで作ってみるのは面白いなと純粋に感じました」(中出)

 

 

「僕はこのパナミントジャケットとBarbourってすごく親和性があるなと思っていて、この60/40クロスは今となってはすごいローテクなものだけど、当時としてはかなり画期的なものですよね。ナイロン40%に対して60%入っているコットンの方が雨に濡れると水を吸って糸が膨張して、雨の侵入を防ぐという。Barbourが作るオイルドクロスも同じように水を防ぐためだったりするし、そこからアップデートしたこの透湿防水の素材はその機能は引き継いでいるもので。シルエット云々ではなく、これは機能的に、もともとの意味合いも引き継ぎながら現代のものにアップデートすることができたアイテムになったなと思っています」(柿本)

 

 

 

 

アメカジデザインを踏襲しても
Barbourらしさを忘れずに

 

 

防風・防水機能を備えたアウター本来の意味合いを引き継ぐ現代版のパナミントジャケット。らしさを表すディティールは採用しながら、より今の自分たちが着たいアウターとしてアップデートさせ、そしてBarbourで作る意味も忘れずに残しています。

 

 

「自分が持っていた90年代のジャケットだと胸にポケットがついていたりして、70〜80年代くらいのジャケットをもう一回見てみたらポケットがついてなかったり。年代違いでも、少しずつ色んなデザインバリエーションがあったので、必要なディティールは採用しながら、無駄だと感じるところは削ぎ落として、少し大人っぽいハーフコートのような出立ちのものにしました」(柿本)

 

「デザインはほぼ原型をそのまま採用しながら、Barbourらしさを消さないために、ボタンのサイズを調整したり、あとは何といっても裏地のチェックですね。前回作ったFILSONの“ダブルマッキーノ・クルーザー”も引き続き今年も作りましたが、新色のSageを追加してBlackとの2色展開になりました」(中出)

 

 

「Barbourと言ったらSageだろうって去年も話していたんですが、僕たちが採用している透湿防水のナイロン素材ではSageがもともとなかったんですよね。去年は、ある生地の中から選ばせてもらった中でBeigeがすごい良い色だったこともありそっちの色を作らせてもらいましたが、やっぱりSageをやってみたいなって思って、今回は生地から新しく作ってもらっています」(柿本)

 

「このSageが、色出しが意外と難しかったんですよね。オイルドジャケットのSageって、もちろんオイルが入った色なので少し黒さがある色で、生地の色をパントーンで探してみても、これという色が全然ないんです。黒にも見えるし緑にも見える独特の奥深さがある色なので再現が難しかったのですが、どうにか良い色に仕上げることができたと思っています。今シーズンはグリーンの色の気分もありますし、なんと言ってもBarbourのSageは何にでも合う万能カラーですから、幅広いお客様に、いろんなスタイリングで楽しんでもらえるかなと思っています」(中出)

 

「裏地のチェックはもともとオイルドジャケットのSageに使われているBarbourのオリジナルのタータンチェックです。前開きで羽織って着るときにはこのチェックが見えてくるのでスタイリングのポイントにもなります。デザインのディティールを見るとアメリカらしいのに、どうしてもこのチェックやコーデュロイの襟を見るとBarbourだなって感じがするのが不思議ですよね。このイギリスムードも今の自分にはあっているなと感じていて、このジャケットを今はアメカジっぽく着たいのではなく、ブリティッシュでトラッドなムードでスタイリングしたいなって思っています」(柿本)

 

 

 

 

それぞれの魅力を活かし
思い思いのスタイリングで

 

 

「第一弾のジャケットと比べて着丈のバランスが変わっていて少し縦長になってるから、細身のパンツとかは今回のモデルの方が合わせやすいと思います。前回のモデルはマッキノー・クルーザーの特徴でもある二重に被さった肩の生地がありましたが、今回はそのデザインがない分、より一層羽織っていて軽さを感じるかもしれないですね」(柿本)

 

より着丈が長くコートのような見た目のパナミントジャケットモデル。第一弾のクルーザージャケット。それぞれの特徴や着こなしのおすすめを聞きました。

 

「クルーザージャケットはボックスっぽい、Aラインシルエットのような広がりがあります。上に分量があるからですね。Barbourの中でも“BEDALE(ビデイル)”が好きな人はこっちの方が好みだと思います。新型のパナミントジャケットは着丈は10cmくらい長くなっているのでハーフコートのように着れます。ワンピースやスカートには前回のモデルが相性がいいですが、パンツには今回のモデルが相性がいいですかね」(中出)

 

Cruiser Jacket / ¥72,600
Aラインのシルエットはドレスにも相性が良い。
長めの袖を短く折り返して見えるチェックをポイントにスタイリングするのも楽しい。

 

Stand Collar Jacket / ¥72,600
ハーフコートのような着丈はパンツとの相性が良い。
フロント開けると見える裏地のチェック、コーデュロイの襟。閉めるとそぎ落とされたシンプルなデザインが大人っぽい落ち着いた印象に。

 

Stand Collar Jacket / ¥72,600
袖口やポケットのベルクロなど、アメカジらしいディティールは踏襲。
腰が隠れる丈とゆったりしたシルエットはインナーに着る洋服を選ばない。

 

「今回は少し短めのハーフコートのような感じなのもあり、着方によっては大人っぽく着れるかなと。Barbourはちょっとカジュアルだなって感じる人にも、上品なスタイルが好みの人にも、よりはまりやすいのではないかと思います。あと僕は肩がちょっと前回のモデルだと浮く感じがあって、よりすっきりした今回のモデルのデザインが、自分の体型にはしっくりきているところがありますね」(柿本)

 

Cruiser Jacket / ¥72,600
襟元まで閉めると程よく首に沿うコーデュロイがマフラーいらずの温かさ。
極太のトラウザーには言わずもがなの相性。

 

「ザ・ Barbourみたいに王道のスタイリングでデニムを合わせたりするのは気分ではなくて、ちょっとブリティッシュな雰囲気でスラックスとかを合わせたいなというイメージです。特にSageのほうはチノとか軍パンとかを合わせたくなる人もいると思いますがそういったスタイルならBlackを選んでみてほしいです。Sageならグレーのスラックスとか。大人っぽくBarbourを着るというのがいいかなと思います」(柿本)

 

「スタンドカラージャケットの方はディティールが静かに見えるから、ストールでエッセンスを加えても楽しいですよ。すでに発売されているTHE INOUE BROTHERSとの定番のコラボレーションアイテムも、中間色を今回は揃えているのでどれも相性がいいですし、Sageにオレンジも華やかで素敵かなと思います。それぞれによさがありますが、Barbourの万能さはどんなスタイリングにも合わせやすいこと。とにかく思い思いの着こなしを楽しんでいただきたいです」(中出)

 

 

 

 

photo : Ryuhei Komura

text : Yukina Moriya