JOURNAL

清く美しくたおやかな女性へ
- SOSO

“SOSO PHLANNEL”というブランドをご存知でしょうか?
アパレルブランド“SEA“デザイナーのRIEさんがデザインを手掛け、BLOOM&BRANCH創立とともに誕生したのが“SOSO PHLANNEL”です。日本語の楚楚から付けられたその名前には、清らかで美しい女性への憧れと敬意が込められています。RIEさんご自身のライフイベントを機に一度休止していたSOSO PHLANNELですが、今秋冬に“SOSO”として5年ぶりに復活することに。今回のJOURNALではデザイナーを務めるRIEさんをお迎えし、生まれ変わったSOSOのこと、ご自身のライフスタイルのこと、そしてSOSOが目指す女性像についてお話しいただきました。

 

 

 

 

SOSOのリスタートで
変わったこと、変わらないこと

 

 

もともとBLOOM&BRANCHディレクターの柿本と親交のあったRIEさん。8年前のBLOOM&BRANCH創立とともに生まれたSOSO PHLANNELのデザイナーを引き受けてくださいました。その当時、ブランドが目指したのはどのような姿だったのでしょうか。

 

「SOSO PHLANNELを立ち上げるにあたってのブランドコンセプトのようなものはなく、楚楚のことばの意味のように清らかで美しくたおやかな女性を目指していましたが、アイテムをデザインしていく中で気づいたことがあって。それは、やっぱり私自身の根底にはトラッドがあること。そこにちょっとクリーンな要素が加わり、楚楚の目指す姿が現れてくるのかなということに気がつきそれがコンセプトのようになっていった気がします。小さい頃からトラッドで育っていたので、何か生み出すたびにやはり自分の根底にはトラッドがあるのだと、その時実感しました」(RIEさん、以下敬称略)

 

「トラッドで育ったというのは、幼い頃からそういう洋服に触れてきたということですか?」(中出)

 

 

「母がすごくトラッドが好きな人だったので、本当に小さい頃からたくさん着せられて育ちました。父はどちらかというとアメカジ。それがミックスされたのが自分で、その二つは自分のファッションの礎になっているのだと、洋服を作り続けることで初めて気がつきました。自分の意思以前に染み付いている感覚ですね。そういった意味では、BLOOM&BRANCHの理念にも通じるところがいっぱいあるなというふうに感じています。だから今回、また改めて取り組みが始まるにあたっても、そういうところを大事にしていこうと思いました」(RIE)

 

「ブランドスタートが8年前ですから、当時に比べて当然ながらRIEさんご自身のライフスタイルにも変化があったかと思いますが、そういったことはクリエイションにどのような影響を与えましたか?」(中出)

 

「無駄が削ぎ落とされたと思っています。だって8年、9年前って私はまだ30代前半で(笑)その時と比べて、こうして並んだSOSOの洋服を見ると、余計なものが削ぎ落とされてより一層クリーンな印象になったんだなと実感しました」(RIE)

 

 

「作る洋服の変化のように、ご自身で着る洋服にも変化ってありましたか?」(中出)

 

「最近は自分のブランドのSEAの服しか着なくなってきた感じがします。前はいろいろ買っていたんですよ、すごい探究心が強かったんです。だからハイブランドの服を買ってみたりもしましたけど、でも多分、そういうのが一旦落ち着いたんでしょうね。今でももちろん服は買いますけど、だいたいが自分のところの服か、ビンテージ、それかBLOOM&BRANCHでお買い物をするくらいです」(RIE)

 

「ありがとうございます、嬉しいです。そうやってBLOOM&BRANCHの世界観を理解してくださっているRIEさんなので、今回改めてお願いするにあたっても、今展開しているブランドや、私がデザインしているKIJIなどにないものを作りたいなという大きな枠組みだけを伝えてお願いしました。その中でRIEさんらしさが表現された“ SOSO”の世界を見せてもらえたらなと。今私が仕入れをやらせてもらっていますが、軸になっているのがトレンドに流されないブランドだったり、ユニセックスなもの、ベーシックなものが多い中で、単調になりがちなところにちょっとした女性らしいエッセンスとか遊び心みたいなものが加わったら素敵だろうなって思ったんです」(中出)

 

「SOSOが復活します、ということを自分のSNSで先日ようやくお知らせしたんですけど、その時に昔のお客さまが『今日はSOSOのデニムを履いています』とか『今でもあのニットを着ています』とかレスポンスを下さって、本当に嬉しかったです。今回もそうやって、みなさんのワードローブに加わって、長く楽しんでもらえるものになったらいいなって思います」(RIE)

 

 

 

洋服への熱意と
それを保ち続けるためのチューニング

 

 

そんなRIEさんはご自身のブランド“SEA”を2007年にスタート。来年でブランドは15周年を迎えます。両親の影響で小さい頃からファッションに触れてきたRIEさんがブランドを立ち上げるきっかけはどのようなものだったのでしょうか。

 

「25歳の時に、私はこれからどうやって生きていったらいいんだろうってすごく考えたんですよね。そんな中でずっと洋服は作りたいなって思っていたなと。中学校の同級生に会うと、その当時から洋服を作るって言ってたよねって言われて、自分では全然覚えていないんですけど、そうだったんだなあって腑に落ちたりもして。それでちょうど2006年のときに、会社法が変わって最低資本金制度が見直されたんですよね。資本金が0円でも会社を作れるようになったと知って、興味本位でまず会社を作ってみちゃったんです。でも当時貯金は30万円くらいしかなかったのでTシャツを2型だけしか作れなかったんですよ。そのお披露目からちょっとずつアイテムを増やしていって今に至ります。よく15年も続いたなって思いますね」(RIE)

 

 

「展示会はいつから始められたんですか?年4回スタイルって本当に目まぐるしい日々だと思います」(中出)

 

「多分、スタートして1年後くらいから展示会をやり始めて、それからずっと年4回スタイルを変えていません。もう息が切れそうになります(笑)」(RIE)

 

「そんなにお忙しい中でも、今回のSOSOの復活のお話も快諾してくださって、丁寧に、いいものを作ろうという気概で一緒にものづくりしてくださって、本当にそういった姿が私自身にも刺激的でした。そんなにお忙しい毎日で、どうやって自分の気持ちを保ったりしているんですか?欠かさない習慣などはありますか?」(中出)

 

「それは絶対的に、自然と対峙する時間を確保すること。絶対にと言いながら意識的にやっているわけではないですし、家の前なんてすぐ川で、家の中からも河原が一望できるんですけど、そんな環境だったとしても、絶対に自然の中に行く時間を作っています。そうするとリセットされるんですよ。浄化されたりだとか、自然からパワーをもらえたりとか。そうすることで自分自身をニュートラルに保てていると思います」(RIE)

 

 

「素敵ですね。自然の中というのはどこまで行かれるんですか?」(中出)

 

「冬は家族でスキーをするんですよ。春から秋にかけてはサーフィン。なので海も山も行きますよ。とにかく自然が大好きなんです。キャンプにも行きます。大変だし、準備してテント立てたらもう帰るだけみたいに慌ただしい感じにもなりますけど、それでも楽しいですよね。あとは私を落ち着かせてくれるような友達の存在です。一緒にいると邪気を払ってくれるような、そんな友達が周りにいるので、友達と語らうことも大事ですね。今回のSOSOのものづくりを一緒にやってくてれいる仲間も、私のことを落ち着かせてくれて冷静にものごとを進めてくれる存在で本当に信頼しています。そういった周りの人、そして家族の存在は大きいです」(RIE)

 

 

 

 

どう着るかを楽しむのは
着る人それぞれに

 

 

よりクリーンに生まれ変わったという新生“SOSO“は、全8型のカプセルコレクション。BLOOM&BRANCH各店にてお買い上げのお客様には、エコバッグのノベルティも用意してくださいました。

 

「今回のカプセルコレクションを作るにあたり、それぞれのアイテムである程度スタイリングできるようなラインナップになっています。そしてネイビーとベージュ系の2色が今回のテーマカラーになりました」(RIE)

 

「リスタートにあたり、SOSOのロゴもRIEさんに改めて考えていただきましたね」(中出)

 

 

「そうですね。こういったロゴもBLOOM&BRANCHとしてはあまりないのではないかな?と思いましたが、だからこそ、ちょっと提案してみたかったなと。ロゴを配したロンTeeは女性にはちょっとゆったりしたサイジングでワンサイズ展開になっています。ニットも身幅が広めのデザインで、太めにとったリブ幅がポイントになっています」(RIE)

 

 

「このニットは特に、SOSO PHLANNELのときのデザインらしいというか、RIEさんらしい要素が詰まっているなと個人的には感じました。とてもお気に入りの一着です」(中出)

 

「ニットにも合わせられるように作ったサスペンダートラウザーは、通常のトラウザーを上にぐっと伸ばしたようなデザインになっています。ジッパーもそれによってすごい長くなってるちょっと面白いデザインなんですが、これは着方が色々楽しめるようになっていて、サスペンダーをぎゅっと短くしてウエストの後ろと前部分を繋いで止めるとちょっとサルエルパンツみたいな落ちたシルエットになってまたこれも可愛いんですよ。着る人それぞれでスタイリングが浮かぶようなアイテムになったかなと思っています」(RIE)

 

「全体的に今回のカプセルコレクションはゆったりとしたシルエットのものが多く、全てワンサイズの展開になりました。コートも、アームホールが太いニットなどをインに着ても問題ないようなゆったりしたシルエットですが上品でとても美しいコートになりましたね」(中出)

 

 

「そうですね。袖はわざと長めに作っていて、折り返すと裏のスレキが見えるようになっています。すごいあったかくていいコートになって嬉しいです」(RIE)

 

 

「アイテム全てに通じることですが、RIEさんの中で、ジャケットはこう着たいとか今だったらトラウザーはこんな感じが気分とか、トラッドがベースにあるからこそのベーシックなアイテムをどう今の気分で着るかというところをデザインやパターンに落とし込むのがすごく上手だなと、一緒にものづくりをする中で感じました。どう着たいかという意思が伝わりやすいし分かりやすいものになっていて、その一つひとつが合わさって今回のコレクションが完成したと思います。楚楚の語源のように清らかで美しくたおやかな女性というのは私自身も憧れますし、RIEさんがまさにそんな人なので、そういうことがしっかり表現できるブランドになったらいいなと思いますね」(中出)

 

「ただ、こういう着こなしってもちろん提案はするんですけど、私はあんまりものごとを説明するのが本当は好きじゃないんです。なぜかというと、受け手側の考える余地や余白を残しておきたいからなんです。だから、今回も色々と私なりの考えは話したけれど、それに囚われることなく、自由に楽しんで着て欲しいなって思います」(RIE)

 

 

完成したコレクションを改めて眺めながら色々と試着する時間の中で、これはこう着たら可愛いね、このスカートにしたにはパンツを合わせても良さそうだね、とどんどん膨らむイメージを楽しそうに話してくださったRIEさん。洋服への愛情や、ファッションの楽しさをそのまま体現し目の前で見せてくれるRIEさんの熱量は、一つひとつのアイテムにしっかりと伝わり、それがお客さまの手元にまで冷めずに届くのでしょう。

 

 

 

 

SOSO 21AW Collection LOOKはこちら
SEA Official Site : https://sea.vc/

 

 

photo : Daisuke Taniguchi
text : Yukina Moriya