JOURNAL

オールAのバランス感覚に魅せられて
- blurhms ROOTSTOCK

2020年6月のBLOOM&BRANCH YOKOHAMAオープン記念の別注アイテムを制作いただいてから、毎シーズン欠かすことなくコラボレーションを続けているblurhms。blurhmsといえばアメリカをベースに感じさせるデザインやシルエットが多かった中で、柿本の目をひいたのがM-47やM-52のフレンチをベースとするアイテムたちでした。ブランドのコレクションの中にいい意味での違和感を感じたこと、そしてBLOOM&BRANCHがずっと提案しつづけたいことの二軸が重なり合い、今回の別注デニムが誕生しました。

 

フレンチビンテージとアメリカンビンテージ
どちらのカルチャーも重ね合わせて

 

 

展示会に並んだアイテムの中で良い違和感を感じたフランスを感じさせる2アイテム。さらにそのディティールに対して、普通とはちょっと違うblurhmsらしいデザインを感じたと柿本は話します。

 

 

「どちらかというとblurhmsにはアメリカのイメージを持っていた中で、ある意味違和感を感じるような、フランスを直球に表現したアイテムが並んでいて面白いなと思って手に取ったんです。そのM-47をベースにしたパンツは、ディティールを最初期モデルから取っていたんですよね。フロントボタンを見ればわかるんですが、M-47をベースにしたアイテムはたくさんあるけど、純粋にこのディティールを見た時に、テンションが上がったんです、こういうことするのが村上さんらしいなって。そのすぐ近くにM-52ベースのチノもあって、この2つのフレンチミリタリーの定番どころを展開しているblurhmsに対するちょっとした面白さがとても印象に残りました」(柿本)

 

その2アイテムを、デニムに置き換えてアメリカとフランスの間を縫うようなアイテムの別注を依頼しました。そこには “トラディショナルスタイルやカルチャーの再構築“をして提案し続けたい、BLOOM&BRANCHの目指すスタイルが反映されています。

 

「フレンチビンテージが大きなトレンドの一つになって、多分今ってピークは超えて落ち着いてきてる最中ではあると思うんですが、BLOOM&BRANCHではずっと提案していきたいものでもあるんです。流行だからという理由ではなく、洋服の根元にあるデザインや技術やカルチャーが反映されているものだと思っているからです。それと同じように、デニムはアメリカルーツのものでもあり、アメリカンカルチャーの土台的なアイテムだから、その両者を掛け合わせるっていうのが自分たちらしいし、新しいスタンダードが誕生するんじゃないかなって。例えばフランスの田舎のミリタリーショップでデッドストックが束で置いてあるような、単純にそういうものが見てみたいという好奇心が強かったんですが、これは与那嶺くんには反対されたね(笑)」(柿本)

 

 

22SSシーズンのバイイングから同行している横浜店店長の与那嶺。店頭で接客をする中で得たお客様からの意見を反映しながらディレクターと意見を交わしています。

 

「僕の中ではこのデザインをこうアレンジしたら絶対お客様に気に入ってもらえるだろうっていうのがあったんですよね。あとは、先ほど柿本さんも言ってましたけどフレンチビンテージのブームみたいなものが落ち着いてきた流れを僕も感じているので、そんな中でこの別注って大丈夫なのかな?っていう不安もありました(笑)」(与那嶺)

 

 

「その感じはすごいわかったんだけど、一方で、そのアイテムは想像の時点で絶対良さそうだろうなっていうのが見えてしまったところがあって、単純にワクワクしなかったんですよね。僕自身が感じたM-47とM-52のデニムを『見てみたい』っていうのは、絶対いいものができるとは思っているけれど、それでも村上さんの手にかかった時にその想像したものはどんなふうに仕上がるんだろうっていう、実物が見てみたいなって」(柿本)

 

「実際に完成したものを見て、まず生地の感じとデザインのバランスの良さというか、ありそうでないなっていうところと、履いた時のシルエットの綺麗さに驚きました。柔らかい生地だと多分こうはならなくて、僕が今日実際に履いているものみたいにゆるく落ちる感じがあると思うんですよね。そこが、デニムの硬さやオンスの選び方によって、ぱきっとしたシルエットが出るんだろうなと。M-52の方なんてもはやスラックスのような顔をしていますよね。僕はこのM-52タイプを買おうと思っています」(与那嶺)

 

 

「うん、想像していた以上にいいものになりました。もうちょっと野暮ったくなるかなと思ったんですけど、シルエットと縫製がすごいいいのと、生地の感じとのバランスがいいのか、かなり綺麗に仕上がったなと思っています。デニムのちょっと赤みのある感じとかもその雰囲気にマッチしていますよね」(柿本)

 

 

 

 

Style Sample - Kakimoto

 

 

それぞれのイメージするスタイリングを聞きながら、実際に両モデルを履き比べてみました。

 

「M-52をベースにしているほうは、オリジナルにもないウエストの紐が中についてるからベルトをしなくてもいいですよね。僕はサイズ2でもちょっとウエストが大きいんだけど、横で締めるとフロントが崩れないで綺麗に履けます。1年前の自分なら迷いなく3を選んで絞って履いていたと思いますが、今はジャストに近いサイズが新鮮です。絞り方でもっとハイウエストで履いて足元サンダルもいいし、腰落としてワンクッションさせてもいいですね」(柿本)

 

M52 Denim / 着用サイズ2

 

 

「革靴にノークッションくらいでスラックスっぽく、クリースを崩さずはくのが今の自分の感じでは大人っぽくて好きな感じです。丈バランスもこのままで本当に綺麗に履けるのがいいですね」(柿本)

 

 

「M-52のほうは極力洗わず色を落とさないようにしながら、プレスして綺麗に履きたい気分ですが、M-47の方は洗ってもいいし、しわも気にせずくたっとさせて履きたいですね。その分、合わせるアイテムは品良くバランスを考えます。まあデニムなので、そんなことを考えずになんでも合わせて履けるところが何よりの魅力ですし、サイズもだぼっと大きめをチョイスしてもいいしジャストを選んでもいいし、自由に履きたいなと思っています」(柿本)

 

M47 Denim / 着用サイズ2

 

 

 

 

Style Sample - Yonamine

 

 

与那嶺はサイズ2とサイズ3を両モデル履き比べてみました。

 

「M-52は予想以上にめちゃくちゃ綺麗な顔だったから、Le Yucca’sの革靴なんかを合わせて履きたいなって思っています。基本僕はジャケットスタイルが好きなので、上を羽織って上品さを少し出せる雰囲気で合わせたいですかね」(与那嶺)

 

M52 Denim / 着用サイズ2

 

 

M52 Denim / 着用サイズ3

 

 

「M-47はもっとずどんとしたシルエットだし、デザイン的にもミリタリーの感じが強く出るものだと思うので、もうちょっとカジュアルダウンさせて履いてもいいかなという気分です。今シーズン楽しみにしてた一つがこのblurhms ROOTSTOCKのサーマルベースボールTシャツなんですが、個人的にはこれを合わせたいですね。あとは、バスクとセーラーハットでマリンなイメージもありかなと。軍パンのM-47でも通用するスタイリングですが、そこをデニムに置き換えることでネイビー同士の合わせがより統一感も出てきれいになるかなって思います。そうなると、足元はパドモアにしてマリンなカラーで揃えたいですね」(与那嶺)

 

M47 Denim / 着用サイズ2

 

 

M47 Denim / 着用サイズ3

 

 

 

 

職人のようなデザイナーの作る服

 

 

「blurhmsは横浜店の立ち上げのときから取り扱いをスタートさせてもらったブランドでもあり、特に横浜店を中心にアイテムを展開していたから、与那嶺くんにとっても思い入れがあるブランドなのかな?と感じています。展示会を生で見てどうだった?」(柿本)

 

「そうですね、自分自身も色々購入していますし、blurhmsは個人的な思い入れもあるブランドです。22SSの展示会は、同行しようとして柿本さんと日程が合わずに僕一人で伺わせてもらったんですが、その時あれこれと試着をしまくる僕のこともデザイナーの村上さんが本当に丁寧に対応してくださって。まずその人柄に感動したことが強く印象に残っています。ブランドに対してもそうですが、やっぱり真摯な姿勢というか丁寧さってプロダクトに表れているのかなと。結局一人で2〜3時間くらいいてしまったんです(笑)」(与那嶺)

 

 

「自分から多くを語らないけれど、本当にいつも丁寧だし、聞けば聞くほど色々と興味深いことがでてきたりしますよね」(柿本)

 

「アイテムを一つ一つ見ていく中で色々と説明を聞いて、その中で自分で気づいたことを質問してみたりすると、『そういうのをエッセンスとして隠してるんだよね』とまた丁寧に教えてくださったりしました。そのデザインに自分自身もすごく納得がいくことがたくさんあったし、納得がいくからこそ、それらを持ち帰ってお客様に直接説明したいし伝えたいと感じたことがたくさんありました。生でお話を聞くことで得るものは本当に多かったなと思っています」(与那嶺)

 

「ディティールの人ですもんね、村上さんは。デザイナーだけど、本当に職人のように、あらゆるところのディティールを紐解いて、それらを絶妙なバランスで組み合わせて、見たことあるようでないものを作り続けていると思います。だから今回のM-47にしても、ボタンを3つボタンにしているなんて、気づく人は気づくし、知らない人は知らない。でもきっと気づいてくれる人に気づいてもらえたらいいんだと思うし、その普通じゃないよっていう感じとかそこに含まれた村上さんの意志が、僕としては感じられるからそういうところが『blurhmsらしいな』って思うところですね。だって利便性で言えば、ボタンは3つつける必要がなくて、後期モデルみたいに1つボタンでいいはずなんです。でも敢えてそのディティールを取り入れいているというところに、ブランドの本質が見えてきますよね」(柿本)

 

 

「そういう散りばめられているディティールに、服を好きな人はきっと気づけるから、blurhmsの洋服を見ていると、『ここってこうかな?このデザインはこんなベースがあるんじゃないかな?』と想像がしやすいところもあって。決してわかりやすいわけではないですけど、全てが隠れているわけではなくてフックになるところがたくさんあるし、興味を惹かれるところが詰まっている。だからこそ、お客様とはそういうディティールの話で盛り上がれるし、知らなかったお客様には、『なるほど』と洋服のちょっとだけ深いところを理解して購入いただける。そういった意味では、お客様には紹介しやすいというか、伝えたいことがたくさんあるブランドなんです」(与那嶺)

 

「あとは、そのまとめ方というか、デザインも縫製も素材も、色々ある洋服を構成する要素をまとめていくと、綺麗な正円になるというか、本当にバランスがいいブランドですよね。村上さんはデザイナーなんだけどやっぱり職人的な感じだから、どこに対しても妥協がなくて、同じものを出していると見せかけてシーズンによって微調整をやめない人だとも思う」(柿本)

 

「まだ入荷していないblurhms ROOTSTOCKのモールスキンのブルゾンがあって、それに対して展示会の時に個人的な感想を、失礼かもしれないと思いながら村上さんに伝えたんです。『着た感じはどこかの古着屋で8,000円くらいで売ってるU.Sのブルゾンぽいんだけど、縫製とか生地感の上質さがそこに合わさるから、上品でリラックス感があるって、そのバランスがいいですね』と。そしたら、まさにそんな感じなんだよねって話をしてくれて。だからいい意味ですごく綺麗に作ろうとはしていなくて、ちょっと抜けてはいるんだけど、全体のバランスで差し引きしながら作られているんだなって、そのことでもすごく納得がいったんです。だからblurhmsの服って着る場所を選ばず、リラックスして着れるから近所に買い物にいく時にも着れちゃうし、もちろん仕事にいく時とか、ちょっと構えて食事に行くときにも着れたり。その理由ってそういうバランスの生み出し方にあるんだなって思いました」(与那嶺)

 

 

 

 

 

photo : Ryuhei Komura
text : Yukina Moriya