BLOOM&BRANCH
Stories of Le Yucca's
staff TOMITA

Model / Ghillie Shoes
Size / 38.5

季節が変われば着る服も変わるのと同様に、それがもたらす影響は足元にも及びます。新生活がはじまる春には自らの気持ちを表すようなビシッとした革靴、行楽シーズンの踊るような気分には鮮やかなスニーカー。猛暑に見舞われる夏には少しでも涼を取るために履くサンダルがあり、秋になればそれは姿を隠します。そして、厳しい冬の寒さにはウールの靴下と共にブーツが足元の暖を取ります。ごく当たり前に行われる季節ごとの足元の移ろいに対して、強くそれを意識する人は意外と少ないのではないでしょうか。

僕自身もあまりスタイリングの季節感を足元で演出したりすることはなく、夏には暑いからという理由でサンダルを履き、冬は寒いからという理由でサンダルをやめる程度のものです。そのためこのGhillie Shoesさえも、季節ごとのスタイリングを楽しむどころか、むしろ春夏に靴下を合わせたり、秋冬に裸足で履いたりというように、自分のスタイリングイメージを優先した履き方をしています。

そこでふと、Ghillie Shoesを履く自分の足元には、先述の季節ごとの移ろいが欠けていることを感じました。その理由を考えてみると、Ghillie Shoesを履いている自分は、何よりも「パンツとのバランスの駆け引きを楽しむこと」を優先させているのだと気づきました。

60年代や70年代の柄物のトラウザーズに、どう合わせたら現代らしさを添えられるのか。そしてどう合わせたらこのGhillie Shoesのクラシックさを最大限に引き出せるのか。デニムであれば、色の抜けた古いLevi’sとの相性は誰もが語るほどお墨付きの相性ですが、では新品のデニムであればどうしたら単調にならないスタイリングに出来るのか、そして自身の足元にしっくりとこのシューズが収まってくれるのか。

そういった駆け引きを日々楽しむことこそが、僕にとってこのシューズを履く醍醐味なのです。ですがその駆け引きは、なかなか成功に終わりません。

まだ手に入れたばかりのGhillie Shoesが持っている艶のある表情や存在感はとても強く、その存在に頼ってばかりのスタイリングが多くなってしまいます。また、自身の若さゆえにトレンドのスタイリングのように見えてしまい、思い描いたバランスに落ち着かないことも多々あります。特に今は、多くのセレクトショップでLe Yucca’sに限らずGhillie Shoesというモデルを取り扱っているので、注意しないとトレンド要素が強く見えてしまうのだと、経験から学びました。

しかしLe Yucca’sにおいては、そうやってトレンドとして消化されていくべきものでは決してないし、革靴の経験が豊富な人にしかきっと履きこなせないのだろうと思っているので、自分がそれを消化する人になってはならないという責任感を感じつつ、大切に、過保護なほど触っては着用して、眺めています。

そのように共に過ごし、くたくたになる程履き込むことで、まずはこのGhillie Shoesを完全に自分のものとして存在させること。それこそが、このシューズとの間の駆け引きを成功に導くためのヒントだと思っています。まだ手に入れて5ヶ月ほどの僕は、そんな修行の最中です。

(Staff 粕谷)

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